#75 Article 532 Posted at 1995/02/02 19:10:27 by WAK (MAP5274) [HOLMES]

Subject: Re:*7 エリソン夫人とハドソン夫人 /529 ... /521 /517

Art 529  灰原達之 さん
> 少なくとも日本では、著作権、著作者人格権の侵害は親告罪ですから、訴
>える人がいないと、刑事上の罰則は課せられません。だから、時間が経過し
>て関係者全員がお亡くなりになっていれば、人格権を侵害しても、罪になら
>ないのです。
> この意味で、人格権も消滅すると言えるのでは?

 えーと、著作権法上の侵害行為を「親告罪」と規定している法的根拠はない
はずですが…。ひょっとして私が知らないだけで、あるのかな"^_^;"

 実は、このへんが難しいところだと思います。著作権法で人格権の保護を規
定し、違反した際の罰則も定めているのですが(第六十条、百二十条)、どこか
らどこまでが侵害に当たるのかという線引きが事実上不可能に近く、罰則を実
際に適用するとなると、かなり問題が出そうですね。ですが、強制猥褻や強姦
と違って、著作権や著作者人格権の侵害行為を「親告罪」と規定してはいませ
んから、現実問題として捉えるならば、関係者がいなくても罰則の可能性は残
されていると、そう解釈すればよろしいのではないかと…。

 ついでに、『別冊ジュリスト・著作権判例百選』にもあたってみたんですが
具体例は見つかりませんでした。

 なお付け加えますと、著作権法上の権利侵害が成立するには、故意、過失は
必要ではありません。民法上の不法行為と違って、無過失であっても侵害は成
立します。早い話が、行為者の主観的な要件がどうであったというのに関係な
く、著作物の利用が、正当な法律上の規定のない限り著作権(著作者人格権)の
侵害になります。


> 英国は違うんでしょうか?

 日英ともにベルヌ条約の同盟国ですので、条約の「内国民待遇」によって、
イギリス人の著作物であっても、日本国内における利用の際には、日本の著作
権法が適用されます。
 また、同条約には「法廷地法原則」というのもあって、これは保護の範囲や
救済方法は、条約の規定のほかに、保護が要求される国の法、つまり法廷地法
によるというものです。
 ですから、保護の範囲や方法、救済に関しては、日本人同様に考えることが
出来ます。


 と、このアーティクル位までは何とか私にも言えますが、どんどん混みいっ
てくると、専門家じゃないと難しいかも。
 著作権のボードって、できませんかね。

            著作権法のえらい人、たすけて!WAK(MAP5274)