#139 Article 149 Posted at 1993/12/06 01:02:33 by TOSHI (MAP2425) [MEDIA]

Subject: Re:*33 リトルツインズ /147 .......... /686(#15) /685(#15)

いや、久しぶりです、このボード。
  とっくに飽きてらっしゃるかもしれませんが、もう少しだけ。

  人は自分の見方しか語れないし、そこには多かれ少なかれ恣意性しかないこ
  となど、初めから自明のことではありませんか。それがわかってらっしゃる
  からこそ、ISAMさんは「客観的」や「建設的」なふりをせず、常に自分
  のことしか語らないのだと思っていたのに、議論に恣意性があるなどと、今
  さら、鬼の首でもとったようにおっしゃるなんて……。

  ま、それはともかく。

  「感動」を「狭い意味」だの「広い意味」だと勝手に解釈なさっていたのは、
  御自分であるにも関わらず、だから「感動」はだめなんだ、となさる論法は
  おかしいのではありませんか。むしろ問題にすべきなのは、解釈を変えねば
  ならない、ISAMさんの「感動」への屈折した態度でしょう。

  実際のところ、ISAMさんは「面白さ」について、わざわざ限定をつけて、
  広くとらねばならないわけでしょう。とすれば、「面白さ」なるものもまた、
  ISAMさんの論法を用いれば、だめなのではないでしょうか?

  広い意味での「感動」に対しては、全体主義への感動も含むではないか、と
  指摘なさることで、批判になっているおつもりのようですが、その批判は、
  そっくりそのまま「面白さ」なるものにも当てはまります。「ベトコンを機
  銃で追い回すのが面白かった」と語る米兵など何人もいたのですよ。
  もちろん、これには反論もおありのことでしょう。でも、その反論はまた、
  「感動」にも当てはまるはずです。

  僕があくまで「面白さ」という言葉に抵抗を覚えるのは、その言葉を錦の御
  旗にして、ハリウッド映画がそれ以外の映画を駆逐しようとする歴史があり、
  「面白ければそれでいいのだ」という言葉の下で、数多く空疎なものを作り
  出してきたTVアニメの歴史があるからです。
  この場合の「面白さ」という言葉は、もちろん、ISAMさんのおっしゃる
  広義の「面白さ」と完全に一致するわけではありません。ただ、「面白さ」
  という言葉には、それだけの危険があるのではないでしょうか。少なくとも、
  「面白さ」という言葉で人々が共有できる感覚は、案外狭いものだと思うの
  です(「感動」だって狭いでしょ、って話はなしよ)。

  「ミラクル★ガールズ」が変わったのは、作品が初めから矛盾を抱えていた
  からではないし、「ブラジル」のラストが改変されたのも、製作費をオーバ
  ーしたからではないのです。

  そもそも、「ミラクル★ガールズ」第1話も「2001年」も理解しえない
  とするかのようなISAMさんの態度は、とても、広い意味での面白さを採
  る立場とは思えません。それはむしろ、自らの理解が及ばないものを面白く
  ないとして切り捨てる、ハリウッド的な面白さの論法によほど近いでしょう。

  だからなのです。
  いったい、ISAMさんのおっしゃる「面白さ」とは何なのか。「面白さ」
  のみを倫理観の基準にできるとする、その優位性を保障するものは何なのか。

  だいたい、アニメを語る言葉にも関わらず、このぐらいの悪は構わないと、
  すぐ破られてしまうような倫理観とは、いったい何なのでしょう。
  「たかがアニメ」にすら通用しない倫理とは?
  「面白さ」に優位性などないことを自ら明らかにされている言葉だとしか、
  僕には思えません。
    TOSHI