#9 Article 491 Posted at 1989/11/17 08:12:29 by ジキル (MAP086) [ANIDOU]
Subject: TOKYO'89 外国アニメーション その2
ヴラスタ・ポスピシロバ女史の監督作品は一本も見ていない(アニメーターとし て参加した「真夏の夜の夢」や「闇のまぼろし」「ハーメルンの笛吹き」は見たが )ので『TOKYO´89』の作品全てに批評なり感想は書けませんが,この企画は 面白いと思います。 最近出版された『魔女の宅急便 THE ART OF KIKI'S DELIVERY SERVICE』 冒頭に,宮崎監督の語った事として「アニメーションが行き詰まっているのは,色が どれも似ていて,「ああ,アニメの色」という風になっている事も,原因の一つなん だと思う。色を限定することは,アニメーションの作品の幅を狭くしているんです。 ・・・」 これは,日本の商業アニメ,そしてセルアニメーションの社会に身をおく,宮崎監督 のギリギリの日本アニメの問題の指摘だと思います。 前のArticle でとり上げた二人の監督作品は,現在の日本のアニメと比べ全ての 面で違っています。 ● ポール・ドリェッセン監督は,オランダ( オランダの作品は日本ではほとんど作 品紹介の機会がない)の監督ですが,その名前を知られるようになったのはやはりN FB(ナショナル・フィルムボード・オブ・カナダ: 社会主義国以外でもっとも活 動している国立スタジオ)に招かれてからの製作活動だと思います。 現在日本のアニメーションの問題の一つに,商業アニメ一辺倒になっているきらい があります。草月ホール時代と違い,発表の場所は現在多く存在しますし機会もあ ります。 しかし,一番の問題は資金です。それが存在しない事です。 文化活動などのどんな名目でも,あれば良いのですが,この事を考えて見る良い機会 かもしれません。社会主義でないカナダのNFB活動などは,その例として参考の になります。 日本では一つの例として,NHKなどの活動の再考が必要かもしれません。NHK の話題では,「青いブリンク」の後番組とし「ふしぎの海のナディア」が決りまし た。(制作:ガイナックス/オネアミスコンビが担当) その1/10 の予算があれば1本 アニメーションができます。(1本できるが「クラック」や「木を植えた男」なみ の傑作できるかは別問題ですが・・) ● ヴラスタ・ポスピシロバ監督の事は知りませんが,チェコスロバキアの人形アニ メーションは一度は鑑賞の価値があります。 現在日本のアニメーションのもう一つの問題として,セルアニメーション一辺倒に なり,セルアニメ以外認めない風潮はその事じたいが,宮崎監督の言った「アニメー ションの作品の幅を狭くしているんです」を例に出すまでもないと思います。 確かにセルアニメーションの表現の自由度は認めますが,セルアニメーションだか ら捨ててきた何かがあるのではないでしょうか?。 (セルアニメーションの自由度があるといってもアニメを消費する日本,さすがに息 が切れてきた感がします) 具体的に一作品,一作品の解説を書ければ良いのですが・・・。 -------- ジキル map086.