#70 Article 6129 Posted at 1997/10/29 11:02:24 by μ☆ (S) (MAP2303) [PORINFANO]
Subject: Re: Re: 読書日記です(児童文学とファンタジー中心) /6128 /6003
『谷山浩子童話館』谷山浩子,1979,六興出版 『猫森集会』谷山浩子,1986,サンリオ 『お昼寝宮お散歩宮』谷山浩子,1988,サンリオ 古本屋で見つけたので購入(こればっかだな…)。 『谷山浩子童話館』 よくわからなかったというのが正直なところ。空想をそのまま文章にしたような 感じがします。 最初の話「水の底」。理想的な美しい世界を見ている音楽と動けない岩の噛み合 っていない問答。賢治の「やまなし」な雰囲気がします。途中にこんな台詞が出て きました。 音楽「僕は河を渡ったよ」 (中略) 岩「~。あなたのわたった河は、ヘドロか水銀ではありませんでしたか。」 いやぁ浩子節がきいてます。だからクライと言われるんだろうな(^^; 水銀の河と いうと何だったか公害病を思い起こさせます。79年というとオイルショックが終わ って、変質の80年代の直前ですか。公害は落ち着いていたかな。たぶんこの時浩子 さんは23歳。僕と同じくらいなので思考や関心に興味あります。今でいうと、地球 温暖化が近いのかな。当時どう考えていたのか、今僕は何を思うのか、考えたお話。 『猫森集会』 日常の浩子さんが不思議な世界へ迷いこむという形態の短編集。こっちは面白い ですね。単なる空想から人に話すように筋道立てて書かれてます。ただ寓意性はお となしくなってます。そういえば『~童話館』のあとがきに「死ぬまで何かを書き つづけたいと思っています。下手でもつまらなくても、やめません。本を出せたの は、歌をやってるからで、別に実力ではないでしょう……」と書いていました。恐 いもの知らずの若さが今の僕には共感が持てるのですが、30歳になって丸くなった のか、社会に対する思いが静かに根をおろすようになった表われかと思います。 そうそう、巻末についているコンサートのトークも嬉しいです。 『お昼寝宮お散歩宮』 最近買った CD で気に入った歌「夢の逆流」はこの本のイメージソングだと書か れていました。歌詞の意味がよくわからなかったので、その意味でも楽しみに読み ました。『猫森』からさらに数冊書かれたようで、一貫したテーマがはっきりと読 みとれ、技術的には一流になった感がします。面白いし、読み返したいと思うんだ けれど、何かものたりなく思うのはわがままかな。『~童話館』の自在な空想世界 がちょっと懐かしいです。 「お昼寝宮」って言葉を見たときから何だろうと思っていましたが、お昼寝の時 間を祭ってある宮だそうです。「お散歩宮」も然り。この発想にはまず驚き、いわ れてみると祭ってみたくなるような時間だと思い、嬉しくなります。これで次に購 入するのは同タイトルのアルバムですね。 えす 改め μ☆