#74 Article 17807 Posted at 1999/05/29 12:24:17 by 夏のこたつ (MAP2513) [PS]
Subject: Re:*20 久遠の絆 /17802 ....... /17485 /17478
どもです。別にレスしなきゃダメってわけでは(^_^;) >「映画やTVドラマを作るほど金とかそういうもろもろの物がない人たちが > どの代替手段として表現手法にゲームを選んでいるって考え方もあるんじゃ > ないでしょうか」 現在これだけゲームが世に出てきている理由ってのは割と明確で、 ビジネスとして成立するから、という点を除くと、「そこが表現のフロンティアと 認識されている」からだと思うんですね。 人間ってのは、時代時代でその時最高の技術を使った娯楽を楽しむものだと いう話があって、大きな目で見た時の、そういうものの一部ということで。 一昔、いや随分昔になってしまうんだけど、「どの作家が好きか」というような 会話が、自分自身をいかなる人物か示すための問いで、ある種の緊張感を持って 答えなければいけない時代があったけど、その種の同時代の文化的な屋台骨とも いうべき役割を、現在文学は担えていないわけですね。そういうものは、色々な サブカルチャーが分散して担っているのが現代だと思うんだけど、一部なりとも それはゲームの世界に反映されているんじゃないか、と思っています。 そうすると、勿論これはストーリー性を重視したいうゲームに限る、という 話の上ではあるんだけど、例えばアニメが子供+一部マニア層の結局はやや狭い 層にしかアピールできていないという現状において、もう少しは広がりというか、 より人間的で普遍的なものを表現できる-もちろんそれは小説がそうであるように 個別には特殊なものを多々含むが-のではないかと、少々勝手な期待をして いるんですが、そこの表現上の地平でなされているところの方法論というか、 どこの部分に本質があるか、というのが気になっているということはあります。 ゲームというメディアを他のメディアと比較すると、演出的な要素が 重要になっているんで、ひょっとすると映画や小説との比較はあまり意味が ないかもしれません。粗筋だけ話すとしょうもないものでも、やっている最中は 没入するという点では、オペラやミュージカルが最も適切に対比できると 思っています。 その付近が実は問題で、精神の道具であるべき部分と、肉体の道具で あるべき部分は、他のメディアだと割と前提がはっきりした形で議論されるじゃ ないですか。ところがゲームだとしばしばそのあたりが混同されているのでは。 例えば小学生とかがRPGとかやっていてストーリーに感動した、という 会話をしているんですが、それは実際に愚にもつかないものであったりして、 それ以前に人間がやれるべき事、やった事がいっぱいあるのに、感動と感傷を 混同しては困るな、とね。アクションゲームなどでは間違いなく認識される 肉体的な快感が、実はRPGとかADVにも同じようなものとしてあって、 それは間違いなくゲームならではの魅力であるのですが、そこが正しく認識されて いる局面が非常に少ないのではないか、という危惧があるのがこれまでの発言の 背景にあります。音楽が素晴らしい、映像が美しい、それは確かによいこと。 素晴らしい演出によるカタルシス、それは非常な快感、だけど、何のための音楽で、 何のための映像か、そして、「何のためのシナリオか」そこが現在、一番欠けて いる部分。それに関しては、しっぽさんも期待しておられると思っているのですが。 これは願望もあるのですが、このあたりについては多少なりとも期待があって、 現在、ハードウェアが表現の地平に規制を施している側面もあると思うのですね。 実際、現在でも珠玉のような名作もあるのでいろいろとPLAYし、(そうで なかったら#74の発言はもっと少ない ^^;)まだまだ先があると思っています。 最低限度、感傷と感動の区別くらいはつけたいと自戒していますが。 >その中では映画並みとは行かなくても小説には出来ない様々な表現が出来る。 >非常に楽しみなメディアであるということです。 その点では全く同感です。桝田省治さんが語っておられるのですが、ゲームを 作る時、「これはちっぽけなものかもしれないが、それでもこの表現は世界初」 とか思っているらしいんですね。その付近のフロンティアたる部分から、 何がしかのものが生まれてくるのではないか、と期待しています。 それが「シナリオの、その先」に属する部分でも、より素晴らしい成果になると 期待したいですね。 #天外魔境2、リンダキューブ、ネクストキングなどを手がけた桝田氏の #次の作品は、「俺の屍を越えてゆけ」だそうです。ダビスタ人間版(^_^;) >どんなに気を付けて、何度も推敲して、よし完璧と思った文章でも、 >プロの校正に出すと真っ赤んなって帰ってくることでしょう。 そういうことですね。業界の未熟さ、で片づけてしまっては面白くないのですが、 この価格で販売される商品の品質管理としては随分困った話ではあります。 ゲームマニアってのは、実は「ゲームの品質には評価が甘い」ですから、 こういうのがあったりするんですが。 しかし、この作品に関して言えば、世の魂のこもっていない多くの作品を 頭におくと、少しくらいは見逃したい、ともなりますね。 #一般の書店では、歴史に残る文学作品と、流行の小説やコミック、はたまた #程度の低いエロ本を同じ棚に並べることは決してありませんが、それがあるのが #現在のゲーム界かな。今回の件と直接関係は無いけど。 この種の話題は、機会があればまた書くかもしれません。 今回はとりあえず、こんなところで。 MAP2513 夏のこたつ