#13 Article 10868 Posted at 1996/06/10 23:15:20 by 鈴丸 (MAP5408) [DTP]

Subject: Re:*5 美しいDTP印刷を目差せ (Re: 印刷業者のアミカケ) /10865 .... /5197(#210) /4802(#210)

#13 Art 10864 において As氏
  同  Art 10865 において ジキル氏

  のお二人が、スキャナー&プリンターについて書かれているので、私は印
  刷の方を担当したいと思います。(Asさん、ジキルさん勉強になりました。
  有り難うございます)

  大体の話が見えてきた(つもりでいる)ので、入稿される迄の段階で重要
  なことをいくつか。
  どうやら、まちばりさん言われるにはは、入稿される原稿が「網点で出力
  されたもの」であるということで、自分の考えていたのとは違いました。
  オフセットで印刷をされる場合、入稿された原稿はフィルムに直され、そ
  のフィルムを刷版に焼き付け、印刷機で廻すわけです。

  原稿
  ↓
  ・製版カメラ撮り焼き付け
  ↓
  フィルム
  ↓
  ・PS版へ焼き付け
  ↓
  刷版
  ↓
  ・PS版にインクが乗りやっと、本当の印刷
  ↓
  紙面へ

  3段階の工程を経て原稿画像は大量に複製されるわけです。
  この3段階の間にどれだけ画像が歪むかが問題です。

  各焼き付けに於いて、フィルムの厚みという物理的限界から(極僅かでは
  ありますが)光の回り込みがあり、画像の輪郭が、ホンのすこぉ~しずつ
  ですが、ぼけてきます。

  光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光光
  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
  �「�「 �「�「�「�「 �「�「�「�「�「 �「�「 �「�「�「�「�「フィルム(又は原稿)
  �「�「 �「�「�「�「 �「�「�「�「�「 �「�「 �「�「�「�「�「フィルム
                                          (光学的な間隔)
  �」�」  �」�」�」  �」�」�」�」  �」�」  �」�」�」�」�」PS版感光層(又はフィルム膜面)
  �」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」�」PS版(又はフィルム)

  いくら綺麗に原稿をあげたとしても、この(くそ忌々しい)「光の回り込
  み」によって、ぼけるわけです。
  さらに、印刷機に於いては、PS版に水を敷き、油性属性をもつインキと
  水との反作用で、インキをPS版からブランケットと呼ばれるゴムローラー
  に移し替え、その次ぎに紙面に移し替えます。この時には水とインキの表
  面張力、そして移し替える度に、歪みが生じます。

  ↓インク&水
  ○←版胴(PS版。非画像部は親水性で、画像部のみにインキが乗る)
  ●←ゴム胴(ブランケットシリンダ。画像部のインキだけを移し替える)
  �「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「�「←紙
  ◎←圧胴(インプレッションシリンダ。紙をゴム胴に押しつける)

  同じぼけるとすれば、元の原稿が荒ければ、初めからぼけているので、ボ
  ケにボケが倍加されます。
  活字の文字は写植の物が一番綺麗とすれば、その後は
  ・LBP
  ・熱転写
  ・バブルジェット
  となります。手書きは論外。画像として考えた方が良いでしょう。
  さて、問題の画像部のアミカケについても同じことが言えます。
  プリンターから出力された画像はパソコン上では網点として処理されてい
  るわけですから手書きの原稿よりも荒い状態でフィルムへ焼き付けがされ
  るということになります。いかにアウトラインだ何だとしたところでトナー
  の吹き付けですから、ペン入れした原稿の方が良いに決まってます。
  しかし、手書きでは得られない効果(トーンがいらないとか)などがある
  わけです。
  そこで、出力した原稿をぼかさないには、「くっきりとした網点で出力す
  る」のが適切です。
  網点がくっきりするにも条件は多々あるのですが「線数を落とす」のは効
  果的であることは確かです。細かい網点はそれだけ隣の点との距離が狭い
  ので「回り込み」によって消えたりくっついたりしてしまいます。100
  線を限界と考え80線辺りが適当なのではないでしょうか。
  次ぎに効果的なのは「網点を30~80%の間を使う」でしょう。うっす
  らとした美しい効果を出すのに0~2%0の網点はどうしても必要ですが、
  やはり「回り込み」によって消えてしまう可能性が高いです。逆に80%
  を越えるとつぶれるものも出てきます。90%なんてベタと同じ様な物で
  す。
  原稿としてプリントアウトされる紙の質も重要になります。同じ紙に出力
  されるとすれば上質よりもコート、アート系が良いです。上質系はどうし
  てもインキ、トナーを吸い込む性質なので僅かながら、画像部周囲への歪
  みが生じます。コート、アート系ならばその点は大丈夫ですが、乾きが悪
  いので、人為的ミス(こすってしまう等)に注意が必要です。
  以上が「版下がパソコンからの出力だった場合」ですが、せっかくパソコ
  ンを使っているのですから、紙面に出力せず、直にポジフィルムに出力す
  るのがより良いのではないかと思います。#13 A10865 でジキル氏の言われ
  る「フルDTP」ですね。
  ポジでなくとも、印画紙出力してくれるところもあります。この場合、写
  植原稿とほぼ同じ扱いが出来るので自分のプリンターで出力するよりはずっ
  と良いです。
  使用しているパソコン、使用しているソフト、線数、色数、ページ数等を
  ハッキリとした上で、出力センターを当たってみてはいかがでしょうか。

  以上で、原理と工程、疑問点についてお答えしたつもりでありますが、不
  足部分は箇所を指定していただければまた勉強してお答えしたいです。
 正直いって、ここ数日間で、改めて印刷の勉強をしなおし、多いにプラス
 になりました。皆さんの疑問は私の疑問でもありますので、これからもよ
 ろしくお願いします。

  そういえば、見積もり依頼って来てないな。


                                          拙いながらも印刷屋の、鈴丸。