#148 Article 13036 Posted at 1994/11/10 21:10:29 by サメくん (MAP5059) [SLEEP.CHR]
Subject: Re:*17 すりーぴんぐぷりんせす /12604 ...... /2802 /2771
さて・・・ 今回は、すり~ぴんぐぷりんせす「ジョアン編」をお送りします。 え、ジョアンはプリンセスじゃないって? まぁ、後のクイーンですから、その辺はあまり突っこまないように・・・(苦笑) 『目覚めの時』 木漏れ陽が、きらきらと少女の髪をきらめかせ、優しい風が白い頬を撫でる。 柔らかく、くせの無い金髪が、まだあどけなさを残す少女の顔を彩り映えさせている。 安らかな寝息をたてて、少女が眠るは深緑のベット。 優しく響くは、小鳥達の子守歌。 ここは、辺境の地。 魔族軍の西方居留地に程近い「闇なる者の森」 しかし、その恐ろしげな名とは裏腹に、深緑の大海は少女と青年に貴重な休息の時を 与えてくれていた。 少女が小さく寝返りをうつ。 たおやかな肢体を包む白磁のローブが僅かに寝乱れ、金の繊毛が閉じたまぶたにかか るのを、青年はそっとかきわけてやる。 かすかに洩らす少女の吐息に、青年は思わず手を引いた。 ……ふっと、微笑む。 少女は再び、夢の中に帰っていったようだ。 いつもなら、とうに起き出して神への感謝と祈りを捧げている日の出時。 巫女としての務めさえ、忘れさせてしまうほどの疲労が少女を寝かしつけている。 昨日の戦いを思い起こして、青年は長くため息をついた。 「闇なる者と出会い、道を見つけよ」 少女が受けた神託のままに、2人はこの森を目指して歩いてきたのだが、おり悪く 魔族軍の斥候と接触してしまい、戦闘せざるを得なくなったのである。 少女の祈りが魔族を退け、青年の魔法が2人を守る。だが、その手段も魔族軍の五御 将の一人、その巨躯にあり余る膂力を有す西方魔族軍の長、白銀の魔王ヴォルカスの出 現によって、簡単に覆されてしまったのだ。 「……私に必要なのは、勇気か……」 青年は、腰の細剣を鞘ごと眼前に捧げ持つ。 師から譲られたこの剣は、未だ自身の意志で抜いたことはない。 その恐るべき破壊力が故に……。 少女を狙う魔王ヴォルカスの一撃を、身を挺して受けようとした時。 青年の意識はすでになく、ただ吹き上がる閃光が全てを白く染め抜いていった。 少女の膝で目覚めた彼が最初に目にしたものは、己が無意識で放った剣撃により焦土 と化した辺り一帯。そう、森が一つ消え去っていたのだ。 少女の涙が、青年の頬を濡らす。 亜麻色の瞳が悲しみの湖を湛えているのを見た時、彼は己を嫌悪した。 だが、そんな青年に、それでも少女は微笑んでくれた。 彼を必要としてくれた。 だから、彼はまた立つことができたのだ。 「……過ぎた力は、己をも滅ぼす」 自戒のつぶやきは、少女が諭してくれたもの。 まるで宝物のように、その言葉を心に刻みこんで、青年はそっと立ち上がった。 東の空へ昇る太陽は、今日もまた変わらぬ恵をこの地へともたらすだろう。 人々に、魔族達に、そして全ての生命に。 「……おはよっ、ヒューリ」 振り向くヒューリの前で、少女はそっと伸びをした。 そして、微笑む。 その笑顔に眩しささえおぼえながら、彼もにっこりと微笑んだ。 「おはよう、ジョアン」 あああ、またシリアス一辺倒だぁ。 すみません。ジョアンとヒューリしかいないと、やっぱりこうなってしまいます。 う~ん、次回こそはなんとかしないとなぁ。 というわけで、今回はここまで。 御感想・御意見などお待ちしております>ALL あいかわらず、思いつくままに書いてる奴>サメくん(^^; PS.長文ごめんなさい。