#40 Article 1414 Posted at 1993/01/10 09:49:32 by 東風/I (MAP2618) [COMIKET]

Subject: Re: Re: コミケへの意見 /1400 /1390

>      P.S.しかし小さいサークルさんの所とか回っても大抵1,2人しか
>        いないので何故でしょうか? いつも疑問なんですけれど・・・。

 それは、簡単です。「本を買いに行っている」または「挨拶回りしている」です。

 しかし、コミケットは、アマチュアの即売会ですから、書き手のほうも本を買って
読んでもよいと思います。常に3人いろというなら、サークル参加の人に本を買うな、
挨拶回りもするなといってるようなもので、それであればコミケの楽しみも半減する
ことでしょう。

 で、本当にいいたいのは、そういったことよりも、この文を読んでいると、

 「サークルの人は最初から中にいてずるい。一般入場者はちゃんと並んで入ったから
  偉い。サークルの人はだまって本だけ売ってればいいんだ。」

 みたいな気持ちがひしひしと伝わってくることです。サークルの人は、決して「本
を作る」または「本を売る」ための奴隷ではありません。商業的という言葉を使って、
暴利をむさぼるサークルを非難されているようですが、1冊本を作るということが、
人件費などに換算すればいかに大変か、それを差し引いてまで暴利をむさぼれるよう
なサークルが、一体どれだけ存在するのでしょうか。同人誌というものは、部数が少
ないため、印刷費の比重も大きく、そう簡単に黒字の出るものではないです。実際、
数多くのサークルが財政的に赤字だと思います。
 また、同人とは、黒字が出てはならないという意味ではありません。それに費やす
趣味の範囲を逸脱するような労働は評価されなければなりませんし、仮にも物を供給
しているわけですから、それに対する多少の見返りを受け取ることがあっても、決し
て悪いことではないのです。それ以前に、赤字事業というものは、事業拡大に伴って
大抵転覆する(1部100円の赤字でも1000部で10万円、これを誰が負担する
のか、在庫が多量に余ったらどうするのか)ので、安全性の面からもある程度の黒字
が残ってもよいのです。
 ここまで、考慮すれば、極端な話一日だけお祭りに参加する一般参加者に比べて、
数ヶ月前から企画を行うサークルがいかに大変なことかわかると思います。趣味とは
いえ、莫大な赤字を背負ってできるほど裕福な人はそうそういません。商業ベースで
ないからといっても、経済法則が通用しないというわけではないのです。

 また、読み手がなくともコミケットは存在し得ますが、書き手がいなくなればコミ
ケットは自然消滅です。どちらが重要かといえば、書き手が重要なわけであり、それ
なりに優遇されているというのは正しい姿であると私は考えます。だからこそ、値段
や売り方を決めるのもサークルの権利として保証されているのであって、それを非難
されたからといって、買わなければいいと言えるのは至極もっともなことです。
 書き手でない、専業売り子にしても、自分が買いに行けないのであれば、すなわち
6時間の無償労働をしに来たのと同じです。しかも交通費は出ませんから、そんな割
の悪い労働をしてくれる奇特な方もなかなかいないことでしょう。売り子の人は「3
人という人数の中で、決められたスペースを保守する」義務を負うかわりに、「並ば
ずに入れる」権利を得ます。単純な義務と権利の関係です。
 ただ、権利だけを行使するダミーサークルは問題で、それに怒りを覚える一般及び
サークルの方々の気持ちは良く分かります。ダミーサークルは排除されなければなり
ません。ただ、サークルはみんなずるいみたいな話は暴論だと思います。

 私も現体制が完璧なものとは思っていませんが、現在のそれは、コミケの規模との
釣り合いなどからいっても、よく考えられた、かなりbetterなものだとは思います。
 一般参加の人の立場も分かるのですが、それ以上に、リスクを背負ってサークルで
本を作ってくれる人達への配慮も考える必要はあります。良い本を見て、作り手に感
謝する気持ちこそが同人らしい、アマチュアリズムのような気がします。
 以上、まじめなサークルの方々を擁護してみました。
                                   東風/I