#35 Article 4622 Posted at 1992/08/03 19:33:15 by 根本 剛志 (MAP1144) [LONGPIECE]

Subject: 長編「決戦桃幻郷!花嫁を奪りもどせ!!」感想

『決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!』を昨日鑑賞して参りました。

 OFF前迄は「劇場を転げ回る」だのと言われていましたが、残念ながらそ
こまで出来ない広さでしたので誠に無念・・・(オイオイ…(^^;)) のっけから余談
になってしまった・・・(^^;)
 先ず結論です。

『とても面白かったっ!!(^^)』

 1時間という上映時間と動き回るキャラ、発するギャグのラッシュ、高画質、
演出の冴え.etc 恐らくかなり高い点数の作品となってのではないでしょうか? 
 正直なところ、私は期待をそれ程しておりませんでした。時間的制限がかな
りありそうであった事と事前に知っていたストーリーの展開から予想して難し
いところに有るのではないだろうかと? ところが、私の予想を見事に裏切っ
てくれました。うぅ、やるなぁ(^^)。批評家から見れば何の事はない単なる騒
がしいだけの話かも知れませんが「らんま1/2」と言う世界を見事に表現し
ているという事では前作以上であると断言しましょう。

「らんま1/2」はキャラクター作品です。
 どのような作品もキャラクターを生かさずしてその成功はありませんが、特
にこの作品の場合主人公・乱馬を取り巻くキャラクターが多彩であり、下手を
すれば顔見せ程度で終わってしまう(例:登場時間の割に印象の極めて薄い前
作の九能帯刀・等)のですが、その各キャラクターをしっかりと捉えたところ
は中々憎たらしい(^^)。つまりは登場したキャラクターに無駄が無いのです。
桃幻郷の兵士にしろ捉えられたその他大勢の女の子にしろしっかり使われてい
ました(でもこのその他のキャラクターが下手をすると危ない表現を醸し出し
てしまいかねないところが残念。これはこれ以降に回す)。それを1時間で表
現するとは・・・(^^;)
 ある意味で時間的な制約が芝居を濃密にしているようです。乱馬以外の野郎
共準主役キャラを短い時間で表現する為に彼等を特徴付ける技を使わせるとい
うのは正論ではあっても実は見事であると考えます。特に良牙の爆砕点穴・獅
子咆哮弾等原作では既に忘れ去られた技が多々あります。それをしっかりとシ
ナリオに生かしているところは原作以上でしょう。ある意味で原作のキャラク
ター達は成長を完全に止めてしまっていますが、アニメの彼等は学んだことを
しっかりと生かし切っています(少なくとも各長編では)。原作にその都度登
場する大技は、その場限りの時限技でしかないのでしょうか? 原作の忘れた
格闘をここでは最大限に生かし、エンターテイナーを目指した作品という意味
から、今回の長編は私にとって理想的な作品と言っても過言ではありません。
(ルーミック作品で言えば「うる星」のオンリーユー以上かも・・・?)
 しかし、各技の処理は凄まじかった(^^;)。 各キャラクターの殺陣演技も恐
ろしく密度が濃かったし、作画と撮影の尋常とも思えない技術に深く感銘させ
て頂きました。特に桃麿操る妖幻乱檄弾の処理はすさまじひ!!(^^;) もう意
地としか思えないようなエナジーを感じる!!(^^;)
(ネフライト、アニメーターのエナジーを集めるなら、東○系よりもデ○ーン
の方が遥かに大きいぞ!!(爆笑))

 殺陣の演技もさることながら、その中のキャラクターの芝居も中々イケル!
 特にムース!! お前は今回の助演男優賞だ!!(^^) 見事に『聖矢』芝居
しているぞぉ!!(笑) でも結構ああいうクサい演技は好みだったりするのだ。
あぁ見事に歌舞伎の世界(^^;)。 純愛一途は技より強いって?(^^;)
 九能ちゃんはねぇ・・・ もうちょっと強いと良いのだけれど、まあ今回の
長編がなびきのキャラクター色を強めた演出になっていましたので(スタッフ
の趣味か?)仕方が無いと言えば無いような・・・ でも彼って悲惨(^^;)。
 良牙は勝つべくして勝ったというところか? それでも妙なところから一発
逆転というところがこちらも『聖矢』(^^;)。 相変わらず不幸なヤツであった。
それにしても、この辺のシナリオ運びは巧いですね。良牙と右京の掛け合いが
堂に入っています(^^)。
 この短い時間の中で、この三組の芝居がとても印象に残ってしまったのだけ
ど・・・ これは演出の勝利ね(^^)。前作の七福神戦より100倍見せる事の
出来るシーンになりました(こうした作品で、あまり敵を圧倒的にしてはいけ
ないのですよ。観客には恐ろしくフラストレーションが溜まりますからね)。

