#25 Article 842 Posted at 1993/06/29 09:21:04 by ONOGIN (MAP2242) [ANIKENREN]

Subject: Re:*7 アニ研連上映会の感想とか。 /840 ... /833 /832

ぼくは、セラームーンのパロの時はだいたい寝ていました。
	あんなもの見たくない。でも、ああゆうのがやりたいというのは
	よく分かる。昔しだってコナンとか明日のジョーとか作画がだい
	ぶん影響されちゃうことはあったけど、内容は独立した作品を作
	ろうという人が今より多かったように思う。今はファン心理のみ
	で作品をつくろうと思っている人もすくなくはない。それは別に
	悪いことだとは思わないが、何だか話にのれない人は疎外されて
	いるようでイヤな感じでした。
	といっても、前回よりはましだったと、前回を見た人が言ってい
	ました。

	今回の上映会で僕が一番好きなのは、やはり、

>   JACK                     セル   13'00"
>        監督:末吉大祐

	です。はっきりいってこれには打ちのめされました。作品の規模
	を最初から考えた設計の中で充実した内容をもち、重点をキャラ
	クターの心理に絞った作品の作り方は大変好感が持てます。
	作品の短さゆえに、あるいは、作品が必要とする容量の小ささゆ
	えにより丁寧な作りが可能であったこと。それでも、長い年月を
	かけて、より意図に近いものにしていったことが、未完成版のこ
	の作品を見ていたのでよく分かりました。やはり、未完成版の時
	分からなかったカットの繋がりや唐突に感じたキャラクターの表
	情などは、全てのカットが繋がった時点でちゃんと分かる物にな
	っていましたし、前回の上映後におそらく修正された所もあるの
	でしょう。大変しっかりした作品になっています。
	私は、その作品姿勢にまずショックを受けました。自分の作品が
	作画の統一性を最初からあきらめなければ共同作品は不可能とい
	う姿勢のもとで作っていたのに、JACKはそれを完全にクリア
	しているものですから。
	もう一つ、背景の美しさでした。EGの背景をかいた攻撃部隊乙
	くんは、どうしても岩の表現が巧くいっていませんでした。JA
	CKの冒頭の岩の表現は筆舌に尽くしがたい表現であったと思い
	ます。もちろん、最後の地表のBGは前回見た時も息を飲みまし
	たが今回もすばらしかったです。よい背景担当を持てて、よい動
	画担当をもてて、よい撮影、よい編集、そしてそれをまとめるこ
	とができた監督に敬意を示さざるおえません。


	つぎに、

>   星に願いを★                   紙    29'30"
>        監督:奥澤明裕

	この大作です。私にとっては分かりすぎるほどわかったのですが、
	分かりすぎるほど分かるカット表現ゆえに分かろうとしなくなる
	人もいたようです。具体的にいうと、前半での「人」と「少女」
	の対比はくどいとも思われるほどカットを積み重ねています。こ
	れでもか、これでもかと。それに対して、ロボットの暴走の原因
	や少女の片目に関しては全くといっていいほど説明されていませ
	ん。また、窓の外の現実を少女が暴いた後にやってくる「管理者」
	のような「人」の存在関してもあいまいです。彼らもまた感情の
	ない「人」なのか、それとも「彼女」と同じように感情を持って
	いるが、路上で倒れている人を見ても知らんぷりするような「人」
	なのか、非常に気になるところなのに、全く表現されていません。
	しかし、これらのことは表現する必要はないのですが、どうして
	こんなにも気になってしまうかというと、前半の「人」と「少女」
	のあまりに説明的な表現のために、その時点で観客は考えるのを
	止めてしまうからだと思います。
	この作品は何度も見ていくとおそらく前に書いた気になるところ
	も分かってくると思いますが、本編の途中ではただただ洪水のよ
	うに流れる動画の中でフレームのどこに視点を置いてよいかも分
	からず翻弄され、しまいにはボー然と見てしまいます。
	それにしても、すごい作品です。作品世界、多層構造物、いいた
	いことは分かりすぎるほど脳に染み込んでいきます。特に、本当
	の星に近い場所だと思っていた飛行機の飛んでいる空もが実は最
	後に建物の中であったということが分かるというシーンが好きで
	す。
	「彼女」が誰も見たことのない本当の空で、始めてみる星に、
	いったに何を願ったのでしょう・・・


	そして、最後に、

>   葬列                       紙・セル 2'30"
>        監督:金原歌織

	が良かったと思います。これは主に技術面ですごいと思ったので
	すが、いったい何が言いたかったのかは全く分かりませんでした。
	しかし、様々な深読みをさせてくれる作品であります。異界に続
	く路地裏、人は何もかも支配しているという傲慢さから、実は大
	切な事を失ってしまっているのかもしれません。
	なんとなくそんな気がしました。

おのぎん