#210 Article 14504 Posted at 2000/01/24 07:10:23 by 高木志郎アオ (MAP3887) [ATOM]
Subject: Re:*26 20世紀 /14503 ........ /14463 /14452
東映動画で『西遊記』製作に参加した手塚治虫は、このような劇場用の長編
アニメーションはディズニーの真似ではないかという抵抗感をもったという。
のちに手塚は次のように述べている。「アニメーションは本来からいうと誰
でもつくれるもんではないかと思うんです。ところがこれだけの枚数と、これ
だけの規模と、これだけのお金がかかって、やっとこういうものができるんだ
ぞという見本みたいなものをディズニーはつくってしまって、それが一つの先
入観ていうか既成事実になってしまったために、それからのアニメーションは
みんなディズニーのまねをして、ものすごくお金をかけて、時間をかけて、人
数をたくさん集めてつくらなければアニメーションじゃないというような風潮
になってしまった。東映もそのてつを踏んでるわけです。確かにできあがった
ものはよく動いとります。確かにマンガ映画という感じはするんですけど、私
自身はアニメーションというのは本来素人が機会さえあればつくれるもんじゃ
ないかという気がしてました。もっとアニメーションの枚数を減らして、動き
を簡単にしても、やはりアニメーションはできるんじゃないかというんで、徹
底的にディズニーを忘れ去って簡単に作る方法を探ろうとして、そして虫プロ
ダクションというものをつくったんです。」
手塚治虫は1961年に手塚動画プロを発足させた。東映が大泉なので富士見台
に自宅兼スタジオを作ってスタッフを集め、アニメーション映画の製作を開始
し、『ある街角の物語』(1962/11/5公開)という38分の作品を完成した。
次は何か売れるものを、ということで作られたのが『鉄腕アトム』である。
それと前後して“動画の虫”の集まりを意味する虫プロダクションという名
ができた。
『鉄腕アトム』(1963/1/1~フジ)虫プロ
日本で生まれた本格的テレビアニメ、アトムは子どもたちの圧倒的な支持を
受けて、平均27%の好視聴率をあげ、最高視聴率40.3%を記録した。
おとぎプロが『インスタント・ヒストリー』(1961/5/1~フジ)という1分間
の短いアニメを作ったことがあったので、『鉄腕アトム』を日本最初のテレビ
アニメシリーズだというのは厳密に言えば間違いだが、当時の常識では絶対に
不可能だとされていた毎週30分もののアニメを手がけた手塚と虫プロスタッフ
のパイオニア精神は素晴らしく、日本のテレビアニメ番組の原点は、功罪とも
『鉄腕アトム』にあると言ってよいだろう。
アトムは『Astro Boy』というタイトルでアメリカ3大ネットワークの一つ
NBCで放映された。当時アメリカでは10分単位程度のお笑いものをまとめて
やるのが普通で、30分間ドラマというのは珍しくて話題になり、好評を得た。
私は、アトムは、確かに見てた記憶があります。といっても明治のマーブル
チョコに入ってたシールとか光文社のカッパコミクスとかキャラクター商品の
印象が強くて、肝心のアニメはあんまり覚えてないんですけど…(汗)。
手塚治虫先生の功罪については、#201ボードでも話題になったし、ここでは
省きますが手塚先生が“アニメは誰でも作れる”という道を切り拓いてくれた
ことはすごく嬉しいです。ディズニーアニメを大好きな手塚先生がディズニー
と方向性が反対のアニメを作ったのは面白いですね。まぁ、テレビアニメ版の
『ハーメルンのバイオリン弾き』や同人アニメ『園児戦隊ヨーチェンジャー』
のような“動かないアニメ”が良いとは思わないけど…。
21世紀まで、あと343日 高木志郎アオ