#210 Article 14642 Posted at 2000/04/04 07:02:42 by 高木志郎アオ (MAP3887) [TV]

Subject: Re:*10 1972 /14640 .... /14620 /14619

『サンダーマスク』(1972/10/3~NTV)東洋エージェンシー
 手塚治虫の『魔神ガロン』テレビ化企画が、手塚のアシスタントの漫画家で
構成されたひろみプロで結実した番組。第2次怪獣ブームにより独立プロにも
番組制作のチャンスが巡ってきて、特撮怪獣ものに果敢に取り組んだ。
 1万年の眠りから目覚めたサンダ-マスクこと命光一が魔王デカンダの地球
侵略に立ち向かう。合体変身に続く変身方法の新しいバリエーションとして、
最初の変身では等身大だが、いざとなると巨大変身するという“二段変身”の
設定を取り入れた。

『行け!ゴッドマン』(1972/10/5~NTV)東宝企画
 朝の子ども番組『おはよう!こどもショー』の1コーナーで『レッドマン』
につづく路線の第2弾として放映されたアクションシリーズの5分番組。
 ゴッドマンはファイヤーゴッド星からやって来た正義の超人で、地球が危機
になると空から飛んできて、怪獣たちをやっつける。
 製作が『レッドマン』の円谷プロから東宝企画に移り、ガバラ、カメーバ、
ガイラ、ゴロザウルスといった東宝怪獣映画に出演した怪獣たちやオリジナル
の新怪獣が登場した。

『愛の戦士 レインボーマン』(1972/10/6~NET)東宝
 川内康範が、長年暖めていた七変化するヒーローというコンセプトを映像化
した作品。インドの山奥で修行したヤマトタケシがレインボーマンに変身して
日本人皆殺しを企む死ね死ね団と戦う。
 '66年の怪獣ブーム以降、わが国のヒーローの多くは、アメコミのスーパー
ヒーローものを元ネタとするSF設定を取り入れたが、この作品はその設定を
科学ではなく東洋的な考えから取り入れていて、他作品とは随分違った印象を
与えた。主人公の力の源は強化服や改造手術で得た力ではなく、ヨガの修行で
引き出された精神力であり、「あのくたらさんみゃくさんぼだい」などの呪文
は梵語すなわちお経の一節である。ちなみにダイバ・ダッタは釈迦の直弟子で
ありながら師を裏切った悪人とされる人物で、そんなダイバ・ダッタを正義の
聖人に見たててしまうところが川内の反骨精神であろう。