 少々順位が入れ代わってしまったが、この辺からストーリーを追ってみましょ
うか・・・
 冒頭のオープニング。正に予想通りの展開(^^)。
 最初に無人島に持ってゆきタイトル以降に回想シーン・・・ 余りに予想通
りだったのでちょっとばかり不安になりましたが、それ以降の急展開を考える
と「らんま」的平々凡々なオープニングは効果的かもしれない(^^)。
 例の神隠しモドキの各シーンは無気味さは足りないものの、時間制限上謎解
きをする時間はありませんから、玄馬と良牙の目の前で右京を消したのは正解
ですね。またあかねがさらわれそうになった時のコロンのアドバイス、爆砕点
穴へ運ぶのは巧い!! 正に適材適所です(え? 妖怪婆さんのギャグは?
もう爆笑物ですよ!(笑))。
 桃麿登場シーンのワンタンとトリスタンも良い味を出していますね。肝心の
桃麿ですが、ちょっと声が太いかな? と言うのが気になりますね。まぁ充分
聴き慣れる事の出来る声ではありましたが。最初に乱馬達が妖幻乱檄弾を食ら
うシーンですが、問題が瓢箪に移ってしまったのがちょっとね・・・ 仕方が
無いのかもしれないけどちょっと寂しい連中であります(ーー)。乱馬が水をかけ
られて女になってしまい、そこから九能をのせるところの繋ぎ辺りは順当。
 さて、島に向かってからの行動も八宝大華輪を食らってのびてしまう辺りは
良いとしてトリスタンに詰問されるところの芝居がねぇ・・・ もう大笑い!!
しかもコロン婆さんのコーディネートしたドレスも中々色っぽくて大変結構!!
みんなのドレス姿も色っぽくって『最高じゃん!!(^^)』。
 それにしても、あかねやかすみ、シャンプー、右京はともかく、なびきのハ
マった女王様姿は恐いくらいです(^^;)。 本気で似合っているところが凄い。
 あぁそうそう。桃麿に媚を売る女らんまちゃぁん!! 本当にお前は男なん
かいな?(^^;) あぁ色っぽい・・・(^///^)
 『格闘お見合いレース』・・・ 如何にも「らんま1/2」らしい展開(^^;)。
この時の女らんまの切れようは感動すらある(笑)。なんでも格闘と名が付けば
一番にならなければ気が済まない・・・ 訳ではありませんでしたが、見事の
一言。動きも凄まじく言うことありません(パンフではないが、本当にトラン
クスが見えないのは何故だろう?(笑))。
 しかし、華道に用意された肉食植物は危険極まり無い代物であった(^^;)。
あれであかねが食われたりしたらどうするつもりだぁ!!(^^;)
 それでもってあかねの平手打ち・・・ 分かる気はするのだが、その程度で
惚れるなよなぁ桃麿!!(^^;) 要は彼自身女性に全く触れる機会が無かったた
めなのでしょうが、この辺から私は問題にしたい。
『格闘お見合レース』は如何にも「らんま」的で結構である。が、問題の本質
はそのに見え隠れする。あかねの指摘通り桃麿は完全に女の子共を玩具として
か見る事はなかった。コレが問題だ。実はここに見方によっては男尊女卑の思
想が見えなくもないのだ。桃麿はまだ子供だ。しかも桃幻郷には男共ばかりが
居るとすると、必然的に男社会になり考え方が男中心になってしまう。当然異
性の存在は頭の中で子孫繁栄の為の道具としてか見ることが出来なくなってし
まうだろう。もっともそこまでに至らずとも、男ばかりの社会(ほとんど軍隊)
でアレだけの女の子を集めて(もしかすると兵士1人につき1人の女の子をかっ
さらってきたのかもしれない(--))おいて危険でない方がおかしいではないか。
ましてや許しの号令をかけたりしたら・・・ 歴史を見れば兵隊が略奪した女
性をどのように扱うかは分かり切ったことであり、この従軍慰安婦問題が取り
上げられているご時勢である最中である。私はなにかこうギャグ以上に考えて
