#9 Article 1105 Posted at 1990/06/01 20:56:18 by ISAM (MAP1129) [MAGIC.HAT]
Subject: Re: Gコンガー御懐妊!? /1104
げげ、NOZOMUセンセに先を越されてしまった・・・ こうなったら奥の手を出すかな。 そう・・・ 今までになく分かりやすい、読んでとってもためになる 「マジカル・ハット的私的マジカルとしてのマジカル・ハット論(笑)」だあっ・・ ・長いタイトル(疲)。 あーあ、今週も感動しちゃった。 マジカル・ハットって、頭にマジカルって付くぐらいだから、ちゃんとしたマジカル 物として、いつも視聴者に愛と夢と希望を与えてくれますね。 もちろん、頭にマジカルとついていたって設定自体はほかのマジカルものと全然まっ くほとんど関係ありません。 主人公は、可愛い女の子じゃなくて怠惰なガキだし、その他の登場人物も臆病、卑怯 、変態、バカ、お坊ちゃま、子持ち(さあ、誰がどれにあてはまるでしょう)と、一見、 愛と友情から程遠いところにあります。 しかし、それはあくまで見た目であって、本編は常に愛を追い求めるストーリーにな っているのです。 何故、マジカルハットがここまでに素晴らしいのか? それは、このマジカルの基本である愛を追い求める姿勢にあることはもちろん間違い がないことでしょう。 ふとした、きっかけから手下が妊娠してしまったことを知ったらどうするでしょう。 しかも、その手下がオスだったら・・・ 弱っているGコンガーに気がつかず、サッカーボールで、どついてしまうハット君。 いつもは、助けてもらっている手下なのに、体調の変化に全然気がつかず、ひどい目 にあわせてしまう。 ロボックが翻訳したおかげで、Gコンガーが妊娠していることを知るハット君達、み んなで大笑いしてしまう。人が苦しんでいるのに、こんなにむたいな話はあるでしょう か? こんなにひどいやつらなのにGコンガーは忠義を尽くすのやめようとはしません 、こんな素晴らしい話はあるでしょうか。 こんな美談は、ほかのマジカルに、いやほかのいかなる作品にもないでしょう? ス イートミントならテンポがのろいので、サッカーボールでどついたところでAパートが 終わり、みんなで大笑いしたところで1話が終了してしまいます。 マジカル・ハットは怠惰、卑怯、わがまま、といった子供の日常生活に不可欠なもの を背景としながらも、それをてんこ盛にすることによって、より愛というものについて 深く語ろうとしているかに見えます。 ほかのいかなるマジカル作品、サリーちゃんだけじゃない、モモだろうと、マミだろ うと、エミだろうとペルシャだろうとユーミだろうと、怠惰とか卑怯とかわがままなん てえのは1話に1個ぐらいしか出てこなくて、みんなでこぞって頑張らないと、そーゆ ーものは解決できないものなのに、マジカル・ハットはみんなでこぞって怠惰、卑怯、 わがままをやって散在させるのに、解決されるのは、そのうちたった一つなのです。 これは、どちらかといえばメープルタウン物語に近いものを持っているといえばいい のでしょうか? マジカル作品でこういう設定を取り込んだ作品はあったか? 答えは 否でしょう。従来のぴえろマジカルは(ハットはピエロの最新マジカルなのだ!)、一 般的なプロット構成の枠内に終始し、恋は打算抜きの決定事項として提示されるだけで す。終始恋をしつづけ、変わるのは周りの状況だけで(その点、スピンちゃん移り気で ある)、本当に家庭的日常的な雰囲気を持っていた作品は皆無でした(とちらかという と、イメージとしてのニューファミリーというものを提示しつづけるという点で少女雑 誌の原点に近い)。 ようするに、一般社会では細々したことはたいてい笑ってすませるもんなんです。 あと、時間の経過によって忘れちゃうってえのもありますが。 マジカル・ハットではさらに素晴らしいことに、スピンちゃんが欲に走って、生まれ たGコンガーの息子、銀コンガーを売り飛ばそうとしたときに、タウ爺さんがそれを止 めようとします。 なぜなら、銀コンガーは本当に銀でできているわけではなく、さらに飼っていれば金 の卵を生んで幸福をもたらすからなのです。 