#210 Article 15068 Posted at 2000/12/30 00:14:24 by 高木志郎アオ (MAP3887) [OVA]

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秋のOVA。

『ドリームハンター麗夢II 聖美神女学園の妖夢』(1986/9/5)サイ・エンタープライズ
 怪物あり、スプラッターあり、学園ドラマあり、アクションあり、美少女の
ヌードあり、巨大ロボットまで登場する、B級エンターテイメントの面白さに
満ちた作品。ロリコンアニメからスタートした奥田誠治の『麗夢』シリーズだ
が、ここに至って普通の(成人指定でない)エンターテイメント作品としての
地位を確立した感がある。

『湘南爆走族 残された走り屋たち』(1986/9/10)少年画報社、東映ビデオ
 吉田聡が「少年キング」に連載したバイク漫画…というより学園コメディの
色彩が強い作品のOVA化。湘南爆走族のメンバー5人の生き様を描いた青春
ドラマ。主人公・江口洋助の声を演じたのは主題歌も歌った元横浜銀蝿の翔で
以前からこの作品のファンだったとか。翔を応援するため元横浜銀蝿リーダー
嵐ヨシユキも“じぇんとる麺”のマスター・茂さん役で出演した。
 作画監督の西城隆詞は「暴走族というので少し不安もありましたが、原作を
読んで安心すると同時にヤル気も出てきました。エッチなシーンもなく、暴力
シーンも、単なる暴力に終わっていないのが魅力です。作画では、原作者の吉
田さんの希望から、ギャグっぽい部分をおさえて、シリアスな面を強調してあ
ります。そのため、原作より人物は多少リアルになってくるので、江口は特に
難しかったですね。表情をどこまでくずしていいのかが、いちばん問題になり
ました。(中略)動画として、仕上がりを期待しているのは、トップの走りの
シーンです。ここは背景動画なんです。動画は、ふつう動きのポイントになる
原画と原画のあいだを、3枚くらいの中割りでつなぐんですか、このシーンは
それの3~4倍の動画を使用しています。原画を担当されたのは亀垣さんです
が、私も最後は徹夜が続いて、頑張りました。」と述べている。

『ルーツ・サーチ 食心物体X』(1986/9/10)ヒロメディア、日本コロムビア
 映画『エイリアン』をパクったSFホラーもののOVAだが、エイリアンが
実は神の使いで人間を裁こうとしている…というテーマの片鱗を見せつつも、
本当にそうなのかどうかの結論は提示されず、しかも主人公2人がエイリアン
を倒したのかどうかもわからない中途半端な終わり方をした。脚本の島田満は
BGMに使用されるスキャットまで担当し、歌手デビューを果たした?

『Magical Emi "SEMISHIGURE"』(1986/9/21)スタジオぴえろ
 テレビシリーズ『魔法のスター マジカルエミ』の後日談ともいうべき作品
で、テレビの名場面を15分にまとめた部分に完全オリジナル新作45分を加えて
作られたOVA。新作部分はビスタサイズになっている。
 この後日談というのは、OVAではおなじみのパターンだ。が、これまでの
後日談ものと違い、子どもの頃の自分を懐かしむように、思い出のアルバムを
成長した主人公・舞が見ているシーンから始まって、当時を振り返るもので、
一応後日談のパターンを押さえつつ舞台はテレビシリーズと同じ時期だった。
つまり、テレビで既に放映した部分をOVAとしてリメイクしたともいえる。
この作品では些細な日常が延々と続き、特に事件は起こらない。同じ時期でも
テレビは事件が起こった時のことを描き、このOVAでは事件が無い時のこと
を描いている。蝉時雨が降る夏の終わりを舞台に舞や将たちの日常がスケッチ
風にとらえられ、キャラクターたちの表情や仕草が魅力的な作品で、その日常
に、いつか舞がエミと別れなければならないだろうという予感が表われている
のである。テレビの最終回でファンは舞がエミと別れたことを知っているが、
本作はその前提に立って舞とエミが一緒だった時のことを振り返って見ており
その意味では後日談そのものともいえよう。

『蒼き流星SPTレイズナーACTIII 刻印2000』(1986/10/21)日本サンライズ
 突然の打ち切りになったため駆け足の内容になってしまったテレビ版最終回
第38話に、未放映となった内容を加えて肉付けした完結編。エイジと宿敵ル・
カインが決着をつけるべく最後の戦いに挑む。
 原作、脚本の伊東恒久は「最初は、全52話で考えていたんですが、途中で47
話になり、最後には38話―それが決まった時には、僕は39話を書いていました
(笑)。ただ、それでも、高橋監督が、頑張って終わらせてくれたし、オリジ
ナルビデオで、フォローできるとは思います。こんな具合で、みんなが苦労し
たわりには、むくわれなかったという感がありますが、作品としての“きざし”
は、見ている人が感じとってくれたのではと思っています。」と述べている。

『湘南爆走族』の権田二毛作のキャラクターが魅力的でした。声優の屋良有作
は『メイプルタウン物語』のグレテルを憎めない悪役に仕立てましたが、ここ
でも“改心する悪役”という、おいしい役を演じてます。
                        21世紀まで、あと2日    高木志郎アオ