#91 Article 4273 Posted at 1995/04/09 00:57:15 by OPRETER (MAP1819) [ORIGINAL]

Subject: Re: Re: Re: オリジナルエルドランの話… /4272 /4264 /4263

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				     ◇
「んっ…」
 すずみが、ゆっくりと目を開ける。
「…」
 上半身を起こす。
  すずみ、勇二、饗児、そしてもう一人の女性の4人は、さっきまですずみ達がいた
レーダーサイトの建物の近くの、芝生の上に転がっていた。
「勇二、饗児、起きてよ」
 すずみが勇二と饗児の頬を叩き、起こす。
「あ…んぐっ…」
「…生きてるのか、俺達…」
 起きあがる勇二と饗児。
「んっ…」
 もう一人の女性も起きあがる。
「大丈夫ですか?」
 すずみがその女性に話しかける。
「ええ、大丈夫よ…」
「さっきの…エルドラン、っていってたよな」
 勇二が饗児に話しかける。
「ああ…エルドランって言ったら、あの、ライジンオーやゴウザウラーの…」
「そのエルドランが、今度は私たちにって…」
 すずみが言う。
「半分は…偶然だろうけどね…」
 女の人が言う。
「そう…ですね。あんな物が落ちてこなけりゃ、私たちがエルドランにロボットをも
らうなんて…」
 すずみが答える。
「あ、お姉さん…名前は?」
 勇二が女の人に聞く。
「ああ、私は深雪。木下深雪。深い雪って書くの」
 深雪が答える。
「僕は、勇二。加藤勇二」
「僕は饗児。佐藤饗児」
「わたしは、すずみ。三島すずみです。パイロットスーツ…ですね、それ」
 すずみが深雪の服装を見て、言う。
「あたりよ。私は軌道防衛隊のパイロットだったの。階級は少尉。あれと一緒に、軌
道から落ちてきたの」
「じゃあ、『敵』が来ているのは、本当なんですね」
 すずみが表情を険しくして、聞く。
「それは本当よ。今ごろは、たぶん地球周回軌道に達した頃かしら」
 深雪も、きびしい表情で答える。
「すずみ…どうする?」
 饗児が聞く。
「どうするって…何が?」
 すずみが、饗児の方を向かずに答える。
「俺達が…戦わなきゃならないんだろ?」
「今なら、まだ逃げられるとは思うけど。私は行くけどね」
 きっぱりと言いきるすずみ。
「勇二はどうするの?」
「お、オレは…」
「逃げても、誰も責めはしないわよ」
 深雪が言う。
「逃げねぇよ。エルドランのロボットなんだろ?だったら絶対に勝てるさ。ライジン
オーも、ガンバルガーも、ゴウザウラーも、戦って勝ってきたんだ。オレ達だって、
絶対に勝てるさ」
 きっぱりと勇二が言いきる。
「そうだな…絶対、勝てるよな…」
 饗児が呟く。
「よぉし、行こうぜ!」
  勇二が叫ぶ!
