#7 Article 735 Posted at 1989/06/29 22:47:57 by 赤間 信幸 (MAP641) [URUSEI]

Subject: Re: 完全私的LTF論暫定版 /734

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 完璧私的LTF論を私も出す時が来たよ~ですね。
    .
 LTF論を出すのは時期早々か(私にとって、の話。)とも思ってましたが、根本さ
んへのRESも兼ねて、完全バージョンではありませんが書いていきたいと思います。


 LTFはBDはおろか、他のうる星の作品(TV版をも含む)すべてとは全く違い、
さらにはうる星の名を語りながら、うる星の「枠」を飛び出してしまった作品である。
 BDも、確かに過去のうる星の「世界観」を一掃し、うる星の限られた「枠」を越え
てしまった作品である。

 が、しかし、BDとLTFの違いは敢えて言うなら、この「飛び出し方」にある。

 BDは、うる星の「枠」を、人間の持つ「夢」をうる星という世界に加え、その「枠
」をただ単純に広げたに過ぎない。
 ところが、LTFは、うる星の「枠」を広げたのではなく、そのうる星の持つ一つの
側面、しかもうる星においてもっとも強く、またもろい部分を、無理矢理と言っても差
し支えないような方法で広げた、いや、その部分から飛び出たのである。

 LTFは、うる星のキャラに重点を置く、というよりは、各人の感情に重点を置いた
作品であると言える。これはすでに書いてある。が、この感情というのがBDとはまる
っきり違うのは言うまでもない事実。言葉で表すことの出来ぬ感情、これがLTFから
取れる感情のひとつである。(言葉で表すことの出来ぬ感情を表現しようとして失敗し
た作品が完結篇(アニメ版)なのだが・・・・・)

 さて、この作品中で「ラム」が消えることについてであるが、これは正直に言うと、
どう見るかは難しい。つまり、確かにラムが消えなければ作品に成りえなかった(これ
は、ファンの心を踏まえた上での話。)のである。
 が、ラム(の存在)が消えなければならないかというと、うる星の世界ではその必要
はどこにもない。根本さんの御指摘で鬼姫伝説が挙がっていたが、この見方は私はちょ
っと違う。

 つまり、LTFの「核」となっているのは、鬼姫伝説でもなければうる星のキャラ達
でもなく、ラムとあたるの愛、これに尽きる。
 これは、上に書いた通り、うる星の最も強い部分、かつ、最ももろい部分である。

 だから、これを描くためにはラムが消えることは確かに必然である。だがしかし、L
TFというタイトルを借りなければ、描くのはラムとあたるの愛でなくてもいいのであ
る。(と、とんでもない論を出すのだった。) これについては私なりの解答が完璧に
出来上がっているわけではないので、とりあえずはこれ以上書けないが、そういうこと
である。

 確かに、ラムが消えることにより、「鬼姫伝説」が力を持つ。だが、逆の視点から見
た場合、「鬼姫伝説」は、EDにたどり着くための伏線にすぎず、お膳立てされた設定
と見ることも、また可能なのである。
 この「お膳立てされた」設定を出すか出さぬかが、各個人のLTFを決める一つの要
素であるが、私は出さなかったことについては基本的には賛成である。

 LTFは前述した通り、うる星の世界の枠から飛び出している。
 が、「うる星の世界を忠実に守る」というのは、その作品の素晴らしさを決める決定
的な要素とは成り得ないものと思っている。

 うる星の世界を忠実に守ろうとして失敗した物はここでは論外として、OYと比較し
てみよう。
 OYは、エルの感情を描いた作品(と言った方が、これには適しているような気がす
る。)である。その過去の暗い境遇など、素晴らしい作品であることには間違いない。
 そしてまた、多数のうる星やつらは、そのキャラクターの設定通り、正しく動き回る
わけである。
 が、しかし、結局のところ、この作品は「うる星やつら」にウエットを置いてしまっ
たため、本当に語らなければならなかったエルについては舌足らずになってしまってい
る。
 多少ならうる星から外れても構わない。しかし、語りたいことをきちんと語れるとい
うことを、その代償として得ることが出来るのである。

 ここまで書いて、私も結論めいた物を出すとすると・・・・・

「LTFとは、ある監督(うる星ファン)が、うる星やつらそのものを表現するに当た
 って、うる星を媒介にするのではなく、うる星のキャラを使いながらも、普段のうる
 星とは違う手法を取って、うる星やつらを表現した作品」

 というのが、表の答え。
 そしてもう一つの、表裏一体とも言える答えが、根本さんのおっしゃる、

「LTFとは、あるうる星ファンがあの時期、自分のうる星に対する思いをうる星やつ
 らそのものに向けて、自分に、そしてファンに問い直してみた作品」

 であると思います。

 結局のところ、各人なりのLTFを見付ければいいのですから、これ以上の言葉は無
意味でしょう。

 私も結局、言いたいことのすみをかじっただけにすぎませんが、また機会があったら
(もっともすぐにあるかもしれないけど)語ってみようと思います。

 ど~もここまでつきあってくれてア・リ・ガ・ト!   MAP641  赤間