#119 Article 7271 Posted at 1995/10/30 20:09:29 by L.A.KID (MAP5695) [USSM]

Subject: Re: Re: [US SAILOR MOON] #030 "A Crystal Clear Destiny" /7269 /7264

In article <7269@maple.bbs119> MAP4600@mapletown.or.jp (Elcaset) writes:

>   確かに、原版の日本人的情緒にひしひしと訴えるようなノリは、あるていど
>  敬遠されるのでは、と予想していましたが、真っ向から否定されたような感じ
>  ですね。

アメリカの批評家の中にも、「アメリカの子供向け番組にはドラマティッ
クなものがあってはならない。なぜなら子供が鬱病にかかってしまうか
らだ。」と皮肉混じりに言う人がいます。

>   この調子で行くと、第一期ラストのセーラー戦士たちの散華シーンは、全面
>  カットか、単に怪我しただけ、のように編集されるかのどちらかになるような
>  気がしました。

実はカナダで先行放送されているので、どういうふうにされるのかもう
分かっています。実際にこの目で見てから批評するつもりですが。

>   L.A.KIDさんのレポートを読んでいる限りでは、米国での「少女向け」番組に
>  関しては、一定のレギュレーションがあるみたいですね。

アメリカの子供向け番組の検閲基準は、主に repeatability に重点が
置かれています。つまり、それを見て子供が真似をするか否か。アメリ
カでは、子供は見たものを何も考えずに真似しようとするもの、と考え
られているからです。したがって、子供が登場人物、とくに自分自身を
投射することができるキャラクターが、子供に再現できる程度の危険な
ことや、反社会的、反道徳的なことをすると、検閲の対象になるわけで
す。

典型的なアメコミを思い浮かべて見て下さい、いかに、非現実的なもの
が多いか。登場人物と言えば、非現実的なキャラクター(宇宙人、超人、
怪物、ロボット、擬人化された動物、ミュータントなど)が大半。普通
の人間ばかりが登場するものにしたって、わざとリアルさを欠いた作画
スタイルをとることが多いでしょう?そして、悪者は骨の随まで悪い、
心のかけらも無い奴らで、ヒーローは絶対に過ったことをしない。

せらむんのように、(変身したり魔法を使ったりはしても)登場人物がリ
アルに描かれた人間で、舞台はご近所、主人公は(浅田美代子じゃない
が)お隣のお姉さんですよ、みたいなものは少ないんです。子供がより
自分自身を主人公に投射しやすくなり、真似しやすくなるから。もしな
にか主人公が何か好ましくないことをしたら、子供がそれに影響されて
しまう、と考えられているから。

アメコミにだって暴力シーンがたくさんあるのに、せらむんがさんざん
編集を強いられている(厳密言えば製作者側の自主規制ですが)のは、こ
ういったところに理由があるのです。ミュータントが銃をぶっぱなして
たくさんの人間を殺すシーンがカットされなくても、うさぎが海野をど
つくシーンはカットされる、というわけです。

>   変なことを言えば、逆に米国で制作された子供向けアニメが日本に輸入され
>  た時、日本人のセンスに合わせて吹き替えや多少の編集が行われますが、それ
>  を当の米国の制作者側が見ると、「何だこりゃ」と思ってしまうようなことを
>  知らずのうちにやってしまっているのかも知れませんね。

それは、なくはないでしょう。でも「意図的に」変えちゃうことってそ
んなにないんじゃない?アメリカ人は、マジで、「何か自分たちなりの
工夫をしなくては」みたいな使命感にかられてしまうんです。

>   う~ん。しかし。
>   でも、面白いですね。これはぜひとも日本語スーパー入りで見てみたいです
>  ね。米国版セーラームーン。実際に見ると、無理矢理セーラームーンをパワー
>  レンジャー風に仕立てた、パロディみたいなフィルムに感じたりして。

そのうち出るんじゃないですか?「せらむんと いっしょに えいごの 
おべんきょう」みたいな感じで。英語は小さいうちに耳から憶えた方が
よい、と宣伝文句を唱えば、結構いけるかも。

--
L.A.KID