#75 Article 707 Posted at 1995/12/02 21:12:00 by TOSHI (MAP2425) [MIMI]

Subject: Re:*18 感想/耳をすませば /697 ...... /622 /616

ご返事がだいぶ遅れました。

>  むしろ、雫が男の子で、少年どうしの物語にしてしまった方が、
>  もしかしたら物語が鮮明になったのかもしれません。

  まさにここのところが問題なのです。
  雫が男の子であっても、この物語にはなんの支障もないんですね。

  つまり、出てくる人間のメンタリティーがすべて、「男もどき」である、
  ということです。その卑近な例が、ブラジャーのくだりであったり、
  徹夜でカロリーメイトをかじる場面だと思うのですよ。
  その点で、『ああっ女神さまっ』や『天地無用!』と同じなんですね。*)

  もうひとつの原作改悪というのは、天沢くんをめぐるくだりです。
  原作では、彼も本好きで、借りる本の図書カードに雫の名前を見つけて
  気になっていた、となっているのですが(つまり、雫と同じ状態)、
  その部分が映画ではなんと、雫の気をひくために(本も読まないで?)
  借りそうな本のカードに名前を書いていた……となっているんですね。
  これって、女の子から見たらただのヘンタイと受けとられても
  仕方がないのでは?……(^^; まあ、ヘンタイかはともかく、そういう
  男のメンタリティの部分は妙に生臭くなっているんですね。
  女のメンタリティにはより無頓着になっているのに、男のメンタリティに
  関しては、より生臭くなっているというのは、どうにも納得がいかない
  ……というより、製作者が「男」だというだけのレベルのこととしか
  思えなくて、とても情けなくなるのです。

  つまり、画面作りが「リアリズム」を志向しているにも関わらず、
  「メンタリティ」そのものは、リアリティから遠く離れていく、
  製作者の志の(あるいはレベルの)低さが気になって仕方がないのです。

  こんなところでいかがでしょうか?
   TOSHI

*)この点については、例えば『まるごと阿重霞』(富士見書房)の
 枯堂夏子氏のインタビューを参照してください。