結局問題になるのは目前で繰り広げられるGコンガーと銀コンガーの愛情の深さでは なくて、自身の利益です。 ここには、社会にとってもっとも有益だと思われる老人のありかたを見ることができ ます。老人とは硬直した倫理を説くべきものではなく、生きた役に立つ知識を教えてく れるという点において、まさに必要とされるのです。 教養などといった死んだものではなく、生活に役に立つ知恵を与える存在としての年 長者の存在・・・まさにこれこそが、いままでのマジカルになかった、そして正しい視 点です。 同様にして、最後の最後で金の卵を得、歌舞伎町で飲むのはタウじいさんであります 。これは、社会の利潤を最終的に甘受するのは結局は知恵に長けた老人であり、またそ の裏付けとしては、老先身近いゆえの彼らの生への執着がある、と考えることができる でしょう。 このようにして、マジカル・ハットではマジカルなる一連の作品が失いつつある、 「愛」と「魔法」という2つの必然について、新たな方向より光を当てているといえる でしょう。愛とは一義的だが永遠に思え、同様にして魔法もそう考えることができるが 一時的なものである・・・これは、マジカルの最も基本的な概念であり、マジカル・ハ ットにおいてはたったの10秒も持たないという点において、まさにマジカル!・・・ マジカル・タルルートでさえ10分は持つんだからねえ。 マジカルとは、まさに魔法という一時的な力によって、永遠にも思える愛を取り戻す という永遠の繰り返しへの回帰であるとすれば、1話の中でさえ何10回と愛を打算に よって裏切りながらも、魔法の力さえも必要とせず、むしろ何もしないで、うっちゃっ ておいてもどうともならないマジカル・ハットの物語構成というのは、マジカルの中の マジカル・・・物語さえもすでに魔法のただ中において存在している、とさえ絶賛する ことができるほどの最高のマジカルであることは言うまでもありません! 正直いって、ほかのマジカルと、マジカル・ハットを比べるのは酷でしょう。 敢えて言えば、あらゆるマジカル作品を凌駕する出来栄えだと、私は思います(まあ、 作画とアホらしさではモモをも越えているからのう)。 ハット君は飯を食う、ひたすら飯を食う、ほとんどホームドラマの世界です。 そうすることによって視聴者はハットの怠惰な世界に、感情移入したうえで、寝転が ったり、昼寝(夕寝?)したりしながら、楽~にアニメを楽しむことができます。 ああっと、でも今週はいただけなかった点が一つ。 最後の金の卵を得るのはタウ爺さんでいいのですが、スピンちゃんが無欲すぎます! スピンちゃんはあんまり無欲な子じゃないんです! (これは、いわゆる平均的な女 の子キャラと比べてですが) 女の子の夢をたくさん持ってます。 年収1000万以上、身長180cm以上、車と都内に2LDK以上のマンションを 持ってなきゃダメなんです。 それに、自分は歌手になってバリバリ稼ぐチャンスを虎視眈眈と狙っているような、 自己顕示欲豊富な強欲な女の子なんです。 まったく、落ち着きが無い子なのでいつもチャラチャラと動いていますが、そこは金 勘定が巧い現代っ子なのですから、若さゆえに先走ってトンビに油揚げをさらわれても、 小指一本でも引っ掛けて食い下がるというところがあってもよかったのではないでしょ うか・・・その点がまだまだ甘すぎます(とは言ってもこのレベルで他の作品を語った ら、「ちゃんちゃらおかしいぜ」という結論が出てきてしまうのでそんな大きな問題で はないですが・・・・) ああっと、かなり長くなってしまいました。 これで、マジカル・ハットの基本テーマが受・・・じゃなくて愛だということがわか っていただけたでしょうか。 当然、親子の愛情というものもほかの作品になく深く語られています。 このようなさまざまな、愛について語っているのがマジカル・ハットだということは わかっていただけた、と思います。 もちろん、この文章がマジカル・ハット本編ほど、ラジカルでためになる、笑っちゃ うほど楽しい、ものになりえているとは到底思えませんが・・・ あ~あ、たるうー。 早く飯食って寝よ(ナディアも見たし)。 ISAM