#205 Article 91 Posted at 1996/05/12 11:55:18 by たまさか (MAP5072) [NO.19]

Subject: 恐怖、妖怪くびれ鬼

ども、たまさかです。お初にお目にかかりますです、はい。

 突然ですが、よかったです、今日の鬼太郎。
 いいなぁと思ったのって、「怪奇!妖怪萬年竹」についで2本目ですね。

 これは個人的な要望なのかもしれないですけど、鬼太郎っていうストーリーには
 ペシミズムの要素が不可欠だと思うんですよ。妖怪にも人間にも。

 昇天することもままならず、煩悩にまみえながらこの世にとどまるペシミス
 ティックな魂、異形の者。
 ふとした瞬間、その哀しみをかいま見てしまった人間の受難。
 心に空いた哀しみの隙間に足を取られてしまった人間と、哀しい妖怪の奇妙な
 共感(シンクロ)。

 そういうものを見せてくれる鬼太郎なら、まだまだ続ける価値もあるんじゃない
 かと。

 鬼太郎の妖怪って、アニミズムを基本として「大自然の怒り」として語られる
 ことが多いですけど、そういう話って、最近のシリーズではことごとく説教臭い
 だけの話になってしまって、むしろ妖怪を矮小化してしまうことが多いように
 感じます。

 それに比べ、今回のような人間の心のゆらぎに軸足を置いた話っていうのは、
 その妖怪の存在を含めて作品世界の広がりを感じさせてくれて、過去の鬼太郎に
 思いを馳せる世代の人間にも無理なく受容できる範囲にあると思うんです。
 (今回のくびれ鬼は妖怪として意味不明でしたけど(笑))


 ともかく、今シリーズの鬼太郎は、「ヒーロー」と「狂言回し」の間を行ったり
 来たりしながらも、過去から継続している作品世界を破綻させないようにとする
 スタッフの気遣いやバランス感覚に、涙ぐましいものを感じます。
 (昔の路線に戻りたくても、ヒーロー路線は切れないものなのね)

 あ、あと、今期のシリーズでは音楽の使い方もいいですね。
 (好みと言うべきかな?)
 要所要所で流れる音楽がヒーロー物してなくて、今期の作品カラーを伝えるのに
 効果的な要素として機能してると思います。

 ただ、全体にもうちょっと登場人物(特に鬼太郎周辺)が寡黙になってくれたら
 なぁ…。(台詞で埋め尽くされていて、思い入れる間がないのよねー)

   たまさか