#126 Article 17728 Posted at 1994/07/02 03:06:37 by MSP-Iris (MAP4370) [REVIEW]
Subject: Re:*4 私的「魔女っ娘・姫ちゃん」論 /17620 ... /17572 /17554
§4§ 姫ちゃんにおける魔法 姫ちゃんにおける魔法というものの特色を如実にあらわしているのが、魔法に直接 かかわりのあるエリカ、ポコ太、姫子ちゃんの3名である。 もちろんエリカは姫ちゃんに魔法を供与した人物である。ポコ太はお供であり、姫 子ちゃんは魔法によって創り出された架空の人物である。ところが、これがこれだけ で終わらないのが姫ちゃんの「共有魔法」である。 エリカについて言えば、既に述べたように、当初は魔法を供与しその対象を観察す るという、そういう人物であったのが、魔法の危機を姫ちゃんとともに乗り越えた経 験によってその存在は姫ちゃんに(というか人間界に)急激に引き寄せられていった わけで、ここに「供与」の上下関係は破棄され「共有」の水平関係が成立、かけがえ のない友達となった。おそらくは、魔法界ではその地位のせいもあり、気のあう友人 も少なかったことと思うので、彼女にとって姫ちゃんの存在はかなり重要であったは ずである。姫ちゃんにとっても、大地は結局異性であり、同性の友人としてのエリカ は大切な存在であったはずである。 ポコ太については前回述べたように、姫ちゃんにとって既に内在(共有)のキャラ クタであったことも加わり、ただの「魔法のお目付役」を超越した存在となった。も ちろん姫ちゃんにとってのみばかりでなく、物語そのものにとっても大切な存在であ り、姫ちゃんと大地との関係同様、ポコ太とピンクとの関係もこの物語の重要な構成 要素である。 最後に姫子ちゃんである。このキャラクタはアニメ版独自のものであるが、この作 品世界をよく表現しているキャラクタで、原作の雰囲気を決して破壊するものではな い。姫子ちゃんは魔法によって創られた姫ちゃんの分身で、結構姫ちゃんにいいよう に使われていたような気もするが、そこには上下関係は感じられない。姫子ちゃんに は個としての人格と意識が与えられ、姫ちゃんも視聴者もそれを認めて尊重している わけで、決して「使われるだけの存在」にはなっていない。水平な関係(つまり共有 ということとつながるのだが)においてこの二人には友情が芽生えたのである。 さらに、その人格、意識が姫ちゃんの中に(表面化していなくても)存在するもの であり、姫ちゃんがそれを知っていたがために、この二人の関係は更に深いものとな ったと思われる。「自分」でもあり「他人」でもある、姫ちゃんにとってポコ太より も更に密接な関係を持つ姫子ちゃんは、姫ちゃんの心の中に大きな変化をもたらした であろう。 であるからこそ、姫子ちゃんは消されなければならない、姫ちゃんは消さなければ ならないという事実が、私は不憫でたまらない。姫子ちゃんが消えることに対してい さぎよいだけに、ますますである。 というわけで魔法による共有関係を基本とする(異性とは)恋・(同性とは)友を 描いた、やさしい・あたたかい作品、というのがこの物語の根幹であるというのは皆 さんご承知の通りなのです。 次回は「共有」の話題から離れて...内容は秘密。(^^; MAP4370 MSP-Iris