#148 Article 22825 Posted at 1995/11/09 22:39:02 by サメくん (MAP5059) [JOHAN]

Subject: 希望のしらべ・・・

「希望のしらべ(その6)」

 希望のしらべが、国中に響き渡っていく。
 ジョアンがつまびくホーリーバードの竪琴が、彼女の愛と勇気と希望の想いをしらべ
に変えて、王城のテラスから流れていく。
「おおっ!!」
 ジョアン1世を遠巻きにしていた大臣達が、感嘆の声を上げた。
 そう、あれほど荒れ果てていた自然が、ホーリーバードの音色に触れたとたん、鮮烈
なまでの瑞々しさを取り戻していくのだ。
「やったな、ふぇるみ」
 ヒューリが、ふぇるみの細い肩に手を置いた。
「でも、ホーリーバードは使い手次第なんだ。ジョアンみたいな心の持ち主が弾くなら
いいけど、もし、“魔”に連なる者が弾いたら、この世界は、それこそ魔界になっちゃ
うよ」
「わかってる。だが、人々の心を救済しない限り、未来は無かったんだ」
 ヒューリの表情も険しい。
「ありがとう、ふぇるみくん。貴方の力が無ければ、ホーリーバードに生命を吹き込む
ことはできなかったわ」
 竪琴を優しく奏でながら、ジョアンがふぇるみに微笑んだ。
 ふぇるみは、ぽりぽりっと頭をかく。
「諦めちゃいけないって、じいちゃんが言ってたからね。頑張れたんだ。じゃあ、僕は
これくらいで行くよ」
「やっぱり、行くのか」
 ヒューリの言葉に、ふぇるみは明るく笑いながらヒューリを振り仰ぐ。
「バードシールドの奥義は、ちゃんと後世につたえなきゃね。それに、僕。もっともっ
と、この世界の事、見ておきたいんだ。自分の目で」
「いってらっしゃい」
 微笑むジョアンとヒューリに別れを告げ、ふぇるみは王城を後にした。
 のちに、ホーリーバードは『王家の印』として、王城にて厳重に補完される事になっ
たという。

 世界は、救われた……。
 ふぇるみは、この後、バードシールドの奥義を託すに相応しい者を見い出し、また、
ジョアン達のもとに帰ってきたと伝えられている。

                                                  (おしまい)

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 以上です。
 長文にて失礼しました。
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    SSHU局 情報調査部 歴史探求分析課 課長 鮫 神平少佐こと、サメくん