#12 Article 6330 Posted at 1989/10/22 03:56:18 by TOM-CAT (MAP1395) []

Subject: オンラインノベルズ 2

えっと  その1ではラミー宅にねこが迷い込むまでを描いたのですが、どうだったでしょうか。
  高校時代アニメ部で自作映画のシナリオを書いていたのですが、いやー久しぶりにかくと肩こっちゃいました。でも、楽しいのですよこれが。
  みなさんも書いて見ませんか?。自分の物語をつくるのっていいものですよ。
  それでは、第1話迷い猫  その2をどうぞ。

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          オンラインオリジナルノベルズ
                -RAMIE-
            第1話  迷い猫    その2

    フルルルル・・・
  波長の高い不思議な音をたてて、エアーバイクが滑るように走る。クラフトとか、スクーターとかいわれるこれが、ラミーの愛車である。
  「ちょっと、ラジアンおとなしくしなさいって」。
  昨夜迷い込んだねこに、勝手にラジアンという名前をつけたラミー。
  ニャーン
  「にゃーんじゃなくて、おとなしくしなさい!運転しずらいじゃぁないの」。
  前につけた買い物かごのなかで、ダイコンやカボチャと一緒に押し込まれ、ラジアンはもがいていた。
  「まったく・・・あたしは、おねえちゃんのごはん作るためにティンクルから出て来たんじゃあないのに、なんでよー。ちょっと聞いてるの?」。
  ラジアンは迷惑そうな顔でラミーを見あげた。
  ウニャー
  「あんた他にしゃべれないの?」。
  ニニャン?
  「あんたじゃあ話し相手にならんか、やっぱし」。
    ラミーのエアーバイクの後ろをゆっくりとつけて来ていた黒塗りの車が、少しづつ速度をあげだした。
  「やっぱりね。ラジアン、スピードあげるわよ」。
  スロットルをいっぱいにふかし、バイパスを少し開ける。エアーバイクは、地上50センチのところを時速100キロで滑空する。
    エアーバイクは外見からスクーターと呼ばれているが、エンジンはジェットエンジンを使用している。
  コンプレッサーにより吸い込まれた空気は内部で燃料と混合され、それをプラグで点火させる。その結果凄まじい勢いでガスとなった空気は、バイク下部の噴出口から出ていく。これがジェットエンジンの原理である。
  このガスを超冷却装置で40゜Cまで温度を下げ、バイパス弁で制御することにより滑空するのである。
    グイィィン
  タービンが高速回転し、ジェット機のような音をたてる。
    「ちょっとしつこいんじゃぁない?」。
  黒塗りの車はラミーをしつこく追う。
  ウニャニャー
  ラジアンが買い物かごのなかで、ダイコンやカボチャに埋もれながら騒ぐ。
  スパパパ・・・
  銃弾がエアーバイクにあたり、ラミーはバランスを崩す。
  停止したエアーバイクの横に黒塗りの車は静かに停車した。
  「ずいぶん荒っぽいナンパね」。
  車の中から黒いスーツを着た2人の男が出て来た。手にはライフルを持っている。その後から白衣を着た学者ふうの中年男が姿を現した。
  「その猫をこちらに渡してくれないか」。
  「なぜ?」。
  「理由はいえない」。
  「冗談!理由もわからずにあたしのかわいいラジアンを渡せるわけないでしょう?」。
  「じゃあしかたない」。
  学者ふうの中年男が後ろの黒スーツに手で合図した。黒スーツが銃を構える。と、同時にラミーはバイパスとスロットルを全開にした。
  グワーァン
  エアーバイクは一気に3メートル上昇した。
  「バイバイ」。
  ラミーはふいをつかれて慌てている男たちを後に、ビルの谷間へと入り込んだ。
  「ふー、なんとか助かったわ。でもこのラジアンってなんなのよー」。
  ラジアンは素知らぬ顔をして、買い物かごのなかでダイコンやカボチャと格闘していた。
    夕日が沈もうとしていた。家ではエミリーが騒いでいた。
  「ラミーのバカー、あたしのお昼ごはんどうなっちゃったのよ」。

                                ・・・つづく

                  TOM-CAT(MAP1395)