#28 Article 684 Posted at 2000/07/30 09:32:05 by giji (MAP2218) [KODOMO]

Subject: Re: 第8回キンダー・フィルム・フェスティバル /683

こどもの城で行われたデジタルアニメーションの解説に行ってきました。

出演は木船徳光・江面久の2名。この手の企画では常連です。
参加者は40人余り。まだ座席には余裕がありました。

前半は木船さんがTV「女神候補生」を題材に3Dの話。
メインはLight Wave、カメラマップを使う時に3D Studio MAXを使用。
製作期間の短いTV作品なのでセル・背景・3Dを同時には使わず、
1カットには2つ以内にして短い工程で製作できるようにしたとのこと。
セルと3Dを合成する時は背景も3Dにする工夫を。
2Dアニメータの原画を基に3D作画をするが、原画の出来が悪いと
仕上がった3Dが原画とかなりずれてしまったり、監督が「原画は気に
しなくていいです」と言うこともあったとか。
基本的には原画がキーフレームとなるものの、動きの大きなカットで
原画枚数が多い場合、キーは間引いた方が滑らかな動きになるという
例としてOPの女神像の回り込みを紹介。
ちなみに、OPのタイトル文字の輪郭がキラキラしているのはテスト時に
アンチエイリアスをしなかったのがかえって成功したのだそうな。

2体の女神が手を組み合うカット(8話だったかな)を素材として解説
していたのですが、手がぶつかる瞬間行き過ぎて手がめり込んでいる
絵が1枚入っているのですね。これの説明で
「『わんぱく王子の大蛇退治』のスサノオが竜に噛みつかれそうになり
 ながら逃げるカットは、噛みつかれている絵をわざと1枚入れて
 それらしく見せたと大塚康生さんが言っていた」
という先日の川崎市市民ミュージアムでの話を紹介していました。
デジタル化してもアニメータの工夫は生きているということで。

映画「BLOOD」の予告編とパイロット映像を挟んで、後半は江面さんが
エフェクトに関する解説。
「BLOOD」では絵コンテから原画に入る前にPhotoshopによるイメージ
ボードを作成し、作画後にこのレイヤーを生かしてAfter Effectで画面を
作る、という方法を取っているため、セルの色指定や背景はイメージボード
を頼りに後のエフェクトを考慮しながら色を決めなければならないので
結構難しかった、とのこと。
また、このレイヤーで使うブラシやパーティクルなどの効果素材はあらかじめ
作り溜めておきバンクにしておくのが便利と。
After Effectでエフェクトを自動化できるものの、画面動や光の加減などは
結構手作業を入れてデジタル臭さを抑えたりしたとか。

3D作画ではマッピング用の素材を背景スタッフに発注するが、3D側と
しては各パーツごとに展開図の素材を描いてほしいものの背景側はそういう
ものは描きにくいので苦労したとか、3Dと2D背景の質感の統一が難しく
当初2D背景で処理する予定だった静止画カットが同じ絵の3D素材がある
ために3Dのカットになることもあった、という話が木船さんから出ました。

「BLOOD」では使わなかったものの、効果の大きなプラグインは便利
だがプラグイン設計者の色が強く出るので他のエフェクトも組み合わせて
スタッフの色を出したい、という話にはアニメータの意地が見え隠れ。

この人達の話を聞く機会はこれまで何度もありますが、細かい解説は
聞くたびに少しずつ理解が進みます。

                それを役に立てられれば…  giji