#70 Article 3295 Posted at 1994/05/26 23:26:54 by ISAM (MAP1129) [BUNNY]

Subject: Re: 今号のコミックBunny /3293

・・・願わくば、ああいったラストじゃなくて、彼がビルの屋上にでも登って、街の
夜景を背景に月にむかって吠えるところで終わってほしかった・・・(ああ、バットマ
ンの「虎よ虎よ」だっけ)。

 しかし、こういった定番的おきまりラストじゃなかった理由が、仮に「今号で休刊に
なったために、次号で描く予定だった本当のエンディングが描けなくてブチ切れになっ
てしまったため」ぢゃなくても、それはこの作品のテーマ性を寸分も損うものではない
でしょう?
 むろん、そう終わったほうがこの作品のハリウッド的エンターテイメント性は格段に
あがったでしょうし、そういいたくなってしまうところにKYOGOさんの、俺と同様のハリ
ウッド万歳、人間万歳的な人間中心指向がみてとれるのだけどね(と、人が一言いった
ことの揚げ足をここまでとる・・・俺)。

 だけれども、この漫画にある感覚というのは、主人公自身の悲劇でもなんでもなくて
、主人公にラストで喰い千切られる豚ども・・・人間たちのほうの至福なんぢゃないか
と思うのだな。
 もちのろんろん!

 僕たちは豚だ。

 私は、この漫画を読んで、狼の牙をもたない自分に涙しながらも、他者(外者)の牙
でかみ砕かれる自分(の分身たち)に至福の喜びを感じたわけだな。3匹の子豚をひも
とくまでもなく豚の未来とは、狼に噛み殺されることにしかないのだから。
 時として人間を不自然にまでおとしめようとするものたちの幸福というのは、結局の
ところ自身が人間として不当なまでにおとしめられる瞬間を予感してのことなんだろう
と思う。

 まあ、忍者タートルの「リオナルドの恋人」だかの回に出てきた、モナリザちゃんの
ことを、「ああ今年度、もっともHなアニメキャラ(女)」だと思ったのは、彼女の、
人間性というのが外部の力によって不当にまでねじまげられているからなのだ(少なく
ても、亀忍者と同じレベルまで)。
 だって、昔はちゃんとした人間だった彼女が、タートルズを指して「ああ、素敵な人
たち」とかなんとかいうのだぜ。

 というわけで、ブリーダだかいう作品は、このままでとりあえず圧倒的に正しい、む
ろん、まんまで正しいということに関する不幸というのも指摘できるかもしれないが、
それに関しては考えない。
 それは人生の不幸だ!

 で、この正しさというのは、闘う牙ではなくて、牙がないというスタート地点におけ
る牙でしかないと思うのだけどどうなんでしょ。
 例えば、永井某巨匠のヤンジャンかなんかの、バードだかという新作漫画は、いわゆ
る人間的動物もので、まあ結構面白い、しかしそれが結構にしか面白くないのは、連載
長編だからだけではなく、永井某に元々牙があるからではないのだろうか? ガキの頃
永井豪が面白いかったのは、少年というのはたいてい、どんなやつでも飢鬼ってなぐら
いで、飢えてて、牙があるからぢゃないのかなあ。



 ちなみに、「猿王」は終わったちゃったけど、今週のチャンピオンの「覚悟のすすめ
」の覚悟君が、バリバリと強化外骨格を着込むシーンはストーリーのつまんなさとか、
絵のバタ臭さとかを飛びこえて、よろしかったですねえ(ああH)。
 ああいうのが漫画です。
 いや、僕も、右翼になりたくなっちゃった。

 まったく平成のトレンドは右翼なんだよな。



         狂いざきサンダーロードの右翼もよかったの  ISAM