「おおっ!」
 3人が答える。
「で…どうやってロボットを出すんだ?」
 と、勇二が聞く。
「え、さぁ…?」
 首をひねるすずみ。
「エルドランの事だからなにかアイテムが…」
 と足元を見回す深雪。案の定足元に、プラスチックのケースのような物がある。
「やっぱりね」
 そのケースを拾う深雪。
「それ…」
 勇二が聞く。
「たぶん、『コマンダー』ね。これで、ロボットに対して合体指令を下したり、デー
タをもらったり…」
 すずみが答える。
  『コマンダー』を開ける深雪。中はちょっとしたパームトップコンピュータという
風情で、ディスプレイとキーボードがあった。
「え~っとぉ…」
 しばらくカチカチやっていたが、
「3人とも、見て」
 膝まづき、ディスプレイを3人にみせる。
  ディスプレイには、飛行機が映っていた。
「これ、基地で見た…」
 すずみが言う。
「あら、見たの?防衛隊がゴウザウラーを解析して造った…私たちの使うロボットの
元になった…『Eバード』よ」
「E…バード…」
「『E』は、『エルドラン』のEだったの。エルドランは、この形態は、そのまま残
してくれた様ね」
「でも、ここに『スカイ・バード』って書いてありますね」
 ディスプレイの隅を指さすすずみ。
「いいじゃない。なまえなんてどうでも」
 カチカチカチとキーボードを叩くと、スカイバードが分裂していく。
「4つの…戦闘機?」
 勇二が言う。
「戦闘機と言うよりは、鳥型のメカみたいね」
 その深雪の言葉通り、4つに分離した内の3機は、足のある鳥のような形になって
いた。
「3機は鳥型…もう一機は?」
 饗児が聞く。
「たぶん、残った一機は、指令塔の役割をするんじゃないかしら。つまり、指令室ね」
「じゃぁ、それに乗るのは、深雪さんですね」
 すずみが言う。
「あら、いいの?」
「ま、それが妥当なセンだろうし」
 勇二が言う。
「で、この3機が、たぶん…」
 饗児が本来の話に引き戻す。
「ええ、たぶん…」
 さらにキーを叩くと、鳥型の3機が変形し、1体の人型に組み上がる。
「これが私たちのロボット…クウサンダーか…」
 すずみが言う。
「発進は、どうするんだろう?」
 勇二が聞く。
「ここいらから発進するのはまちがいないと思うけど…」
 キーを叩く深雪。
  ディスプレイにすぐ後ろのレーダーサイトの建物が映る。
  透視図になり、ぐぅっとパンして、建物内の、壁の1面を示す。
「案内してくれる?」
 立ち上がる深雪。
「うん」
 すずみが答えて、建物の方へ走る。
  ポケットから鍵をだして、ドアを開ける。
「…なんで鍵、持ってるの」
 深雪が聞く。
「すずみの親父が、ここの管理者なんだよ」
 勇二が答える。
「だからって…娘に鍵渡すか?まぁいいけど」
「ここらへん…かな?」
 すずみが奥の壁に向かう。
「ちょっとまってね…」
 コマンダーのキーを叩く深雪。
  グゥン!と音がして、壁が開いてゆく。
「あ…」
 その壁の向こうから、4つの『穴』が現れた。
「シューター…かな?」
 『穴』をのぞきこむ深雪。
  『穴』は、斜めに、地下へと延びていた。
「いっちばぁん!」
 勇二が一番左のシューターに飛び込む。
「あっ、待て勇二!」
 饗児が続いて入ろうとしたが、バシン!とシューターが閉鎖される。
「ちぇっ、一人一つか…」
 しかたなく、一つとなりのシューターに飛び込む。
「さて、んじゃ、私もっと」
 すずみも、その隣、右から2番目のシューターに飛びこむ。
 ふぅっと一息ついて、深雪はパチンとコマンダーを閉じ、右手にしっかり持って、
一番右のシューターに飛び込む。
 ザァァァァツとシューターで滑り落ちていく間に、左腕にブレスレットがはまり、
防衛隊の制式パイロットスーツが、少しカラフルなパイロットスーツに変わる。
 やがて、ドッと、シートにつく。
