#113 Article 55 Posted at 1992/03/24 19:07:57 by 夏のこたつ (MAP2513) []

Subject: 長いけど

>横山氏の漫画も、『原作を無視した腹立たしい』ものなのかも知れない。
いえ、横山氏のコミックはかなり忠実に作ってあると思います。
基本的に、コミックが表現する情報量とかが三国志に合わないのではと考えています。
あれはやはり小説の形態が良いでしょう。でも、コミックの範囲ではかなり上等だと
思います。

ところで、実際劉備たちは初め無頼の徒で、本当は(史実ね)勅使を叩きのめしたのは
張飛だけではなく、玄徳なども一緒だったのです。円熟するのはもっと先のことです。
だから、昔ジャンプであった「天地を喰らう」などは結構気に入ってました。
あれこそラストまでやって欲しかった。

三国志自体が史実と離れているので、多少違ってもいいでしょう。
長くなりますが、南蛮征伐の時のことを下に書いておきます。出典は 陳 舜臣 氏作
小説 「十八史略」 第4巻です。これの方がまだしも史実に近いと思いますが。
文章は私が要約したので、格調高くありません。(^_^;)
高い所が原文と思って下さい。

=======================================

当時呉は交州(今のベトナム付近)の士しょう(漢字が出ない)を配下にしていた。
配下といっても、乱世の常でどこかに所属しなければならないだけで、実質的には
半独立であった。呉がbフ士しょうを通じて南蛮の擾乱工作をしていたのである。

さて、南蛮にも頭の切れる人物がいた。その男は、もともと豪勇の士として知られて
いたが、武勇の名に知謀が隠されたのにすぎない。

---士しょうごときに踊らされていてはつまらない。
その人物は、世の動きをみつめてそう考えた。彼の名は孟獲である。
蜀がその気になれば交州などひとたまりもない。また、どちらかというとここは蜀の
本拠に近い。いずれ南下してくるだろう。呉も交州も頼みにならない。ではどうすれば
いいか。解答は簡単である。再び蜀に服属すればよいのだ。
 しかし、西南夷(南蛮)の人達は士しょうの煽動で、”蜀何するものぞ”と意気軒昂
たるものがあった。すでに諸部族を説いて蜀に下るのは困難と見えた。

そこで孟獲は決心に成都に赴き丞相諸葛孔明に会見を申し入れた。

「降りたいが、今の状況ではそれもできない。各部族ともそそのかされ、蜀の力を
みくびっておる。蜀への投降を言い出そうものなら、臆病者扱いされてしまう。」
「では、どうすればよいのか?」
「蜀に圧勝してもらわねばならぬ。蜀の強盛なことを頑固者たちに否応なしに認めさせ
ねばうまくいきませぬ。蜀に実力以上の力を発揮していただきたいのです。」
「そうですか」孔明はうなずいた。
「では、作戦の打ち合わせをいたそうか。」
孔明は孟獲の秘密来訪の目的を正確に読み取っていた。八百長の申し入れなのだ。
いずれ蜀は南征の軍をおこす。その時、完敗しなければ、諸部族の首長は蜀につくこと
をいさぎよしとしないだろう。作戦の筋書をつくり、それに従って完敗する。孟獲は
そんな計画を立てた。同じ負けるにしてもこのほうが犠牲者が少なくてすむはずなのだ。
「よろしくお願いする」孟獲は懐から地図を取り出した。
「それにしても孟獲どの」孔明は相手の顔をしばらく見つめて言った。
「そこもとのこと、勇猛の士とばかり思っておりましたが、いやなかなか智略に優れて
おられる」
「痛みいります」孟獲は頭を下げた。

そして、後は例の「七度放たれ、七度捕わる」。
「おぬしには天の威がある。われらはもう造反いたさぬ。」孟獲は最後に孔明にそう
言った。諸部族の首長達も、この戦いの経過を見て、蜀への投降に異論を唱えるものは
いなかった。

=======================================

で、この後、この南征の目的に、宿将たちがあいついで世を去った蜀において、実戦の
経験に乏しい孔明に、野戦の司令官の経験をさせることや、南方の地下資源の開発が
あったとあります。

初めてこの一連の話を聞いた時には感動しました。もし本当なら、事実は小説より
何とやら、いやはや・・・・・。


	漢字が~時間がかかったよ~の	   MAP2513	夏のこたつ