#20 Article 2588 Posted at 1994/02/01 05:32:19 by KYOGO (MAP2034) [KYOURYUU]

Subject: Re: Re: Re: またいつか 恐竜惑星 /2587 /2584 /2580

恐竜惑星全体についても、少し書きたいことがあります。

終わってみれば、恐竜惑星は、長大なファースト・コンタクト・テーマの要素を
持っていた作品だった、と思います。
哺乳人類とはまったく異なる感覚を持つ、恐竜人類・ギラグールとのコンタクト。
(もちろんこの場合、フォロルの視点は哺乳人類側ね)

最初は言葉も通じず、行動からも味方か敵か判断できない、というところから始まり、
言葉の解析・意志の疎通、共に行動することによる、感覚の違いの確認、
そして敵対。歴史的な敵対関係による絶望的な対立。戦い。
しかし味方の中にも敵があり、敵の中にも味方があり、
最後には、共通の目的の前には、力をあわせることも可能、ということが示されます。
それもべったり馴れ合うのではなく、心を完全には許さない、無愛想なままでも
ちゃんとやるべきことはやってくれる、という形で。
心の触れ合い、などを言い出す大甘な映画等などより、はるかに力づよく。

そして、恐竜惑星のテーマを一身に背負っていたようなキャラクター、ハル。
「おまえの身体、水っぽい。いやだ」をはじめとする彼の数々の言葉は、
哺乳人類とはまったく違う感覚、違う価値観(しかし統一はとれている)を
新鮮な驚きとともに示しつづけてくれました。

今も忘れられないのは、第1部の終盤でハルの言った、このセリフです。

「地球は決して生命の母なる星などではない」

通常の常識とはまったく正反対のセリフ、でも恐竜惑星の話の流れの中では、
それは素直に受け入れられる説得力を持っていました。

自分の生まれ育った環境の常識、価値観を鵜呑みにするのではなく、
まったく違う価値観に触れても、それを理解していく・・それがコンタクトの第1歩。
恐竜惑星を見た子供達の心の中に、こういう感覚が、ほんの少しでも
芽生えてくれたのではないかしら、と私はうれしく期待しているのです。

                                KYOGO