  グィィィンとシートが動き、やがて、止まる。まわりは真っ暗闇だが。
「深雪さん?」
 すずみの声。近くだ。
  パッ、と、目の前のコンソールに、長方形の光がともる。
「これか」
 その光に、コマンダーを置く。
  ヴゥゥゥゥゥゥゥン…周囲のコンソールに光がともり、コクピットを照らして行く。
  キュゥン、と小さな音がして、正面のメインスクリーンに光がともる。
  天井にあるスクリーンにも光が入り、コクピットが明るくなる。
  深雪は一段高いシートに座っていた。
  真正面におおきなメインスクリーン。
  一段低くなった左右に饗児と深雪。
  二人の真ん中のさらに前、メインスクリーンの下に潜り込むように勇二。
  勇二のシートだけがかなり狭く、スクリーンに取り囲まれて、立ち上がる事さえ出
来そうにない。逆に、スクリーンが勇二を取り囲んでいるので、勇二の外界視界は他
の3人に比べるとかなり広い。
「なるほど。勇二君のシートは、パイロットシートね。今はスカイバード形態だから、
スカイバードの機体操作は、勇二君の担当になるわけか」
 深雪が言う。
「僕のほうは何でしょうかねぇ?」
 饗児が深雪に聞く。
「ん?」
 饗児のコンソールをのぞき込む深雪。左右にいくつかのスイッチがあるスティック
が延びている。
「機体操作が勇二君だから…たぶん、火器管制を司るガンナーシートじゃないかしら。
こいつの全武装の操作は、君の担当ね」
「ガンナー…か…」
「じゃぁ、私の方は、たぶん、RIOですね」
 すずみが言う。
  その声にすずみのコンソールをのぞき込む深雪。
  すずみのコンソールには、両手に分割されたキーボードと、いくつかのサブスクリー
ンが配置されている。
「どうやら、そのようね」
「で、深雪さんは、私たち3人を効率よくサポートする、司令官…」
 と、すずみ。
「どうやら、その役目みたいね」
 シートに座り直す深雪。
「さて!それじゃ…」
 すぅっとおおきく息を吸い込む深雪。
「スカイバード、出撃スタンバイ!」
「お--っ!」
 4人の手が、それぞれのコンソールにのびる。
  ゴォォォォン!轟音と、振動とともに、地上のレーダーサイトの建物全体が、ゆっ
くりと持ち上がる。
 やがて持ち上がった建物全体が、後方にスライドする。
  その下から、新たに生まれ変わったEバード…スカイバードが、機首を空へ向け、
垂直状態で現れる。
 しかし、なぜかスカイバードのおおきさが、Eバードだったときの半分ぐらいしか
ない。
「敵艦捕測。静止軌道に達してる!本星軌道部隊が応戦中」
 すずみが敵艦の状態を報告する。
「勇二君。準備いい?」
 深雪が聞く。
「いつでも!」
 勇二が答える。
「すずみちゃん、防衛隊本部と、コンタクト!」
「了解!」
				     ◇
 防衛隊、外宇宙監視オペレーションセンター。
「軌道部隊の状況はどうなっておる!」
 武田長官が聞く。
「残念ながら、軌道部隊の攻撃機では歯が立ちません!」
「ええい!ふがいない!」
「ちょ、長官!回線に割り込みが…」
「なに?」
 オペレーションセンターのスクリーンの一つに、ノイズが走る。
『防衛隊…センタ…応答…』
「周波を合わせろ!」
 やがて、ノイズが入っていたスクリーンに、深雪の顔が映る。
 敬礼する深雪。
『本星軌道部隊、第4分隊所属、木下深雪少尉であります』
「第4分隊じゃと?第4分隊は、敵艦への最初の攻撃で…」
『ええ、エルドランに助けられまして』
「何じゃと!エルドランに!」
『これより、生まれ変わったEバードとともに、敵艦の攻撃に向かいます!』
 そう言って、通信が切れた。
「どこから発信されたかわかるか?!」
 オペレータの一人に聞く長官。
「だ、駄目です、短すぎて…」
				     ◇
		リフトオフ
「スカイバード、離床!」
 その深雪の声に合わせて、勇二はスロットルをねじこむ!
