#28 Article 606 Posted at 1997/08/04 07:45:24 by giji (MAP2218) [SEMINAR]
Subject: Re:*4 セミナー「デジタル&アニメーション1997」 /605 ... /602 /658(#101)
セミナー最終回は 「デジタル・アニメーション制作の実際」 というタイトルで、PlayStationゲーム「攻殻機動隊」オープニングアニメの スタッフがその場でMacintoshを操作しながら、それぞれの仕事について紹介 しました。 最初は背景の木下和宏さんが、当日朝に描いてきたというBOOK付きの背景の 下描きをPainterの水彩画で彩色しながらの解説。スキャナを使わず最初から 直接コンピュータ上で描く絵は、スキャン後の色補正やゴミ取りが不要で BOOKやマスクの処理が簡単というだけでなく、絵の具の乾きを気にせず作業 できるのも利点だというのは言われて気付きました。 ただ、色の探し方がポスターカラーで色を作るのとは違うため慣れるまで 戸惑うこと、今のところ溝引きを使ったテクニックに相当するツールがない のが不便だという話でした。 次は海鉾重信さんが、InfosphereのCM(C|NET枠内で放映中)を題材に Photoshopを使った色指定を、攻殻で使った方法としてRETASやAfterEffectなど によるエフェクトの連続処理を解説しました。色指定では、光源の違いや水中 の場合などに生ずる色替えが、セル絵の具では1色ずつ指定しなければならない のがコンピュータ上では色相・彩度・影のコントラストなどの変化をマスクで 作れば良いので一括処理できるのが利点。エフェクトは、透過光など今までの 処理に近い効果を得るためにはいろいろ工夫が必要なようで、その試行錯誤が 効を奏することもあれば、ついやりすぎてしまうこともあるそうで。 やりやすいエフェクトの例としては、フラッシュした画面を1コマ挿入するとき 白コマの代わりにカラーバランスを調整した絵を使うのがかっこよいとか。 江面久さんは、ディジタルアニメーションにおけるイメージボードの目的に ついての解説。打ち合わせでの意思の疎通の手助け程度であったボードを、 作業がコンピュータ上で行われる場合、完成品を意識して質感まで作り込む ことによって色やエフェクトのデータをそのまま実作業で再利用できるように すれば、ボードのイメージが明確に作品に反映するのだそうで。 例えばPhotoshopでレイヤー構造まで考えてボードを作り、そのデータを利用 してAfterEffectで実作業を行うという感じです。 ただし、このように後のコンピュータ処理が判っている場合、アニメーターは それを想定した上での作画が要求される訳で、その辺りをきちんと理解して おく必要があるようです。 最後に、木船徳光さんがLightwaveによる3Dの作成の様子を紹介しました。 攻殻ではアニメーターのラフ原画を基に3Dの背景動画を作成、それをプリント アウトしアニメーターに返してセル動画の作画に使ってもらう、という手順に なっていたそうです。 3Dソフトによる動画作成でのポイントは、わざと動きに溜めやガタつきを 加えて‘アニメ’らしさを出すことのようです。手仕事の味というやつね。 やはり、私が参加した4回のセミナーでは今回が一番の盛況でした。 とは言ってもまだ空席がありましたが。せっかくの面白い話だっただけに もったいないことです。 9月上旬発売予定のビデオ 「MAKING OF GAME 攻殻機動隊 ~デジタルアニメーションのすべて~」 (発売元:講談社 制作:プロダクションI.G 税込2,000円) を見ると今回の話の一端がつかめると思います。 こういう話を聞くと作品を作りたくなる(気がするだけ) giji