#104 Article 349 Posted at 1992/01/31 03:29:38 by あっぷる (MAP805) [NO.25]

Subject: Re:*12 第25話 「薔薇のルージュ」 /348 ..... /338 /337

後半は、僕の意見は書きません。セリフと状況説明だけでお楽しみ下さい(^^;)



宮さま「さぁ、いらっしゃい。こちらへ。」
奈々子「は、はい。」
宮さま「お座りなさい、ここへ。ここへ来て。」
と自らが座るソファのとなりを叩く宮さま。奈々子ちゃんは、宮さまの座ってい
る反対側の端にちょこんと座ります。
宮さま「どうなさったの? いらっしゃい、もっとそばへ。」
といいつつ、宮さまの方から奈々子ちゃんにすり寄ります。そして、奈々子ちゃ
んの右手の上に、軽く自分の左手をのせます。
宮さま「昔、わたくしが持っていた抱き人形に、よく似ているわ。あなたの唇。」
というと、薔薇色のルージュを取り出します。
宮さま「どう? 綺麗な色でしょ? あなたも似合ってよ。」
と、立ち上がって奈々子の肩に手をおくと、
宮さま「さぁ、目を閉じて。静かに。唇を結ぶの。」
と、奈々子ちゃんの唇にルージュをつけてしまいます。
宮さま「美しいわぁ。本当によく似合ってる。」
そして、奈々子を鏡の前にたたせます。
宮さま「もう2年、いえ、あと3年ぐらいかしら、あなたはきっと自分でも驚く
    ほどの、すてきなレディになるわ。そして、素晴らしい夢のような男性
    が、あなたのまわりにはたくさん集まってきてよ。ですから……辺見さ
    んとのお付き合いは……やめて。」


宮さまから逃れようとする奈々子ちゃん。
奈々子「わたし……わたし……。おに…いえ、辺見さんとは……」
宮さま「知っているわ。分かっていてよ、始めから。」
というと、奈々子ちゃんに後ろから抱きつく宮さま。
奈々子「え?」
宮さま「始めから。何もかも。」
奈々子「始めから?」
宮さま方を向く奈々子ちゃん。
宮さま「分からないの?」
奈々子「宮さま?」
宮さま「好きなのよ。あなたが。」
と、今度は前から抱きつく宮さま。
宮さま「本当にどうしようもないほど、可愛いと。入学式のときから。」
奈々子ちゃんの髪を撫でる宮さま。
宮さま「だから、辺見さんのことなんか……。」
というと、奈々子ちゃんの耳にキスする宮さま。この時、キスをしている唇の部
分にボカシが入ります(笑) そして、奈々子ちゃんをソファに押し倒す宮さま。


そのとき、サンジュスト様が部屋に走り込んで来ます。立ち上がる宮さま。
サンジュスト「あなたは……。」
宮さま「出て行きなさい!」
サンジュスト「あなたの、身震いするほどの誇りは。私があんなにも憧れ続けて
       いた、あの美しい誇りは、どこへ消えたのですか! そんな……
       自分をそんなにまで卑しめて……あなたは……あなたは……。」

サンジュスト「はっきり仰ったらいいでしょう。あなたは辺見武彦を愛している
       と。だからその子を、だから御苑生奈々子を、無理矢理ソロリテ
       ィにいれたのです。ソロリティに引き入れて、自分の崇拝者にし
       て、彼から遠ざけようとしたのです。」
奈々子「おにいさまを、宮さまが……? だ、だから私を、ソロリティに? そ
    んな……そんなことって……。」
サンジュスト「やっと分かったのです。あなたが考え、何をしようとしているの
       かが。でもやめて欲しい。あなたが、あなたの誇りを卑しめてま
       で、して欲しくない!」


宮さま「よくもそんなデタラメが言えたものね。奈々子さん、あなたまさか信じ
    はしないわよね?」
呆然としている奈々子ちゃん。
宮さま「あなたが出て行かないのなら、わたくしが出て行きます。」
と、部屋を出ていく宮さま。

外は雨が降り出してきています。涙を流すサンジュスト様。
奈々子「サンジュスト様……」
サンジュスト「どっち?」
奈々子「え?」
サンジュスト「どっちなの? どっちの耳? どっちだ! 蕗子様の唇が触れた
       のは! どっちだ!」
奈々子の耳を出して、右耳に薔薇色のルージュのあとを確認すると、サンジュス
ト様は、奈々子ちゃんを押し倒して、ルージュの後に唇を触れるのでした。


雨の中、傘をささずにトボトボと歩く奈々子ちゃん。泣いています。
奈々子「恥ずかしい。やはり私、ソロリティに入る資格なんてなかったんだ……。
    恥ずかしい。そして。そして。悔しい。」


時計塔の部屋で、薬を噛むサンジュスト様。
サンジュスト「蕗子様……。思えば思うほどあなたを、あなたを私は傷つけてし
       まう。ついに、言ってはいけないことを私は……言ってしまいま
       した……。」


車をとばして別荘へ向かう宮さま。
宮さま「私の宝物。誰にも見られてはいけない、私の宝物……。」


風呂場の床にへたりこみ、頭からシャワーを浴びる奈々子ちゃん。
奈々子「やめなくちゃ……やめよう、ソロリティ。」
風呂から出ると、智子ちゃんから電話。映画の結末を聞く奈々子ちゃん。
智子「エリザベスがさ、トムに恋人がいることを知ってしまうのよ。しかも親友
   よぉ、その恋人。エリザベスの。見ちゃうのよねぇ、2人が会ってるとこ
   ろを。」
画面では、ソロリティハウスでの一連の出来事が流れている。おそらく、奈々子
の心の中の状態でしょう。
奈々子「ひどいね、それ。」
智子「ひどいのさぁ、ほんとに。どうしようもないほど。でね、で、一気に結末
   を迎えちゃうわけ。で、どうなると思う?」
奈々子「うん……」
智子「悲しいねぇ、旅に出ちゃうのよ、彼女。トムの子供を宿したまんま。」
奈々子「それで……」
智子「そこまで。それで終わり。」
奈々子「……そんなぁ……」
そして、自分の部屋の床にへたりこんでしまう奈々子ちゃん。
智子「おい、エリザベス! 元気か?」
奈々子「たぶん……明日か明後日か……もうしばらくしたら……」
智子「あ……」
奈々子「ありがとう、智子。」


別荘に着く宮さま。何も言わずに、閉じられし部屋に向かいます。
宮さま「宝物だったのに……。私だけの宝物だったのに……。あの子達が壊した。
    あの子達が……踏みにじった!」
宮さまは泣き叫ぶと、部屋の物を壊し始めるのでした。


							あっぷる