  ズドォォォォォ!爆音と、水蒸気の煙を上げて、スカイバードはゆっくりと上昇を
始める。
 その巨体は、暮れ始めた夕日に照らされ、夕日よりもまぶしい光に押され、空へ、
空の果てへ、煙の尾を引いて立ち上って行った。
				     ◇
「軌道に乗った。勇二、スロットル切って」
「OK」
					 \EOS\DTP\HFORM.EXE
 すずみの声に合わせ、勇二がスロットルを暖気運転アイドリングに落とす。
  スカイバードは、数分とかからず、静止軌道への遷移軌道--静止軌道へ乗るため
の軌道--に乗っていた。
「すずみちゃん、敵艦の様子は?」
 深雪が聞く。
「え~とぉ…すでに軌道部隊は沈黙させられてますね」
「うわちゃ~」
 空を仰ぐ饗児。
		     ランデブー
「間に合わなかったか…接触まで、何分?」
「…4分半…ですかね」
「よし!分離するわよ!」
「了解!」
 スカイバードのあちこちに光が走り、バラッと、4機の飛行機に分離する。
  勇二の機体が鷲型戦闘機「エアロイーグル」、
  饗児の機体がハゲワシ型攻撃機「ストライクヴァルチュア」、
			     イーワック
  すずみの機体が鷹型索敵機「EWACホーク」、
  そして深雪の機体が司令戦闘機「コマンドクロウ」。
「饗児君!撃って!」
 深雪が饗児に言う。
「この距離でぇ?」
「饗児君の機体なら届く!」
「やってみましょ」
 攻撃システムが立ち上がり、饗児の頭を長距離照準システムがすっぽりとおおう。
			    レティクル
  ピュピ!最大望遠の敵艦に、照準がかぶさる!
「いけぇぇぇっ!」
 トリガースイッチを押し込む!
  ヴォギュゥゥ!ストライクヴァルチュアのビームキャノンが火を吹く!
				     ◇
「つまらぬわ…この程度か…」
 そうシグマが呟いた瞬間、ズゥゥン!と艦が揺れる!
「アルファ!何事だ!」
「新たな…敵のようですが…しかし、攻撃力がいままでとは比べ物になりませぬ!」
「なんだと?機兵獣を出せ!」
				     ◇
「ゲートが開いた!敵さんが来ますね…」
 すずみが最大望遠のモニターを見て、報告する。
「くるなら来いやぁ、やったるぜぇ!」
 勇二が気合いを入れる!
  コンタクトランデブー
「捕測!接触まで30秒!撃って来たぁッ!」
  ブレイク
「散開!離れろっ!」
 その深雪の命で、固まっていた4機がばっ!と分かれる!
  次の瞬間、ビームがさっきまで4機がいた空間をかすめていく!
「各個に攻撃!いいわね!」
 そう言ったが早いか、深雪はスロットルを押し込み、敵機へ突入する!
「深雪さんにだけいいカッコはさせませんよ!」
 勇二のエアロイーグルも突入!
「それに攻撃は、俺達の仕事だぜぇ!」
 饗児のストライクヴァルチュアもそれを追う!
「いけぇぇっ!ヴァルチュア・キャノン!」
 ヴッヴァウ!ストライクヴァルチュアのキャノンが吠える!
  ビームが敵機に突き刺さり、爆発!
「おりゃあぁぁぁぁつ!」
 エアロイーグルがコマンドクロウを追い越す!
「ウィングクラッシュ!」
 ガシィン!その翼で敵機の腕の一本を切り落とす!
 エアロイーグルを目で追う敵機!
「どこをみてる!」
 続いて深雪のコマンドクロウが突っ込む!
「クロウ・ボム!」
 ボバババッ!無数のミサイルがばらまかれ、敵機を爆光に包み込む!
「ラストぉ!」
 すずみのEWACホークが、コマンドクロウと入れ替わりに突っ込む!
「ホーク・ヴェイヴ!」
 翼に組み込まれた、本来は索敵レーダー用のマイクロ波ジェネレーターが最大稼働
し、その振動波が敵機を襲う!
 バキシッ!敵機の装甲にヒビが入る!
「ヤァァァァッ!」
 ドガァン!と体当たりを食らわすEWACホーク!
 バッ!と、はなれるEWACホーク。
「3人とも、合体よ!」
「まっかせろぉ!」
 勇二のコクピットに、コマンダーが出てくる!
「クウサンダー!天空合体!」
 エアロイーグル、ストライクヴァルチュア、EWACホークの3機が変形し、一つ
に結合する!
 ストライクヴァルチュアが下半身に、EWACホークが胴体と翼に、そしてエアロ
イーグルが両腕と頭に!
 ひとが造った翼が、エルドランの命を得て、空の覇王としてその翼を広げた!
