#194 Article 3011 Posted at 1996/04/23 15:38:29 by なまけ大臣 (MAP6524) [EVA.DATA]

Subject: エヴァ資料

えー、僕の意見はだらだら逃げながら打っていこうと思っております
ので(^^;)。今のところ、一応皆さん意外と知らない人も多かもしれな
い、庵野監督に関する1つの資料(前書き込みと重複する部分もありま
すが、)を提供してみたいと思います。
 僕は意外と、これが重要なんじゃないかと思うのですが、みなさんは
どう思われますか?いろんな意見、感想を聞かして下さい。


 出典:角川書店 角川コミックス エース
 1995年9月1日発行 「新世紀エヴァンゲリオン」/貞本義行
 第1巻 巻末掲載文 

 我々は何を作ろうとしているのか?
 -連続アニメーション『新世紀エヴァンゲリオン』が、スタートする前に-
 (全文転記)

 時は、2015年。
 過半数の人間が15年前に死んでしまった世界。
 コンビニの棚が埋まるくらいまでの、奇跡的な復興を遂げ、
 生産、流通、消費、経済がもどっている世界。
 その光景を見慣れたものとし、閉じた終息を当たり前の事としている人々の
 住む世界。
 次世代を担うべき子供の数が減少している世界。
 日本では壊滅した旧東京を切り捨て、長野県に遷都。第2新東京市を建設、
 そして、その街へはわけのわからない『使徒』と呼称される物体が、襲来
 する世界。
 これが『新世紀 エヴァンゲリオン』のおおまかな世界観です。
 悲観的なビジョンで彩られている世界観です。
 あえて、楽観的な気分を排除した舞台から、物語をスタートさせました。
 そこにいる14歳の少年は、他人との接触をこわがっています。
 その行為を無駄だとし、自分を理解してもらおうという努力を放棄し、
 閉じた世界で生きようとしています。
 父親に捨てられたと感じたことから、自分はいらない人間なんだと一方的
 に思い込み、
 かといって自殺もできない、臆病な少年です。
 そこにいる29歳の女性は、他人との接触を可能な限り軽くしています。
 表層的なつきあいの中に逃げることで、自分を守って来ています。
 二人とも、傷つくことが極端にこわいのです。
 二人とも、いわゆる、物語の主人公としては積極さに欠け、不適当だと思
 われます。
 だが、あえて彼らを主人公としました。
 「生きて行くことは、変化していくことだ」と云われます。
 私はこの物語が終局を迎えた時、世界も、彼らも、変わっていてほしい、
 という願いを込めて、
 この作品を始めました。
 それが、私の正直な『気分』だったからです。
 『新世紀 エヴァンゲリオン』には、4年間壊れたまま何もできなかった
 自分の、
 全てが込められています。
 4年間逃げ出したまま、ただ死んでいないだけだった自分が、ただひとつ 
 『逃げちゃダメだ』
 の思いから再び始めた作品です。
 自分の気分というものをフィルムに定着させてみたい、と感じ、考えた作
 品です。
 それが、無謀で傲慢で困難な行為だとは知っています。
 だが、目指したのです。
 結果はわかりません。
 まだ、自分の中でこの物語は終息していないからです。
 シンジ、ミサト、レイがどうなるのか、どこへいくのか、わかりません。
 スタッフの思いがどこへいくのか、まだわからないからです。
 無責任だとは、感じます。
 だがしかし、我々と作品世界のシンクロを目指した以上、当たり前のこと
 なのです。
 『それすらも模造である』
 というリスクを背負ってでも、今はこの方法論で作るしかないのです。
 私たちの『オリジナル』は、その場所にしかないのですから・・・・・・

          1995 7/17 雨とくもりの日に スタジオにて

P.S.
 ところで、
 シンジという名は友人から、ミサトという名は、好きなマンガ
 の主人公から、
 リツコという名は中学時代の友人から、それぞれ拝借しました。
 関係ない様に見える名前も、実は幾つかのルールの中で決めら
 れています。
 お暇な方は調べてみるのも、一興かと。


                         脚本・監督 庵野秀明


*画面の都合上、一部本誌掲載文とは違う位置にて行替えをしています。
 御了承下さい。

*2 上記2コのキャンセルは、同内容文にて誤植が見つかりましたので、
 修正文をUL後、キャンセルさせて頂きました。すみません(^^;)2カイモヤッタノカ。
                         :(MAP6524)なまけ大臣