#126 Article 20427 Posted at 1994/10/14 02:58:51 by MSP-Iris (MAP4370) [REVIEW]
Subject: Re:*5 私的「魔女っ娘・姫ちゃん」論 /17728 ... /17572 /17554
§6§ ささいな日常を丹念に描く 「テーマが、ささいな日常を丹念に描くことによって、自然に浮き上がってくるよ うな作り方をしたい」というのはマジカルエミの時の安濃監督の言葉。「それなりに リアリティがいるんじゃないか」というのはクリィミーマミの時の小林チーフディレ クターの言葉である。私もこの意見には賛成である。作品中にはその世界があり、そ の世界の日常性、あるいは法則や流れを壊して欲しくないと思う。これらが壊れると その世界は、途端に現実味を失ってしまう。現実味のない世界には入り込むことは出 来ないし、当然魅力的でもない。これは殊に魔法ものや未来ものでは注意すべき点で ある。逆に、その世界にこだわって描き込んでいけば、自ずと深みがわいてくるもの である。 原作版もアニメ版も絵的に割と丹念に描かれていたように思うし、次々に出てくる 魔法のアイテムもちゃんと消化出来ていたように思う。ただあえて苦言を呈すれば、 連載版は理論的なところにやや首をかしげるところがあった。一つは姫ちゃんが生き 返る時の理論的裏付け、もう一つは五利先生の家が火事になった時の大雨である。前 者についてはアニメ版ではきちんと話が流れているのはご承知の通りで、私は話とし てはこちらを支持したい。後者は単行本版では王様が降らせたということに描き換わ っている。 ところで、言ってみれば、姫ちゃんの元気さというのは、これは彼女なりの日常な のではないかと思う。そして、その元気さがたわんで、たわんでたわんでたわみきれ ずにポキッといった時に見せる涙、それもまた彼女である。この辺の心情の描き方は 大変細やかで、野々原姫子という魅力的な世界を丁寧に、それゆえ一層魅力的に表現 している。 だからこそ私達はこれほどまでに彼女に夢中になれるのだ。 そう私は思っている。 MAP4370 MSP-Iris