#7 Article 409 Posted at 1988/12/29 17:21:47 by 赤間 信幸 (MAP641) [URUSEI]
Subject: Re: 完結編について。
DATTYAさんとリュックマン氏のご意見を読ませていただきました。 (DATTYAさんのはどこかで見たような気もしましたが・・・・) それなりに私も書きたいことがありますので書かせていただきます。 まずBGMについて。「映画音楽になっている」だそうですがこれについては反論が あります。はっきり言って独立音楽として「聞けます」。ただ音やメロディーが「うる 星らしくない」のです。またサントラ(BGM)は曲順なども悪く、聞いていて耐え難 いはずです。しかし単独で聞けば100%悪いとも言い切れないはずです。 このBGMは要するにオーケストラ演奏を基本として作られたようなものです。しか し「うる星のBGM」というのはそれとは対極に位置するようなものです。シンセサイ ザーを多用したようなBGM、これがうる星っぽいBGMなのです。LTFのBGMは それから言えば外れていますがメロディーが「うる星っぽい」のです。 正確に言うと前者は初期の「うる星」っぽく、後者は後期の「うる星」っぽいBGM です。 この完結編のBGMはどうしてこんなBGMになったかと言えば多分「うる星」っぽ いBGMにするのではなく、「完結編」っぽいBGMにするため、だったのでしょう。 それが正解だったかどうかは個人の判断によるところでしょう。 DATTYAさんの言う「テンポ」、これは確かに同意できます。完結編は「理解」 する映画ではなく、「眺める」ための映画なのです。 私はBDの次に完結編をレンタルしてきて見ました。その時はまだうる星は私にとっ て「眺める」ものだったので完結編を見た第一印象が「すばらしい!」でした。 なぜそんな評価をしたかと言えばラムがあたるに飛び付くシーンを見てそう感じたの です。しかし、その時でさえギャグははっきり言って「最悪」でした。何が起こるか想 像できたのです。うる星を知らなくてもそう思うのにうる星を知っている人にとっては 耐え難かったのではないでしょうか。 しかししばらくしてうる星を「理解」するものとして見ることが出来るようになると 完結編のひどさが見えてきました。まずストーリーがうすっぺらであること。(上の方 のアーティクルにも書いてあります。)テンポがいいかげんである。(ここでいうテン ポとはDATTYAさんがいうテンポではなく一般にいうテンポ)リュックマンの御指 摘の通り面堂とメガネが温泉を潰すシーンなどはまったくその通りです。 テンポは何がひどいかと言えば頭の中で考えるには速く、眺めるのには遅すぎるので す。どっちかに合わせればよかったかもしれませんが「帯に短し襷に長し」、まさにこ れなのです。1回目はまだいいのです。2回目以降は見ていて退屈なのです。 これに対し、BDやLTFは「理解する」映画なのです。特にLTFの場合それが顕 著だったので一般批評はひどく、高橋さんも「理解できないうる星はきらいだ。」と言 ったのでしょう。 (一つ付け加えると高橋さんは単純に言ってマニアのためのうる星を理解できないの です。また、マニア的なうる星とは対極的なストレートなストーリーが好きなんで しょう。・・・しかし高橋さんほどの感性の持ち主の言うセリフとは思えない。) さて実際、完結編は凝っていたかというと、とても凝っているとは言えません。はっ きり言って手抜きの固まりみたいなものです。リュックマン氏の御指摘通りです。背景 動画、これほど面倒なものはありません。しかし2,3,4ではそれがかなりの数で使 われています。このへんの監督たちのいきさつはよく知りませんがとにかく「凝って」 います。それに対し完結編では凝って「いない」のです。 キャラは他のものに比べると何となくおかしいような気もしますが、しかし「かわい くない」ことは決してありません。だからキャラに関しては文句はありません。でもそ れは動画のセルを一枚を取った時の話でセリフと合わせるとひどい、ひどい。私の小4 の妹でさえ「なんで食べながら言葉をしゃべれるんだろう」って言いました。要するに ただの「手抜き」でしかありません。製作時間があまりなかった、というのは確かに分 かりますがこういった妥協はどうしても許せないところです。うる星ファンを馬鹿にし ているとしか言いようがない。そうそう、特殊背景は情けない。Alone(ラムが闇の星 で飛ぶシーン)、はっきり言ってしょうもない、というより情けないですね。こんなこ とするくらいだったらこのシーンをカットした方がよかった。(どっちにしろ客の目を 引くために作られた見せ場だからマニアにとっては耐え難いものになるに違いない。) 作画テクなんて使われてました?なかったとしか思えません。 主張が感じられない、というのも当たり前でしょう。元となっているBMGに主張が ないのにそれにそっくりの完結編に主張などがあろうはずがありません。 BMGになぜ主張がないか、と言えばうる星の完結編だから、なのです。ある意味で 言えば仕方がないことかもしれません。(うる星の性質上。)しかし、あなたにこうい うことは許せますか?うる星の完結編だからこそ「主張のある」ものにして欲しかった とは思いませんか?(言い過ぎかもしれないけど高橋さんでなければある意味でこうい ったストーリーは作れません。なぜかと言うと高橋さんはうる星を見る人ではないので す。うる星を「作り出した」人であり、うる星を「作る」人なのです。だからマニアの ためのLTFの面白さが分からないのではないでしょうか。・・・・でもこれは高橋さ んに限ったことではありませんね。たいていのマンガ家は自分のマンガに「酔って」し まうものです。しかも自分で気付かないうちに。自分のマンガを客観的に見ることの出 来るマンガ家、こういう人はいつになったら現れるのでしょうね。) んでもって長かったけど結論。 完結編のストーリーの悪さはBMGから来るものです。しかし完結編のテンポの悪さ はBMGから来るものではありません。映画化するのに「大失敗」した結果の現れでし かありません。映画化を成功させるにはまずこのテンポの改善と完結編にふさわしくキ ャラのクセを表現すること、あたるとラムとルパとカルラの微妙な心情の変化をきれい に描くこと、ストーリーをもっと暗くすること(これはDATTYAさんの御指摘通り です。)、そして何よりも時間と手間をかけることです。 ・・・・・しかしこの実現にはおそるべき労力を必要としますが。 TV版と劇場版、この完全に対極に位置する2つ、どちらにもそれぞれの面白さと工 夫、そしてストーリーがあります。確かに劇場版は凝っています。TV版は時間の都合 もあるでしよう。しかしそれでもTV版はみんなが納得できるのです。それは原作を読 んだ人でもTV版にしかない新しい「ストーリー」があるからです。劇場版やオリジナ ルストーリー、これも同じ「新しいストーリー」なのです。それに対し完結編はどうだ ったでしょうか。 映画版自体、今まではすべてオリジナルストーリーであったため、こういった問題点 が生じたのかもしれません。しかし、うる星には現在になっても「可能性」があるので す。 最終的に完結編から得られるものはDATTYAさんのおっしゃる通りですね・・・ そして完結編から感じたのは「これはうる星の映画ではない。」ということです。 MAP641 赤間 PS.・・・補足・・・ 最後に「うる星の映画でない」と書きましたが私はこの作品の存在を否定する気 はまったくありません。ここで言う「うる星の映画」とは「マニアのために作ら れたうる星の映画」のことです。