#91 Article 4274 Posted at 1995/04/20 01:14:49 by しっぽ☆ (MAP2611) [ERUDORAN]

Subject: 『飛べ!イサミ』とエルドランシリーズの類似性について

なんか大層なサブジェクトが付けてありますけれども、気にしないで下さい(^_^;)

さて、「飛べ!イサミ」を見ていますと、かつてテレビ東京で水曜の6:00から
やっていた「ライジンオー」「ガンバルガー」「ゴウザウラー」の3部作、俗に
「エルドランシリーズ」と呼ばれているシリーズと雰囲気が似ている事に気がつき
ます。類似点を探してみますと、

1.キャラクターが似ている。
        容姿という点でも、性格という点でも類似点が見出せます。いわゆる男勝
        りの女の子、自意識過剰な所のある男の子、熱血で猪突猛進な男の子。
        古典的なヒーロー/ヒロインではなく、「ああ、こういう奴って居たよな
        あ」と思わせる身近な存在、生身に近いキャラクターと言えるでしょう。

2.舞台設定が似ている。
        核戦争後の廃墟でもなければ異次元のファンタジーな世界でもない、どこ
        にでもあるごく普通の町並み、ごく普通の風景。主人公達も、ランドセル
        背負って小学校に通っているようなごく普通の子供であり、特別な力を
        持っている訳でも逃れられない宿命を背負っている訳でもない。

3.展開が似ている。
        普通の子供達がある日突然「悪い奴と戦う」ために「力」と「秘密基地」
        を与えられる。子供達は別にいままでの生活を変えることなく、普通に
        生活しながらその一方で「悪い奴と」戦う事になる。

さて、これだけ類似点を上げましたが、私は別に「イサミはエルドランシリーズの
パクリだ」と言ってる訳では有りません。「イサミ」と「エルドランシリーズ」に
は決定的な違いが一つ有ります。それは、

・ロボットが出て来ない

事です。いずれ出て来る可能性はありますが、出て来たとしてもエルドランシリー
ズにおけるそれのような玩具的な変形合体をするロボットではないでしょう。
つまり、

・スポンサーの圧力がない

事により、話の筋を無理矢理変えてまでロボットを出動させ、貴重な放送時間を
2分近くも割いてまで変形合体させ必殺技を出させる必要が無いと言う事です。
「エルドランシリーズ」ではしばしば30分の中でロボットの戦闘が占める割合が
多くなり過ぎ、話の内容がスカスカになってしまうことが多々ありましたが、
「イサミ」ではその心配も有りません。これは「イサミ」にとって大きく有利で
ある点だと言えるでしょう。

「エルドランシリーズ」と「イサミ」との類似点、相違点からいろいろなことが
分かります。
たとえば「敵」について。「エルドランシリーズ」においては「敵」は明確に
「悪い事」をしていました。街中に現れてビルを破壊するとか、非常に分かり易い。
「敵」は明らかに「敵」であるので大人達も戦いますが、歯が立たず、その歯が立
たない「敵」を子供達がやっつけてしまうところに痛快さがあった訳ですが、「イ
サミ」での敵(とりあえず黒天狗という事になっているようですが)がどんな「悪
い事」をするのか、今の時点では皆目わかりません。もしかしたら表からじゃなく、
裏の方から攻めてくるかもしれない。もしかしたらそれに対して戦うしんせん組の
方が、大人達から見てかえって悪い事をしているように見られるかもしれない。
こんな事を考えると、けっこうエルドランシリーズとは違う話の筋が見えてくるで
はありませんか。

そう、大人達との関係はどうなるのでしょう。「イサミ」と同じ様に「ご町内の
ヒーロー3人組」だった「ガンバルガー」では、「正体がばれると犬になる」とい
う制約があったために「正体不明の謎のヒーロー」を貫かなければなりませんでし
たが、「イサミ」ではそんな制約は有りません。1~2話を見る限りではあまり正
体を隠そうとしているようにも見えません。けれども、しんせん組の遺産が大人達
の手に渡るような事があったら困るだろう事は彼らにも分かるでしょうし、そうや
すやすとヒーローをやってる事がばらされるような事は無いでしょう。ここで、3
人組の親達の事を思い出します。「エルドランシリーズ」では主人公達の両親は完
全に脇役でした。描写される事も少なく、「戦い」には直接的にも間接的にもほと
んど参加しませんでした(例外として、虎太郎の父親とヒロミの母親があるかな)。
「イサミ」ではこの2話を見る限りではどうやら親御さん達も話にかなり強く関っ
てくるような雰囲気があります。イサミの父親などは特に。ここにも「エルドラン
シリーズ」との相違が見出せます。

こうして考えて見ますと、私にはこう思えて来ます。

・「イサミ」は、「エルドランシリーズ」の作り手達が「やりたかったけれども
 出来なかった事」をやることが出来る場となり得るのではないだろうか?

エルドランシリーズでは、毎回巨大な敵を出現させロボットを出動させて倒さなけ
ればならないという制約の為に出来なかった事というのが沢山あったと思います。
同人誌等でファンの方々が描いているストーリーを見ますと、中にはロボットは出
て来ないが十分にTVの脚本になりそうな良い話がいくつも有ります。けれどもそ
のような話は玩具メーカーがスポンサーとなっているTVアニメでは決して作るこ
とは出来ないでしょう。

その点でも「イサミ」には期待したいところです。願わくば、提供しているアニメ
に新しいロボットを次から次へと出させなければ気がすまない玩具メーカーに対し
て、そんなことをしなければこんな面白いアニメが作れるんだぞと言えるくらいの
面白さにならんことを。

       しっぽ☆