#119 Article 7423 Posted at 1996/01/09 22:58:47 by CUT (MAP2343) [MOVIE]

Subject: Re: Re: Re: セーラー9戦士集結! ブラック・ドリーム・ホールの奇跡 /7412 /7404 /7402

はじめまして#119ボードのみなさん。

今、公開されている劇場版セーラームーンSuperS。
この映画には一般映画館で上映される子ども向け作品ではこれまで
に例がなかったという、字幕付き上映があります。
新聞(95年12月26日読売)によると、字幕は声優が台本と違う台詞を
アドリブで話している点を修正したり、画面の速度に合わせて台詞
を要約したりした作業を行ったもので、字幕だけで約百万円の制作
費がかかったとのこと。

興味本意ながら、その字幕付き上映を丸の内東映で見てきました。
というわけでそのレポートです。
本編の内容を書いた部分があり、また長文なので注意してください。


最初の印象は字幕が読みずらいということ。
洋画とかの字幕もそうだけど、ただの白文字で書かれています。
また、字幕は未就学の子どもにも理解できるようにという配慮から、
ひらがなとカタカナが中心。そのため漢字の雰囲気で読むことが出
来ず、全ての文字を読み取らなければならない。1文字でも読み取
りにくい文字があると、文全体を理解することが出来ずとても辛い。
特にアニメの場合、背景が白いところは本当に白なので、ただの白
文字は全然読めない。
字幕には是非、影(コントラスト)を付けて欲しかったですね。


映画の字幕は、その映画のリズムを殺さないように長い台詞などが、
意味が同じ短い言葉に書き換えられている。
この書き換えには(おそらくこれまでの洋画字幕等の経験から)割り
と法則らしきものがある。たとえば、台詞の主語は省略される場合
が多い。長い単語も、「ブラック・ドリーム・ホール」は一度呼ば
れた後は「ホール」と省略読みされていた。

そして語尾が簡素化される。「~だわ」などは「~だ」などに置き
換えられる。これはかなり辛い。これによりキャラクターの台詞に
よる個性が無くなってしまっているのだ。
登場人物たちは非常に個性的で、一言の台詞でも大概誰が喋ったか
わかってしまう。その個性が無くなってしまっているのは辛い。
また、気になった置き換えとして、「そんなことはさせない!」と
いう台詞が「やめて!」になっていた。おそらく洋画の翻訳などで
はよく行われる置き換えなのだろうけど、これもまたキャラクター
の意志が伝わらない、まずい置き換えだと思う。しかも、シーンと
合ってしまっているため書き換えに気付かない。

また、「おそいぞ」「うるさい」というやり取りが、「おそい」
「こら」となっているのは、そうしたかったのも分からなくもない
が、台詞そのままでもよかったのではないだろうか?
そんなに長い台詞でもないし。


さて、この上映を見る(おそらく聴覚に障害を持つ)方々は字幕を読
める訳だから、普通に見ることはできるはず。つまり原作のコミッ
クは読んでいると思われる。つまり彼ら彼女らは、この映画によっ
てコミックにないリズム/アクションを体験することになる。

この映画には、セーラー戦士たちの必殺技のシーンがあるが、あの
必殺技を叫ぶリズムは独特なものがある。たとえば、ムーンティア
ラ・アクションは、・に間がある。
これが字幕では、ムーンティアラアクションと1度に表示されてし
まっている。他のセーラー戦士たちの必殺技も同様で、技の名前が
1度最初に表示される。

字幕だけを見た場合、あのリズムを掴むことが出来ない。せっかく
のリズムが伝えられる良い機会なので、これにはもうひと工夫欲し
かった(タイミングよく表示するとかね)。


さらに今回の映画は音楽が非常に印象的に使われている。
これに字幕を付けようというのは、かなり辛かったと思うが歌の部
分は♪が最初にある字幕が表示されていた。
気になったのは、連れ去られる子どもたちを追って行くと、「笛の
音が聞こえる」と言うシーン。しかし、字幕からその笛の音を読み
取ることが出来ない。誰も喋ってないシーンで、♪だけを表示する
等の配慮があっても良かったのではないだろうか?

逆に、ちびうさが連れ去られるシーンでは、背景で子どもたちが歌
を歌っている。確かに歌が聞こえてはいるのだが、セーラームーン
が涙を浮かべているシーンに、歌の字幕が表示されてしまっている。
これは表示させない方が良かったとのではないだろうか?
船が去っていくシーンのみで歌の字幕を表示しても十分不気味さは
伝わると思うし、また船に乗っている子どもたちが歌っているのだ
なという状況も分かりやすいと思うのだが。
実際、歌の歌詞だけだと誰が歌っているのかわかりずらいし、歌詞
が読み取れないほど短い時間だけ表示されても、歌を歌いながら連
れ去られたという状況が伝われば良いのでは、と思う。


見ていて辛かったのは、やはりキャラクターの個性がなくなってし
まっているところだろう。その姿や行動に、言葉使いも重要な個性
なので、無理な台詞の置き換えは行わないで欲しかった。
それに、単純な弊害として複数人いるシーンで字幕が表示されると
誰の台詞かがわからないのではないだろうか?
また、セーラームーンに限って言えば、台詞を喋っている人物毎に
色を変えた字幕にしたりすればよかったと思う。あの色もまた個性
だろう。今の字幕の方法では出来ないだろうけど・・・。



この字幕付き上映を行った(しかも採算性を無視して)というのは、
とても良いことだと思う。ぜひこれからも続けて欲しい。


					by(MAP2343)CUT

ちなみに私自身は、別に障害はもってはいません。
映画は音楽や台詞聞きながら字幕を見てました。
他の2作も字幕付きでした。亜美ちゃんの変身シーンでは、字幕付
きのギャグのようで(方程式が字幕で表示される)面白かったです。

なお、この字幕付き上映は東京では、丸の内東映で16日まで毎週
火曜日に行われます(つまり、あと来週のみ)。