#29 Article 120 Posted at 1992/06/16 23:46:46 by HIROKI-O (MAP2860) [HOURITU]

Subject: Re: Re: 著作権討論会 /119 /118

著作権に関するレポート

法律については解釈次第というご指摘があり、私自身も研究に行き詰まった為、
某東証一部上場企業の顧問弁護士さんにお聞きしてみました。以下はその内容
ですが、本来弁護士が言ってはいけない内容もかなりふくまれますのであえて
名前はふせさせて頂きます。
さらに、他BBSへの転載につきましては行って頂いても結構ですが、
内容についぢかなりきわどい性格の文書となっておりますのでネットワーカー
各位のご判断をお願いします。その際にはご一報頂ければ幸いです。
また、この弁護士さんは非常に多忙な方で、ご質問があっても私にて折り返せる
範囲でご回答させて頂きたいと思います。
			文責:HIROKI-O(MAP2860)こと奥村裕樹

1.著作権そのものの性格と影響範囲について

	著作権は著作者自身が創造したものについてすべてにわたって創造時に
	あたえられるオールマイティーなものであり、逆に利用者にとっては
	これ以上なく不利益な法律となっています。
	個人的な利用といっても実質的にはまず認められることは無いといっても
	良いぐらいにその影響力をおよぼすものとなっています。
	たとえば私が道端を歩きながら歌を歌った場合でも演奏権(音楽の演奏
	だけでなく歌う権利をも含む)の侵害となります。
	PCMについて変調したり画像データをある規則もしくは不規則に変換
	させた場合についてもいかなる変調・変換を行った場合でも著作権侵害
	とされてしまいます。(同一性保持権:内容・タイトル等についてオリ
	ジナルと同一にさせる権利)
	CGについてもスキャナ利用もフリーハンドもすべてなんらかの制限が
	なされると思います。

2.こんな場合も違反になる

	音楽の教科書でときどき「作曲者不詳」という表現がありますが、
	これは教科書ではゆるされますが、一般の書籍では違法となります。
	法律上の解釈では「作曲者を捜したでと見つからないので著作者には
	了解を得られないままの状態で出版(演奏)しました。」と言っている
	のと同じとされています。
	判例としては「チュウリップ(さいた さいた・・・)」や「鯉のぼり(
	屋根より高い)」について最近まで作曲者不詳となっていましたが、
	作曲者があらわれ出版者相手に訴訟を起こし、勝訴しています。

3.BBSは個人の集合体として認められるか?

	アーティクルを受信するのは個人です。(法人ユーザーは少ないと思う)
	しかし、ボードを読む人が特定出来ない(IDを持っているひとという
	のは特定とは言えないとの事)ので集団に対する領布と解釈されます。
	つまり、最終的に利用する人が個人であっても実質的に認められないの
	です。そのため、BBS利用は領布権侵害とみなされます。

4.違反が違反とならない場合

	事実上存在しませんが、著作権所有者が訴訟をおこして利益があるという
	場合しか普通は文句を言ってきません。1.で上げた例の場合に著作権所
	有者が私が歌うのを止めてなんの利益が生じるでしょうか?
	(私が極端なオンチで曲のイメージがこわれるのをふせぐとか同一性保持
	 を目的としているなら別ですが・・・)
	つまり、著作権違反をしていても著作権所有者が無視できる範囲であれば
	見逃してもらえる。われわれの場合これが唯一といっても過言ではないと
	おもわれます。また、国内だけでもすべての場所について監視を行う事は
	不可能であり、全部訴訟されたら裁判所はパンクしてしまいます。ですから
	凶悪な場合(海賊版で利益を上げたとか、営業妨害やその類似行為を行った
	場合しか実質的な違反として取り扱えないでしょう。

5.今後の著作権の動向

	現在、音楽について「報酬請求権(だれかが著作物を使って利益を上げた
	場合に報酬を請求する権利)」について検討がなされている様です。
	これが法律化されれば、不透明な現源範囲が幾分(完全ではない)明かに
	され、利用者にとって価値のある法律となるであろうと考えられます。

6.弁護士さんの個人的な感想

	著作権法第一条の最後の方に「文化の発展に寄与する」とありますが、
	著作権所有者の文化は発展しても利用者の文化は衰退するでしょう。
	弁護士にとってもこの様なザル法が相手では解決の手助けも出来ない
	です。今後整備されてはいくでしょうがそれまでは利用者は2つの
	立場しかとれないでしょうね。つまり、

		著作権違反である事をしりつつ違反を続けるか
		いっさいの著作物の利用をあきらめるか

	のどちらかです。
	ただし、こういった法律に興味を持って議論をするということは非常に
	すばらしい事だと思います。今後も続けていってほしいですね。

					1992.06.16 都内某所にて

付録
	・アニメは著作権分類上は映画と同じ取扱を受けます。
	・その場合に保護対象となる著作権は以下のものも含まれます。
		原作 音楽 キャラデザイン シナリオ タイトルロゴ
		キメセリフ 俳優の演技(声のみの場合を含む)
		雑誌の記事 新聞の番組覧 etc
	・コンピュータ関連の著作権はアメリカのIBM社が決定権を持っている
	 と考えて差し支えないでしょう。プログラムについて著作権と特許権の
	 どちらに含むかという検討がなされた折り、全体の考えは「特許権で・・」
	 となっていたにもかかわらずIB,社のツルの一声で著作権になって
	 しまったという過去経緯があります。
	・著作権に関しては権利を主張する側が有利な為、なんでもかんでも
	 権利を主張してきますのでご注意下さい。

						HIROKI-O(MAP2860)

PS.過去に私の個人的な解釈でみなさんにご迷惑をおかけしました事を
   つつしんでお詫びいたします。

   ご感想をお待しております。