しまったぞ(ーー;)。 確かにルーミックには、特に「らんま」には基本的に極悪
人は居ないのは確かであるし、実際兵士一人を取っても女性の前では純情その
ものなのかも知れないが(例:かすみさんを連れ去った名も無き兵士)いかな
善人でも相応の聖職者でもない限り子供は作ることに変わりはあるまい!!
考えすぎかもしれないが、少なくとも私はその点が気になったのである(故に
冗談をかましてはいたが「この脚本ってアブねぇ!!」と劇場で言ったのだ)。
名も無き少女達の無事を祈る(「らんま」に好意的な者が観てこう思うという
事は、和歌山のおばさん軍団の反応が恐いぞ!!(だから、もしもの前に早く
LD出してくれ!!(オイオイ…(^^;))))。
 なにはともあれ、彼・桃麿は明らかに子供だ。あかねの対象が玩具から母親
を重ねる対象に変化しているところからもそれは伺われる。あかねへの求愛も
明らかに前作のキリンとは違っているところは、やはり子供である。少々残念
なのは上映時間が足りない為どうしてもこの桃麿の描写が足りなかったことで
あろうか? 故に彼の印象は薄い。前作キリンの場合はあかねと同年代もしく
は年上であった事もあるが彼の心理描写を行う時間は十分あり分かりやすかっ
たが、今回の桃麿の場合は、特にマザコン絡みもあり描写にもうちょっと時間
が欲しいところであったろう。残念である。
(この辺で例の三組の死闘が繰り広げられるが、先に書いたのでパス!(^^;))
 さて、乱馬の登場によって話は佳境に突入! でもね乱馬くん「俺に一度か
けた技は二度と通用しねぇ!!」って、それじゃ完璧に聖闘士ですよぉ(^^;)。
が、妖幻乱檄弾を食らい膝に鋭利物を刺すところは、セオリーではあるがやは
り根性と気力の勝負を物語る。術を破って「泉」の鍵を手にするあかね。うぅ!
良いぞぉ! 可愛いぞぉ!! いじらしいぞぉ!!!(^///^) こういうの好き
だな(^^)。それでも術は破られるがそれだけではない桃麿の意気は衰えること
はなく乱馬を打つ!! おぉ! やれやれぇ!! トロッコで乱馬を振り払お
うとする桃麿!! もう意地と意地のぶつかりあい!! 完全に乱馬より優っ
ていたと思われた自分の元からあかねを奪われた桃麿、そして乱馬を今のまま
で良いというあかね、「泉」を闘気(彼も"気"で獅子咆哮弾未完成版は程度は
撃てることは証明済み (^^;))で破壊する乱馬・・・ そして大団円後の普段
の生活・・・ 
 にしても、桃麿の身の引き方は余りにも唐突である。もう少し乱馬との死闘
で乱馬やあかねにそれっぽい台詞を吐かせるなり、相応の行動を取らせるべき
ではなかろうか?
 ま、なにはともあれ・・・
 今回の長編は正に『王道』を行くものでありました!!
(故に、可もなく不可もないのでありましょうや?(^^;))

 しかし、ラストの桃麿からエンディングにかかる部分の繋ぎを考えても良い
のではないかと考えます。アレではあまりにも余韻が無さ過ぎる。その余韻と
後日談を多少エンディングの止め絵で語ろうとしていますが・・・ 期待も空
しく見事に失敗・・・(^^;) もうちょっと止め絵のカットを一考しても良かっ
たのではないでしょうか? ハッキリ言って本編と曲に大負けしています。
 あぁ、あと5分は時間の欲しい作品でした・・・(;_;)

 最後に・・・

 『早くVTでも良いから出してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!』

                         根本 剛志(MAP1144)

ps..今回のあかねはコスチュームはあいまってとても可愛い(^///^)。
  エンディングの最後のアップのカットは凶悪であった!!(クスクス)