  クウサンダー頭部のコクピット。
  3人の役割は、スカイバードの時とは多少、異なる。
  勇二は全体的な身体動作、機体操作を、
  饗児は各種火器管制、火器のトリガー管理と、ジェネレーターの出力管理を、
  そしてすずみは索敵、情報管理をそれぞれ行う。
「よぉし、合体完了!すずみ、饗児、武器は?」
 勇二が二人に聞く。
	  クロー
「両腕に『爪』!ビーム系は今調べる!」
 すずみが答える。
「饗児!」
「おう!」
  ぐっと右腕を引く勇二。その動きをトレースして、クウサンダーも同じように右腕
を引く。
	  クロー
 饗児は『爪』にスタンバイをかける。
							クロー
 右腕になっているエアロイーグルの足の爪が起き上がり、『爪』となる!
「くらえっ!スカイ・クローッ!」
 ガキャァン!すれ違いざまにクウサンダーの爪が敵機を切り裂く!
「両腕、短射程ビーム!」
 すずみが武器を見つける!
「饗児、左!」
「!」
					       てのひら
 グッと勇二が、クウサンダーが左腕を伸ばし、敵機に掌を向け、狙いをつける。
  饗児はビームガンにスタンバイをかける。
  バシャッ!と左腕の装甲が開き、ビームガンが姿を現す。
「スカイ・ショット!」
 バゥ!バゥ!ビームが放たれ、敵機に命中!爆発!
「両腰、ヴァルチュアのキャノン!」
「この近距離じゃ使えねぇ!ほかに無いか?」
「え~と…胸部!クリスタルビーム!」
「よし!」
 クウサンダー胸部のクリスタルが、光を発する。
「スカイ・ブラスト!」
 バキュゥゥゥイン!クリスタル状の弾丸が放たれ、バキィィン!と敵機に命中!
「そろそろとどめ、いこか?」
「OK!」
「じゃぁ、私の出番ね!」
 深雪のコマンドクロウが、クウサンダーに突っ込む!
「えっ!?」
 驚く勇二と饗児。
「いいの。とどめにはコマンドクロウが必要なの!」
 すずみが諭す。
  コマンドクロウが、クウサンダーの背側、腰部に合体する。
「勇二!左腕をコマンドクロウが合体したあたりに!」
 勇二のモニターにコマンドクロウの合体システムが示される。
「なるほど!そういうことか!」
 クウサンダーは、左腕をコマンドクロウが合体した場所へ動かす。
  コマンドクロウが変形し、一部が分離して盾となる!
  ぐっと、その盾を構えるクウサンダー。
 構えた楯の一部が開き、何かの発射口がふたつ、姿を現す。
 バキュゥ!一瞬の後、その発射口から2条のビームが撃ち出され、敵機に当たると
フィールド状に展開して敵機の動きを止める!
  ジャキン!コマンドクロウから、右腕側に『柄』が出てくる。
  グッ、とそれをつかむクウサンダー。
「スカイ・ブレードッ!」
 キン!と『柄』がはずれ、逆手に持った『柄』から、『刃』が形成される!
「いくぞぉぉぉっ!」
「おおぅ!」
 ズドォウ!スラスターをふかして間を詰める!
「でやぁぁぁぁっ!」
  クウサンダーの、大空の覇者の刃が、敵機を横一文字に切り裂く!
