#19 Article 1570 Posted at 1993/05/24 03:16:56 by W.M. (MAP009) [MICHAEL]

Subject: Re:*4 聖ミカエラ学園漂流記 /1567 ... /1557 /1553

LDで発売された、「聖ミカエラ学園漂流記」完全版(上・下巻)の影響で、
原作の「高取 英戯曲集『聖ミカエラ学園漂流記』」と小説版の「聖ミカエ
ラ学園漂流記」を買ってしまいました。

 まず、私は戯曲というものを読んだことがありません。そのためか、戯曲
集の方に入っている「聖ミカエラ学園漂流記」を読んでみて、ほとんどまっ
たく理解できませんでした。前後のつながりがないかのような言葉が次々と
並べられていて、どれが何の象徴であるのか、それとも戯曲上の定石的な表
現方法であるのか、どう解釈すればよいのかわからなかったのです。戯曲と
いうのは文字を使っていても、小説などとはまったく異なるメディアなので
すね。

 あとがきを読んで、少しは、作者は何を表現したかったのか、わかったよ
うな気がしました。ちょっと引用します。

  自註・あとがきより

| 『聖ミカエラ学園漂流記』は、演劇舎螳螂のために書いたものである。そ
| のために僕は、実際の女子高生を20人集めることを条件とした。この作品
| が、<校内暴力から神殺しに至る女生徒たちの叛乱>として描かれたから
| である。

  …(中略)…

|  偏差値社会の学園からも、ディスコ女子中学生、暴走族の女子高生たち、
| 堕天使たちは追放されている。
|  ならば、僕たちは、堕天使による天使への叛逆を描いてみせよう。

 小説版のほうは、さすがに戯曲のほうよりは、わかりやすいのですが、そ
れでもまだまだ難解でした。神林長平の「太陽の汗」や安部公房の作品を連
想してしまいました(う~む、国語力がない…)。ちなみにこの小説版は、
雑誌 Hey Buddy!に連載されていたそうです。マンガ版は、この小説版に非
常に近いものとなっています。

  レビィアさんの #19 article No.1567より

> 確かにストーリー展開は、ほぼ原作どうりであるが 肝心な部分がアニメ「
> 聖ミカエラ学園漂流記」からはあまり感じとることができないような気がする。

 私はアニメーション版を先に観てしまったわけですが、同じように感じま
した。アニメーション版は、原作(主に小説版)の舞台設定とストーリィを
使って、別の話を描いているようです。原作のテーマではなく、閉鎖的な学
園での猟奇的・SF的・アダルトビデオ的な事件を描いている作品になってい
ます(「黒猫館」とどこか似たところがあるな…と感じたのは、これが理由
かな?)。

>  上巻で美内陽子は「第九」をうたっていた、前は「青い山脈」だったが...
> 差し替えたのはなぜだろぉ...

 これも、「閉鎖的な学園での猟奇的・SF的・アダルトビデオ的な事件」に
はそちらのほうが適している、と判断したからかもしれませんね。原作でも
「青い山脈」を歌っているのですが(ミサ後でも「青い山脈」)、これは管
理教育に対する「不純異性交遊」に関するものとして表されているようです
から(それとも単に著作権関係?青い山脈を知らない人が増えたから?)。

 だからと言って私は、アニメーション版「聖ミカエラ学園漂流記」を、
「原作のテーマをすり替えた、つまらない作品だ」とは思いません。猟奇的
な事件を描いたものとして、良くできていると思います。たとえば、ミサの
後のあの状況で、生徒全員が「歓喜の歌」を整然と合唱するというのも、私
にとっては心に来るシーンの一つでした。また、旅芸人の娘の眼のシーンも、
アニメーションならではの表現と、気に入ってます。

 ただ、原作は女子高生に演じてもらうことを目的として書かれたものであ
るのに対し、アニメーション版はどうも女子高生向けとは言えませんね。

 長くなってしまいました。読んでくださった方、ありがとうございます。

                        MAP009 / W.M. (ダブレムと発音してください)

P.S.  小説版の第十二章(天草四郎と会う章)を読んで、心がだいぶ落ちつ
  きました。