#8 Article 857 Posted at 1989/07/02 22:04:00 by W.M. (MAP009) [TOP]
Subject: Re: Re:質問 /855 /853
たしかにあの作品では、光速に近いような非常に速い速度で飛んでいる
ことを、スターボウではなく、星が降ってくるような景色で表していまし
た。これはまぁ、誰にでも判りやすく表すためには、しかたがないと思い
ます(この近くのシーンでは他にも、回収艇が減速をかけたとかに、るく
しおんがゆっくりと遠ざかっていきますが、るくしおんは加速しつづけて
いることを考えると、もっとずっと速く遠ざかっていかなければならない
はずですしね)。
なお、前のアーティクルで、「光速の99.8%程度では時間がのびる
ことはありません」という意見がありますが、特殊相対性理論でも光速の
99.8%で約15.8倍に時間が伸びますし(ただしこれは、お互いに
伸びて見えるのですが)、さらに地球に帰ってきたときにどのくらい時間
がずれているかは、どのくらいの速度で飛んでいるかよりも、どのくらい
の加速度で加速(または減速)したかのほうが大きく影響すると思います
(ちょっとこのあたりは自信はありません。しかし、このことを厳密に考
えるには一般相対性理論まで理解しておかなければなりませんし、この時
代では「古典物理学」となっている相対性理論がはたして役にたつのかど
うかも疑問です)。
また、「それだけ光速に近づくと物体の質量は無限大まで増加します」
という意見もありましたが、この作品の世界では、静止質量(おそらく重
力質量のことでしょう)と運動質量が異なるものとして考えられているの
で、そのことについて心配する必要はないと思います。もっとも、この静
止質量と運動質量が異なることから、時間の進み遅れなどがアインシュタ
インの理論から離れてしまいますし、3話の最初に「真空はエーテルの基
底状態と定義されている」という記述も見られますから、そうとう不思議
なことが起こってもかまわないと思います(蛇足ですが、このことからエ
ーテルを励起させなければブーメランがクルクルと戻ってくることもない
ような気がします)。つまり、「きっとタンホイザー物理学の世界では、
すべてがうまくつじつまが合っている」と考えていいのではないでしょう
か。そのほうが、この作品の世界にどっぷりとつかれると思いませんか?
どっぷりつかってしまうのが好きな MAP009 / W.M.
P.S. どっぷりつかれば、この作品も立派なSFですよ。ハードSFでは
ないかもしれませんが。