#148 Article 21843 Posted at 1995/10/03 12:30:12 by DELTA (MAP5804) [STORY]

Subject: Re: Re: しいねちゃんとチャチャの初体験 /21842 /21693

これで最後。思ってたより長くなっちった。

    魔法の国は今日も晴れ。当然、上空も澄み渡っています。しかし既に日は西に傾き、
  空気が薄い事も手伝って東の空に一番星がまたたき始めています。
   やっこちゃんはもう何度も超音速に挑戦しましたが、その度に衝撃波の壁に阻まれ
  て失敗に終わっています。何が足りないのでしょう?
  「気合ね。セラヴィ様に教わった事は全てやり尽くしたわ。あたしの力がしいねちゃん
  やチャチャに劣るとも思えないし。後は…疑念を捨てて自らに賭けるのみ!」
   今でも気合充分に見えますが…これ以上どうやって?
  「できれば…これだけは使いたくなかったわ…」
   懐から小瓶を取り出すやっこちゃん。
  「やっこ印の魔法の薬、"キアイマキシマムAL"ぅ~!」
   や…やっこちゃん、それってまさか"危ないクスリ"なんじゃ…?
  「心配無用!ただのアルコールよ」
   ホッ、良かった。(あまり良くないケド)
  「純度97%のね」 …え…え~っ!?スピリタス..
   きゅぽん、と栓を抜き一気に流し込みます。危うくむせかかるほど熱い液体が喉を下
  り、胃をとろかします。
  「…ふーっ。…来てる、来てるわ…来るぞ、来るぞ…来た来た来たあああぁぁぁ!!
           気  合  い  っ  ぱ  あ  あ  ぁ  ぁ  つ  !!」

   どおおおぉぉぉん!

   こちらは地上。セラヴィは水晶玉を覗いています。
  「ほお、やっこちゃんやりましたね」
  「セラヴィの教えかたが良かったのよね」
  「はっはっはっ、そういう事になりますねぇ。でもやっこちゃんにも相当の才能が有っ
  たからやれたんです。音速の壁は甘いものではありません」
  「次はチャチャね。何ヵ月かかるかしら?」
  「そうですね。今日中に音速の壁を経験していればオンの字でしょう」
  「王族だから素質は有るのに…集中力が無いのよねぇ。蓄膿症かしら?」
  「それにしても、そろそろごはん時なのに戻って来ませんねえ。どこを飛んでるんでし
  ょうか?水晶玉で探してみましょう」
  「領空侵犯してなきゃいいけど。あ、いたわ。しいねちゃんと一緒ね。あ、あらぁ!?」
  「そんな馬鹿な!まだ要素魔法しか教えていないのに!」
   やっと気付いたか。すでに3時間ほどチャチャは超音速で飛び回っていたのですが。
  「あらら~」
  「しいねちゃんの教えかたが良かったのかしら?」

  「…やった、飛んでる、超音速で飛んでるわ!セラヴィ様~見てますか~?やっこは、
  やっこはとうとうやりましたわ!うふ、うふふふふっ、お~ほほ~のほ~~っ」
   アルコールが回ったのか、やっこちゃん多幸状態です。嬉しさのあまり連続ロールな
  んかやったりしてます。酔うよ。もう酔ってるけど。
  「ああ、また一歩セラヴィ様の領域に近づいたのね。きっとチャチャはまだ亜音速にも
  達してないわ。やがてセラヴィ様はあたしの才能に気付いて一番妹子に…そして可愛
  いい恋人になってゴールインするのぉ!」
   そ…それ以外の人生設計してないの?
  「当然じゃない。さあ、やっこ!野望の星に向かって飛ぶのよ!あの赤い星に…って何
  であの星近づいて来るのよ~!!」
   強烈な衝撃音とともに、何かがやっこちゃんの側を通過します。同時に襲って来た衝
  撃波で、やっこちゃんとほうきはあらぬ方向にはじき飛ばされます。気塊バリヤで体
  とほうきは無事でしたが、スピン状態に陥り制御不能、超音速のまま降下していきま
  す。やっと立て直して水平飛行に戻ったやっこちゃん、酔いは吹き飛び脈拍200以上、
  歯をガチガチいわせて震えています。
  「び…びっくりしたぁ!!」

  「"しいねちゃ~ん!そろそろ帰ろ。おなかすいたよ"か。そうだな、ぼくも帰って食事の
  支度しないと。お師匠様ほっとくとカップラーメンで済まそうとするからなぁ」
   チャチャとしいねちゃん、スケッチブックにマジック書きでの筆談でコミュニケー
  ションを取っています。声が通じないという事がいいかげんチャチャにも判ってきた
  みたいですね。
  「"そうですね、ぼくもそろそろ…"あれ?バッテンで消してある。何かしら?"チャチャ
  さん前!前!"??前がどうかしたの?」
   慌てた顔のしいねちゃんが指差す方を見ると、芥子粒くらいの黒い点が見る見る大
  きくなっていきます。高マッハの相対速度で何者かがチャチャの側を通過。チャチャ
  はやっこちゃんが起こした後方乱流の中に突入してしまいます。
  「お゙わ゙~っ!ほうきが暴れるううぅぅ!!」
   樫の木で出来てる筈のほうきが、柳のようにしなります。
  「チャチャさん、PIO(パイロットに起因する制御発振)です!ほうきに任せて!」
   聞こえる筈ないのを忘れて叫ぶしいねちゃん。願い虚しくほうきは強度の限界を超
  え、ついに破砕してしまいます。
  「きゃ~神様仏様セラヴィ先生お父さんお母さんお爺ちゃんごめんなさいこんなこと
  もうしませんからたすけて~~!」
  「バリヤを広げて!空気抵抗で減速して下さい!体を縮めてたら重力で加速して…だめ
  だ、追いつけない…チャチャさ~ん!」

  「落ちてくるのはチャチャかしら?自分で止められないみたいね」
  「しかた有りませんねぇ、えいっ!」
                                                      /
                               「バンッ!」           /
                                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄�P\
                                   ~~~~~~~~~~~~
                                     \_      ____/
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                                        /
                      「ばふっ!」      /
                       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄�P\
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                        /
             「ぽふっ」 @%=
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              \_______/

  「…ほえほえ~~」
  クッション3個でようやく止まり、チャチャは目を回しています。

   翌日。バナナ組の教室でラスカル先生が笞を振り回しています。
  「…という訳で、超音速飛行は校則で禁止だあああぁぁ!!(バシイイィィ!!)」
   魔法使い三人組はいっせいにブーイング。しかし笞の一閃でおとなしくなります。
  しばらくこらえていたやっこちゃん、ゆうべの涙の事もあってついに爆発します。
  「チャチャ~!あんたさえ…あんたさえいなけりゃ~~!!」
   見事に関節をキメられたチャチャ、必死にロープに逃れようとします。しいねちゃん
  とリーヤが止めに入ろうとしますがやっこちゃんの気迫に押されてすごすごと引き
  返します。

  「…よかった、いつもの…いつものバナナ組だね」ニコッ
   お鈴ちゃん、それってちょっとズレてる…

                     これにて終劇 おそまつ

   MAP5804 チャチャの本領は巨大動物さん召喚にあると思う DELTA_WAVE

P.S  結局、音速の壁というのは心理的壁だったわけですね。しいねちゃんはマイナスの
    感情をキィとして、やっこちゃんはアルコールで理性によるセーブを取り払ってい
    った、という事です。チャチャには元から有りませんが。