#70 Article 6133 Posted at 1997/10/31 16:37:19 by (み) (MAP6909) [PORINFANO]
Subject: Re: 読書日記です(児童文学とファンタジー中心) /6003
「ぼくの・稲荷山戦記」たつみや章・作/林静一・絵(講談社) マモルは先祖代々、裏山の稲荷神社の巫女をつとめる家の子供。 ある日、マモルの家に長髪で和服姿、アブラゲ大好きの素敵なお兄 さんが下宿することになった。彼は観光開発のために切り崩される 稲荷山を守るために反対運動をおこそうとしている学生なのだが…… 第32回講談社児童文学新人賞授賞作。 面白い本をみつけたら二匹目のドジョウも狙え、というわけで、 たつみや章を漁ってます。やっぱりこの人の本は面白いです。 アブラゲ大好きの美形というミスマッチなお兄さん、実は裏山の 稲荷神社のお使いキツネなんですが、いくら人間に化けて今風の振 る舞いをしていても、どことなくズレてる感じがいちいち微笑まし かったです。 ところで、人から疑いの心を受けて気を奪われるお使いキツネは �「�「そんなものないさと世界のどこかで誰かが言うたびに、妖精が ひとり死ぬんだ�「�「という「ピーターパン」の一節を取り上げて、 あれは虚構だが限りなく真実に近いと説明するんですが、それだけ なら良くあるファンタジーの理由づけなんだと思います。 ところが、その話から学校でシカトされて転校して行った子や、 親から構ってもらえず家出したまま帰らなくなった近所のお姉さん のことにチラリと触れてるのが面白いというか、すごいというか、 人間もやっぱり、他人とのかかわりのなかで自分を確認する生き物 なんだなと、気づかされる一瞬なのでした。 みりす