#28 Article 305 Posted at 1994/08/06 12:42:59 by giji (MAP2218) [SEMINAR]

Subject: Re: セミナー「アニメーションの現場」 /301

さて、第2回目は立体を平面的に、また平面を立体的に撮影する話です。

・やまむら浩二
まずは「カロとピヨブプト」3本のフィルム上映。やっぱりフィルムは綺麗だわ。
細部までよく見えるので、より立体感があります。
この作品は世界各地の映画祭で上映されているようですね。

前半は素材についてでした。
「カロ~」「パクシ」では複数の素材を同時に使っているので、その辺りの話です。
特に丁寧に説明されていたのがキャラクターの頭部。
随分手の込んだ作り方をしています。

「カロ~」
粘土→(スチル撮影(モノクロ))→ネガ→(サイズ調整・プリント)→紙→
 →(カラートーンで彩色)→(切り抜き・セルに貼りつけ)

「パクシ」
粘土→(スチル撮影(モノクロ))→ネガ→(Macintoshに取り込み)→CGデータ→
 →(彩色・サイズ調整・変形)→(Pixel Jet)→紙→(切り抜き・セルに貼りつけ)

カラー撮影ではなく、モノクロ撮影したものに彩色するのは、大きさの感覚をなくす
ためとか。これで実物臭さが消える訳です。この手法は背景でも使用されています。
会場には「パクシ」の絵コンテ・キャラクターデザイン・ネガ・頭部の完成品(紙)
・背景が持ちこまれて、手に取って見ることができました。

後半はマルチプレーン撮影台について。
秋吉スタジオで取材されたビデオが上映されましたが、これが見事な撮影マニュアルに
なっていました。フレーム合わせ・ライティング・露出調整など丁寧に基本事項を
解説してくれました。フィルムと撮影台を使う者にとっては実に参考になります。

最後に「パクシ」のラッシュフィルムと完成品(ビデオ)6本+未公開1本の上映が
ありましたが、ここで解像度に気がついてしまいました。
Pixel Jetのプリントアウトは近づくとはっきりドットが見えるのですが、
ラッシュの16mmフィルムではこれが画面上でも見えてしまうんですね。
しかしこれが完成したビデオでは見えなくなる。さすがですね~。
NTSCの威力を思い知りました。(^_^;)

なお、今回のポイントは、「パクシ」でステッキ持ってダーダリンダン デーダリンと歌う
謎のおじさんにはバルタザールという名前があったことでしょう。

粘土の写真と粘土とセル画をマルチプレーンで撮影して、その上透過光に多重露光、
フィルターも駆使するという手法は、平面のようで立体のような実に不思議な画面を
作り出します。何度見てもこの発想には驚かされるばかりです。
「パクシ」では液体まで撮影していますし。

                      ダーダリンダンドン  giji