  ズドォォォォン!次の瞬間、敵機は爆光に消えた。
「やったぁぁぁぁ!」
 爆光が治まり、煙が消える。
  その向こうにあった敵艦は、方位を反転していた。
「な、なんだ!」
 ズゥゥム!敵艦のメインノズルが光を発し、ゆっくりと移動を始める。
「お、降りる気か?」
 勇二がすずみに聞く。
「いいえ…周回軌道から離脱するコースを取ってるわ」
「とりあえず、どこかへ逃げるようね…」
 と、深雪。
「敵艦が月軌道の遷移軌道に乗ったわ」
「こっちも一時引き上げましょう。とりあえず大丈夫みたいだし」
「はい」
 クウサンダーがスカイバードに変形し、地球へ降下を開始する。
				     ◇
「ブラックアウト終了…大気圏飛行モードに移ります。勇二、スロットル開けて」
「あいよ~」
 ヴォォ!スカイバードのメインノズルにふたたび火が入る。
「とりあえず終わったわね…すずみちゃん、敵艦は?」
 深雪がすずみに聞く。
「まだ加速中…そろそろ月軌道ですねぇ。それより…」
「どしたの?」
「防衛隊から、さっきの周波でコールがかかってるんですけど…どうします?」
「ん~…」
 考え込む深雪。
「とりあえず、無視」
「は~い」
				     ◇
 防衛隊、オペレーションルーム。
「まだ出んか?」
 と、武田長官。
「はぁ…どうやら無視されているようですね…」
「せっかく防衛隊の人間がエルドランのロボットに乗っておると言うのに~」
 じだんだを踏む長官。
「長官!Eバードらしい機影をレーダーがとらえました!」
「どこに向かっておる!」
「方角としてはこの基地の方角です」
「ひょっとしてここに降りるつもりでは…滑走路を開けておけ!」
				     ◇
  もちろん、深雪達4人としてはそんな--防衛隊の基地に降りる--なんて事を考
えているはずがない。
 スカイバードの根城となった、防衛隊レーダー施設へむかっているのだ。
    ベース
「『基地』が見えたわ」
 すずみがモニターを切り替える。
  モニターに防衛隊レーダー施設が見える。
  建物が立っている丘の斜面が開き、トンネルのような着陸滑走路が口を開ける。
「勇二君、着陸モード」
「わかってます」
 勇二は操作モードを着陸モードに切り替える。
  着陸センサーがスカイバードをとらえ、着陸コースへ導く。
  スカイバードはコースを微調整しつつ、着陸滑走路へと飛び込む!
	  ランディングギア	     タッチダウン
 次の瞬間、着陸脚が床につき、着陸!
 同時に制動ワイヤーにフックが掛かり、一瞬で速度が殺される。
「ぷぅ…」
 同時に一息つく、コクピットの4人。
 グゥン…と音がひびき、着陸路のゲートが閉じる。
「さて、降りますか」
				     ◇
 レーダー施設。その建物内の部屋。
  かぱんと床が開き、4人が出てくる。
「あ~おわったおわったぃ」
 う~んと伸びをする勇二。
「ホントに終わったわけじゃねぇぞ?勇二」
 と饗児。
「あ?」
「『艦』はまだ健在なのよ?」
 とすずみ。
「つまり、また来る…」
 コマンダーを操作する深雪。
「…やっぱりね」
「なにが?」
「敵艦よ。月の周回軌道に乗ってるわ。いつでも地球に降りてこられそうね」
「あちゃ…」
 天を仰ぐ勇二。
「終わったんじゃない。正確には、始まったんだ…私たちの戦いが…」
「…」
 無言の4人。
「…ええい、この辺に降りたんじゃな?捜せ~っ」
 誰かの声が建物の外から聞こえる。
「だれだろ?」
 饗児が不思議がる。
「武田防衛隊長官でしょうね。あの人はエルドラン・ロボットとのつきあい長いから」
 とすずみ。
「みんなはここにいないほうがいいわね。とっととトンズラしたほうがいいわ」
 と深雪が3人に言う。
「え、なんでです?」
 と勇二が聞き返す。
「武田長官、けっこうしつこいからな~、それに、本来無人のはずのこの建物に、私
たちがいちゃまずいしね」
 とすずみが納得する。
「んじゃ、にげますか!」
 建物の外。あっちこっち、手分けして防衛隊が探している。
 幸い、こっちには気づかれていないようだ。
「じゃぁね」
「深雪さんも」
「なにかあれば、ブレスで連絡。いいわね?」
「OK!」
 3人が答える。
「じゃ!」
 たっ!と走り出す4人。
  森の中へ、街の中へ、消えて行く…

							  to be Continude!!
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                    最近のお気に。「KEY」と「ロケットガール」(^^) OPRETER