#139 Article 80 Posted at 1993/05/27 06:20:01 by KYOGO (MAP2034) []

Subject: Re:*16 アニメーションとは何ぞや(^^;) /79 ...... /13 /11

せっかくですから、私が学生時代にやった仮現運動の実験というのが、
どんなものだったか、ちょっと書いておきましょう。
(そうすれば、SAWA さんの引用した「仮現運動の成立条件」に
 なんであんなことが書いてあるのか、わかりやすいと思いますので)

まず、まっくらな装置の中に、2つの光源(A・Bとします)を用意しておきます。
その装置を片目あるいは両目でのぞきこみます。
で、Aを数十ミリ秒間光らせ、数十ミリ秒の間隔をおいて、Bを数十ミリ秒
光らせます。
(実際には光源はずっと光っていて、シャッターつきの板で光をさえぎっておき、
 数十ミリ秒間シャッターを開く、という風にやります)
つまりAがほんのちょっと光って消え、ほんのちょっと間をあけて、
Bがほんのちょっと光って消えるわけです。
それで、光がA→Bと、すーっと動いたように見えれば仮現運動が起こった、
ということになります。
AやBの光らせる時間をうまく調整していくと、最初は2つの光が別々に
光ったように見えていたものが、ある間隔になると本当に動いているようにしか
見えなくなる、というところまでもっていくことができます。

それでうまく行くと、今度は、A・Bの光の明るさを強くしたら/弱くしたら、
とか、AとBの距離を離してみたら/近づけてみたら、とか、
いろいろやってみるわけですね。

実際、光の強さや距離などによって、どれくらいの時間間隔でいちばん
きれいに動いているように見えるかというのは、ずいぶん変わります。

さて、「c 刺激の明るさと性質」の「性質」の方というのは、
たとえば上の実験では、片方の光を赤い光、片方を青い光にしても
動いて見えるか、とか、片方の光を丸いシャッター、片方を四角のシャッターに
したらどうか、というようなことになると思います。
うまくいけば、光の色が/形が、動きながら変化したように見えるでしょう。
(と、いいつつこういう実験はしなかったような気がします(^_^;))

実際のアニメーションの場合、この実験のように、ただ光が動いてみえれば
いいというものでなく、意味を持った画像が全体的に動きを形作るわけですから、
実はこの「性質」が、他の要素より圧倒的に重要なものになるのではないでしょうか。
自然な動きとして認識しやすいような変化(ゲシュタルト心理学でいう
「よい連続、または滑らかな経過」)の場合は、多少他の条件が悪くても
人間は動いているとして認識するでしょうし、不自然な変化の場合は、
かなり条件をうまく調節しないと、動いてるとは認識しないでしょう。
このへんは詳しく検討していくときりがないですが・・・

アニメーションを作る人というのは、このへんのノウハウを実験でなく、
経験的に把握しているわけですよね。
すごい技術だなあ、と、つくづく思います。

                                 KYOGO