#70 Article 6128 Posted at 1997/10/28 23:13:35 by (み) (MAP6909) [PORINFANO]

Subject: Re: 読書日記です(児童文学とファンタジー中心) /6003

「水の伝説」たつみや章・作/藤田新策・絵(講談社)

	 光太郎は小学6年生。東京ではいじめが原因で登校拒否を半年続
	けていた。両親は忙しく、母親はヒステリックに怒ってばかり。そ
	こで、しばらく親元を離れて山の中の村に山村留学してみることに
	なった。
	 しかし大雨の翌日、流木に挟まって動けなくなった河童を助けた
	ことから、光太郎は龍神様に<選ばれて>しまうのだった。
	
	 うーん、久しぶりに手に取った児童文学だけど、1冊目で大当た
	り。面白いですこれ。
	 早い話がいじめられっ子だった主人公が強くたくましい少年にな
	るまでの物語を、日本の古い村になら必ずあるような山神様や龍神
	様の伝説にからめて語られたお話。「妖精王の月」の作者メリング
	が日本人で山村の生まれだったらこんな話を書きそう。

	 主人公とその友達が傷ついた龍神様と出会う場面で、傷を癒す手
	伝いをしたら山を崩す大雨を止めてくれるか、と押し問答をするの
	ですが、少年たちが「神様に取引をもちかけるのは失礼だろう」な
	んて話しあうのが嬉しい意外さでした。こういう発想って実際に龍
	神様や山神様を大事にしている場所で暮らした経験がないと出てこ
	ない気がします。わたしなんか平然と取引をもちかけて、どこが失
	礼なの、とか言ってしまいそう(笑)ううむ、我ながら浅ましい性格。

	 でも、最近の子どもたちって龍を見たくらいでビビっちゃうもの
	かなー。話の通じない相手だったら行動の予測が付かないので恐い
	と思うけど、ちょっと乱暴者とはいえ話も通じる相手だし、「怪獣
	映画みたいだぜ」とかいいながら喜びそうな気もするんだけどな。
	
	 そういえば龍神を「ネバーエンディングストーリー」のファルコ
	ンみたいって言ってる場面があるんだけど、個人的には「はてしな
	い物語」のフッフールみたいって言って欲しかったなあ。


みりす