『突撃!ヒューマン!!』(1972/10/7~NTV)モ・ブル
 体操教師の岩城淳一郎(夏夕介)は、ヒューマンに変身して、子どもを狙う
フラッシャー星人と戦う。変身ブーム絶頂期に製作された異色の公開収録形式
のヒーロー番組で、公会堂などで行なわれたステージショーの中継録画という
スタイルで放映された。
 主人公を変身させるアイテムとして、ヒューマンサインという、会場に来た
子どもたちが指で回す紙製の円盤を設定して、子どもたちがヒューマンサイン
をくるくる回転させながら「ヒューマ~ン!」と声援を送ると変身できること
にして舞台の持つナマの共時性と双方向性を生かした。この約束事は児童誌と
のタイアップや視聴者プレゼントなどで結構話題となって、子どもたちの間に
ヒューマンサインは浸透したが、なにしろ裏番組が裏番組だったので試行錯誤
の中から完成形が導かれる前に、全13回で惜しくも番組は終了した。
 1972年秋の土曜日の関東地方のテレビ番組
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|  |[4]日本テレビ |[6]TBSテレビ  |[8]フジテレビ  |[10]NETテレビ |東京[12]チャンネル
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|19|00  おんぶお|00  ど根性ガ|00  快傑ライ|00  ストライ|00  キックボ|
|時|  ばけ      |  エル      |  オン丸    |  クボウル  |  クシング  |
|  |30  突撃!ヒ|30  お笑い頭|30クイズグランプリ30  仮面ライ|            |
|  |  ューマン  |  の体操    |45 スター千一夜|  ダー      |56スポーツフラッシュ|
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|20|00  全日本プ|00 8時だヨ!|00  二人の素|00  人造人間|00  まいどバ|
|時|  ロレス    |  全員集合  |  浪人      |  キカイダー|  カバカ寄席|
|  |            |            |            |30デビルマン|            |
|  |55 ニューススポット|55 フラッシュニュース|55 待ッテマシタ! |56 [N]ANN|56  スター  |
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 デザインの成田亨は「『ヒューマン』は『ウルトラセブン』よりも、もちろ
んずっと気に入っています。『ヒューマン』は宇宙人というわけじゃないと思
ったんです、僕は。要するに超人間。超人っていうんですか。そういう人間で
いいんじゃないかなと思いました。だから、多少人間的になったでしょう。『
ヒューマン』には『ウルトラマン』と共通する要素はあります。『ウルトラマ
ン』的にしてくれといったような注文を受けたことはありませんが……。体は
やっぱりウェットスーツ。胸にステンレスの、鎧みたいのを着ています。鎧と
いうのは、もっと人間的だと思ったからです。それと、特撮映画なら、小さな
ミニチュアを前へ置いて撮ると、巨大化した効果が出せるし、他にもいろいろ
効果が使えるけど、舞台の上に人間が服着て立つと、所詮、服着て立ってるだ
けなんです。舞台で超人らしく見せるためには、『ウルトラマン』みたいにウ
ェットスーツだけじゃだめなんです。特に、光らないといけないと思いました。
それで、光る材料を使うことにしました。」と述べている。

『アイアンキング』(1972/10/8~TBS)宣弘社
 宣弘社が『シルバー仮面ジャイアント』から半年の制作期間をおいて、日曜
夜7時TBSで再開した特撮巨大スーパーヒーロー番組。『ウルトラQ』以前
一世を風靡した忍者番組『隠密剣士』の現代版リメイクを怪獣番組で行なった
もので、旅をする国家警備機構の2人の秘密隊員の行く手に日本転覆を企てる
悪の組織が次々と立ちはだかる。鞭、ロープ剣に変わる武器アイアンベルトを
駆使して戦うニヒルな静玄太郎(石橋正次)を助け、三枚目の霧島五郎(浜田
光男)はアイアンキングに変身する。
 日本政府転覆を謀る“不知火族”は縄文時代の日本の先住民族で、渡来した
騎馬民族に武力で征服された復讐のために巨大ロボットで暴れるのだが、彼ら
の宿敵“大和政権”とは天皇制のことである。また革命集団“独立幻野党”は
ロボット怪獣を鋼鉄の同志と呼び山荘をアジトに転々と移動、アラブゲリラの
ようなターバンを巻いているなど左翼過激派のように見える。脚本の佐々木守
は当時、反体制運動の一員だったが『アイアンキング』は主人公が不知火族や
独立幻野党などの反体制集団を滅ぼすために戦う物語だった。
 佐々木は「たしかに逆なんだけれど、テレビじゃ反体制の側を主人公にはで
きないよ。そんな企画書いても通らないし。ただ“不知火一族”にしても“独
立幻野党”にしても、この日本に、国家体制に断固として逆らいつづける人た
ちがいっぱいいたほうがいいでしょう(笑)。断固として国家と戦う人々の姿
を書きたかった。自己満足かもしれないけど、誰かがその気持ちをわかるだろ
う、ってね。大和朝廷とか騎馬民族とか、番組を見ていた子どもたちがあとに
なって歴史の授業のときに『ああ、そんなことがあったっけ』と思い出してく
れればって。」と語っている。

 第2次怪獣ブーム、変身ブームに乗って、多くのヒーローが登場しました。
 円谷や東映作品に比べるとマイナーだけど、それぞれ独特の味わいがあって
好感が持てます。私はレインボーマンの泥臭さが好みです。
                        21世紀まで、あと272日   高木志郎アオ