#148 Article 24682 Posted at 1996/04/13 22:40:51 by 魚皮 (MAP4289) [JIDAIGEKI]

Subject: 最近某所ではやりの時代劇小説より・・

ここはとあるお屋敷の一室。何やら悪巧みを練っている人たちがいるようです。

廻船問屋の伊勢屋「勘定奉行様には常々ご贔屓にしていただきましてありがとうござ
        います。これはほんの気持ちですが、どうかお納め下さいまし。」

 (奉行が伊勢屋の出した菓子箱の箱をそっと開ける。そこには赤ずきんの格好
 をした饅頭が収まっている。奉行はその饅頭の中の一つを割ってみる。すると、
 中からはこしあんならぬ山吹色のモノが油の光を浴びてキラっと光る。)

お奉行「これは伊勢屋、たいそう旨そうなお菓子よのぉ。ところで、この赤ずきんの
   格好をしているのは何じゃ?」

伊勢屋「これは、これはお奉行様、お目が高い。それは最近菓子問屋の河馬屋が出し
   た江戸で今一番売れているお菓子だそうで。そこで、早速私目もお奉行様に・
   ・と思いましてこうやって参上した次第であります。」

お奉行「そうだったのか。しかし、河馬屋の饅頭にこの山吹色のものは入っていない
   のではないのか、伊勢屋(^_^)」

伊勢屋「お奉行様もお人が悪い。これは私目からのほんの気持ちでございます。」

お奉行「まあ、ここはいつも世話になっている伊勢屋のからの気持ちだ。ありがたく
   収めておくぞ」

伊勢屋「ありがとうございます。ところでお奉行様、最近この江戸で一躍有名になっ
   たマジカルプリンセスなるおなごをご存じですか?」

お奉行「なにナースエンジェルか」

伊勢屋「お奉行様もおふざけを。ナースエンジェルではなくマジカルプリンセスです。
   まあどちらも我々の敵みたいなものですが・・。」

お奉行「そのナースエンジェルもといマジカルプリンセスと我らと一体どういう関係
   があるというのだ?」

伊勢屋「そのナースエンジェル・・・じゃないマジカルプリンセスが手前どもとお奉
   行との関係について何やら聞き回っているという話がございまして」

お奉行「まさか伊勢屋、おまえのところから漏れたのではなかろうな。」

伊勢屋「とんでもございません。お奉行との関係を知っているのは手前どもでは手前
   と大番頭のそうげす、それに手代のしいねだけでございます。」

お奉行「まて、伊勢屋。その手代のしいねというのはこのわしは知らんぞ」

伊勢屋「しいねはここ数カ月前に手前どもに奉公に来たもの。出所はしっかりしてお
   りますし、なにより手前どもの奉公人の中では一番の働き者。何をやらせても
   放っておけるくらいに仕事をしてくれます。」

お奉行「しかし、そんな若造に我らの関係を教えるとは伊勢屋、そちも落ちたな」

伊勢屋「それでは手代のしいねにはそろそろ消えてもらいますか」

お奉行「そうだな。手早くやれよ。そろそろわしも若年寄への昇進がかかっておるか
   らな」

伊勢屋「若年寄になられましても引き続き伊勢屋をお忘れなきよう」

お奉行「分かっておる。伊勢屋にはこれからもやっかいになるからな。

二人「はははははっ」

 (と、このとき庭先でカサカサっと音がする)

伊勢屋「何者?」(と、障子をばっと勢いよく開ける)

マジカルプリンセス(以下「MP」という。)「あなたたちの今の話とくと聞いたわ
                     よ」

お奉行「おまえ、一体何者だ」

伊勢屋「もしや・・」

MP「愛と勇気と希望の名の下に、この世の悪を成敗するマジカルプリンセスよ。
  さぁ、もう逃げられないわよ。」

お奉行「何を申すか。出あえ、出あえ。曲者が我が屋敷に入っているぞ」

 (お奉行のかけ声で、配下の者がどやどやと出てくる)

お奉行「マジカルプリンセスと称する不逞の輩、成敗してくれるわ。皆ども切ってし
   まえ」

部下「はっ」

 (配下の武士が次々と刀を抜く)

MP「しょうがないわ。みんな切り捨てるわよ」

お奉行「やってしまえ」

 (ここでBGMスタート(おいおい)。お馴染みの切り合いのシーンです。こ
 の場面については皆さんのご想像にお任せします。まあ一部の方が期待してい
 るカットももしかしてあるかもしれません(ほんとか?))

 (残ったのは廻船問屋の伊勢屋と勘定奉行ただ2人だけ。あとの部下はみんな
 マジカルプリンセスの手で切られてしまったようです。)

お奉行「伊勢屋、ここでわしへの忠義を見せろ」

伊勢屋「何を申しますか、お奉行様。私目には武器などありませんぞ。そうか、お奉
   行はこの私目をマジカルプリンセスと戦わしている間に逃げるおつもりですな」

お奉行「何を言うか。早くしろ」

伊勢屋「そうですか・・・。マジカルプリンセスとやら、この伊勢屋はここにいる勘
   定奉行にそそのかされて・・。」

MP「そんな嘘を言ってもダメよ。あなたのところにいた手代のしいねというのはわ
  たしのお友達なの。しいねちゃんからあなたの悪事はみんな聞いているのよ」
  
伊勢屋「やはりそうだったのか。こうなれば・・。」

 (と言って懐から短筒を取り出す)

伊勢屋「はははっ、マジカルプリンセス。この南蛮渡来の短筒にはかなうまい。おと
   なしくするんだ」

MP「そんなもの恐くないわよ」

 (と言った矢先、その身軽な身体をしならせて伊勢屋の手にあった短筒をはね
 とばし、手に持ったウィングクリスで伊勢屋を切り捨てる)

お奉行「こうなれば・・」

 (果敢にもマジカルプリンセスに挑むが老体と少女では勝ち目があるわけがな
 い。あっけなく切り捨てられてしまう)

MP「またいいことしちゃった(^_^)」(それちょっと違うぞ(^^;)


(注:この物語に登場する人物、団体は実在のものとは一切関係ありません。したがっ
て、スポンサー以外の方からのクレームは一切お断りします。)

             ただの通りすがりの時代劇ふぁん
             魚皮 ID:MAP4289[Mapletown]/from Mitaka-City,Tokyo
P.S.
 次はナースエンジェルですかねぇ。
P.S.2
 オマケ・・

 隠密同心心得の錠

  我が命我がものと思わず
  武門の技あくまで影にて
  己の器量を付し御下命如何にしても果たすべし
  なお死して屍拾う者なし
  死して屍拾う者なし