#126 Article 20426 Posted at 1994/10/14 02:58:50 by MSP-Iris (MAP4370) [REVIEW]
Subject: Re:*5 私的「魔女っ娘・姫ちゃん」論 /17728 ... /17572 /17554
§5§ 物語というのは本来、永遠に続かなければならぬ 「物語というのは本来、永遠に続かなければならぬ」というのは栗本薫さんの名言 である。物語というのはある世界を表したものであるわけで、その世界が終焉にいた らぬ限りは終わることは許されない。そして一つ一つの作品はその物語の一部を切り 取ったものであり、それ自体には「最終回」というものが存在するが、それはその世 界の終焉ではないはずである。一つの作品が送り出された後には、その世界は受け取 り手それぞれの心の中で永遠に生き続けるわけであり、少なくともそれを否定するよ うな終わり方であってはならないと思っている。 このような点から見て、結論を先に述べてしまえば、私は姫ちゃんの「最終回」と いうものには満足している。というのは、作品世界のエターニティを破壊することな く終わっているからである。 どうも私はケチな性格であるらしく、一度得たものを喪失するのが耐えられない。 この作品では、魔法は最初から期限付きであったが、その「共有」によって得られた 多くのものが魔法の期限切れによって失われるとすれば、それはむしろせつないこと のように思えていた。実際、多くの魔法少女ものがその様な「せつない」エンディン グを迎えている。しかし実際にはこの作品の最終回はその様なものではなかったわけ である。 いくつかポイントはあると思う。例えばポコ太のこと。ポコ太の存在意義は既に述 べた通りであるが、結局しゃべって動くことが出来るようになったポコ太が作品終了 後もそのままになったというのは、正直「ほっとした」気がするのである。連載の最 終話の1つ前の話で姫ちゃんとポコ太が別れた時、私は柄にもなく涙したものである が、最終話で帰ってくることになって、つまりその関係が修復されて、私は非常に救 われた気がしたのである。その後ポコ太は魔法界の方に活動を移したようであるが、 これは今度はポコ太とピンクの関係に関することであり、姫ちゃんと連絡を取りつつ 魔法界に住むというのは双方(姫ちゃんとポコ太)にとって最善の選択であったのだ ろうと私は思う。 あるいは、リボンのこと。「またリボンの姫子でいられるんだから」というのはエ リカの修行延長が決定した時の言葉。そして連載最終話で大地が新しいリボンを姫ち ゃんに贈り、そして「もう変身はできないけど、でもいいの!あたしはやっぱりこの 姿が一番いいもん!」という台詞がある。これは私のエゴであるが、私の心の中では 彼女はいつまでも「リボンの姫子」でいて欲しいと思っている。 それから廃屋のこと。廃屋というのはこの話の「共有経験」の主たる場であり、姫 ちゃんの人間関係の居場所であったわけであり、更に言えば姫ちゃんにとって大地の 象徴であったのだと思う。まあ、偶像崇拝だという人もいるかもしれないが、こうい う意味から廃屋が破壊の危機をまぬがれたのは大きな出来事であるといえよう。 ほかにもいろいろとあるが、結局のところこの最終話を象徴するのはその連載時の 扉絵ではないかと思う今日この頃である。それは魔法によってもたらされた様々な人 間関係の輪を表し、それがこれからも伸び広がっていくことを表しているようにみえ る。風立町ではまだまだいろいろなことがおこりそうである。 MAP4370 MSP-Iris