#119 Article 5214 Posted at 1994/04/23 05:33:29 by 輪違聡司 (MAP3135) [SMOON]
Subject: Re:*26 セーラームーン原作漫画5,6巻 /5213 ........ /3176(#70) /3171(#70)
でね、ふと思ったの。 原作とアニメは根本的に別の作品ではないか?ということ。 原作における描写の少なさ(日常・人物等)に関して、私、いろいろと言ってきて いましたよね。 で、原作は日常描写が少ない、クライマックス部分ばかりが多くなってしまって いる、残念……みたいな論調だったのですが、実はそれが違うのではないかと思った。 TVと比較して少ない、とか言う論は正確な見方ではない。 原作そのものの、現にある、その有りようで判断せねばならないのでは、という ことを思ったのです。 すなわち、原作せらむんは、「過去よりの宿命を持つ戦士達のドラマ」が主眼では ないのだろうか、ということです。 バトル物を分類する要素として、次の二つを考えてみます。 一つが、主人公が正体を隠している。全くの秘密、ないしは味方の極一部の人間 しか正体を知らない、というパターンの物。 もう一つは、主人公が正体を隠す必要がない、あるいはバレバレ。正体が完全に 公になっているか、少なくとも敵には知られている物ですね。 前者は変身ヒーロー物によくある物ですね。スーパーマンとか。 後者は、聖闘士星矢や幽遊白書などですね。 近年の戦隊物も後者ですね。ライダーとかもそうだし。 で、セーラームーンはどうか。基本は変身物です。 変身物においてよく打ち出されるカタルシス。 それには、「変身前と変身後のギャップ」があります。 一新聞記者のクラーク・ケントが、事有る時にはスーパーマンに変身するような、 ソレです。 これは、「変身」そのものが一つの魅力に置かれているから。 でも、原作せらむんは、そこは全面に出してはいない。 どちらかと言えば、見せ方としては聖闘士星矢的。宿命による戦いを「主」として 行っている。 ページの量的制限で結果的にこうなったのか、あるいは初めからこういう意図 だったのか。それはわかりません。 が、現に存在している、漫画「美少女戦士セーラームーン」は、ある意味では 「変身」そのものは主眼には置いていない。主眼はその後の「戦い」にきている。 だから……原作に関しては、いいんです。それで。 私が原作とTVの間に感じていたギャップは、これでほぼ完全に解消できるん です。予定調和か結果論かはともかく、原作とアニメは、構造や主張が異なる作品で ある、と。 私はTVセーラームーンの姿を中心に頭に浮かべながら話してきた。 今まで、「日常性」に関して主張してきたことは、あくまでTVアニメに関して です。そういうことなんです。 原作は、いわゆる一般日常の中にではなく、戦闘の中に少女漫画的ロマンスを持ち 込み、少女漫画としても成立している作品だと言えると思うのです。 MOSさんのおっしゃった、必ずしも日常を持って表現しなくてはいけないわけでは ない。それは全くその通りです。それに対しては否定はしていませんでした。 よって、原作はそうなのだという結論に、私は達しました。 ……とゆーことは、やはりTVは違う、と言っているわけですね(笑) 原作における少女漫画性は、ベルばら的要素が濃いような気がしています。 一方、アニメの少女漫画性は、ベルばら的要素はあるものの、もっと庶民的な話、 もっと一般的な少女漫画の要素が濃いような気がしているのです。 前のアーティクルで言ったことの繰り返しになりますが、TV「セーラームーン」 は、元々日常をきっちり描写するようにセッティングされている作品じゃないのか。 そう思ってるんです。 で、最も原点の話に戻りますが、R以降、特に第三部BM編では、描かれるべき 日常が、きちんと描写されていなかった……と、そのように思ったわけですよ。 やっぱり、せらむんにおける日常の存在意義は軽視できないものだと私は思うの ですよ。うん。 最後に、ここで改めて私なりの、一つ前のアーティクルで問うたような、せらむん の独自性に対する私なりの考え。 ハニーやシュシュといった「戦う女の子が主人公の物」(面倒くせー言い方^^;) との比較として論旨が進んでいますので、それに則っての言い方。 それはやはり、「少女漫画」性を併存しているという事。 原作では、大河物的ロマンチシズムが主になっており、アニメでは平凡な日常を ベースとした少女漫画としての要素が濃い物である。 私に言わせりゃ、基本が「少女漫画」故、主人公が男の子との交替などは出来ない と思うのですが……どうでしょ。 「少女漫画性は付加価値」的立場で、バトル性の中にこそとその特性を求めていて は、とてもじゃないがせらむんの独自性を見い出すことは出来ないのじゃないか、と 私などは思うのですが……… わちがいそうじ。