#119 Article 5379 Posted at 1994/05/26 05:37:30 by 輪違聡司 (MAP3135) [SMOON]

Subject: Re:*36 セーラームーン原作漫画5,6巻 /5368 ........... /3176(#70) /3171(#70)

>	ここなんですけど、「女の子」は「理想」や「使命感」をもっては
>	いけないのか。もちろん、わちがいさんのおっしゃるとおり、

 もちろん、いけないことはないです。
 というか、戦いを行っている以上、それはあってしかるべきでしょう。

 問題なのは、「何故に理想や使命感を持つか」と言うこと。
 理想を掲げるからには、その先には当然、目標や目的がある。
 この手の戦闘物では「世界平和を守る」なんてお題目がよく見られますが、それは
何のためか。
 お題目が「目的」なのか。
 そうではないはずです。その先には「人が死んだり不幸になるのはヤだ」とか、
「平和な生活が送りたい」とか、人によって違いはあろうが、きっと、そういう理由
や目標があるはず。
 理屈じゃなく。
 口にはせずとも。

 セーラームーンという作品の場合、その「戦う理由」というのが、頭で考えた理屈
ではなく、極めて感覚的な、肌で実感される部分から発せられており、そういった部
分のウェイトが高かったと思っているのですよ。
 セーラームーン第一話で月野うさぎが戦った理由は「なるちゃんがピンチだから」
でした。
 基本はそれなんです。目の前で困っている人がいるから。そこからなんです。
 物語が進んでいく中で、使命や理想といったものが出てきました。でもそれは、あ
くまで、後から肉付けされた物に過ぎない。そう思っています。

 もしその優先順位が逆転してしまったら。それが悲劇を招くことは、過去の幾多の
失敗した思想家達の歴史が証明していますが、んな所まで話すると大げさになっちゃ
うのでやめときます(笑)
 いずれにせよ、皮膚感覚を廃しもしくは軽視し、理想や使命と言った「お題目」を
主目的として唱えるキャラクターに魅力は感じないと思います。

 ま、それはともかく。
 理想は必要ですが、それが全面に出すぎるのは「セーラームーンらしくない」とい
うのが私の考え方ですね。
 しかも、それが「カッコだけ」だったりしたら…………

 BM編を一言で言うなら「理想無き主人公と、理想を持つ悪との戦い」という気が
します(私見ですけど)。
 ある意味、セーラー戦士達の戦う目的は「感覚」の一点張りだったと言えます。
 とにかく「ちびうさのいる未来社会」を守ることしか頭になかったわけですから。
 こういう書き方をすると、「なんや、今まで言ってきたことと逆やんけ」と思われ
ちゃうかもしれません(笑)
 でも、これは、深読みしてみれば、の話。
 一番困ってしまうのは、BM編でのセーラー戦士達は、大した理想も持っていない
のに、格好だけは理想を語るようなポーズを取っていたこと。そしてそれが、BM編
における表面上のスタイルを形成してしまっていたのです。
 ……ちょっと言い過ぎかもしれませんが………^^;;

 しかし、それに比べると、「なるちゃんのために」「進悟くんのために」「恋する
おじさんのために(笑)」戦っていた月野うさぎの、なんと生き生きしていたことか。

 出羽さんもおっしゃってますが、TVアニメ「セーラームーン」という作品の特色
は、「理想」や「使命」と言ったお題目を全面に出しすぎず、理屈じゃない、彼女ら
自身の感覚を重視していたことだったと思うのですよ。
 そのあたりの「純粋さ」が一つの魅力であり、理屈にとらわれた大人やヤローには
ない、女の子の「特権」ではないかとさえ思えるのです。セーラームーンは元々そう
いう作品だったのではないかと。

 まぁ、BM編のスタイルが好みだと言う方がおられても、それは否定できないんで
すけどね^^;


                              わちがいそうじ。