#84 Article 467 Posted at 1991/03/08 03:08:29 by MEMOLE (MAP1917) [STORY]

Subject: Re:*34 夜の少年少女世界名作連続ドラマ「小公女ヒラリー」(笑) /444 .......... /147 /146

☆ 夜の少年少女世界名作連続ドラマ ☆ 「小公女ヒラリー」

   (第36回)「魔法のはじまり」

   寒い冷えきった屋根裏部屋で、ろくな手当も受けられないまま、ヒラリーは
   何日も眠り続けました。院長先生は、ヒラリーの事を、どこかの慈善病院へ
   入れてしまうしかないと考えていました。学院から、死人が出たという噂を
   立てられたら大変だからです。

   その頃、隣のご主人は、ヒラリーが、ここ何日も姿を見せてないと聞いて、
   心配になって、従者に様子を見てくるよう言いました。そして、ヒラリーが
   病気で苦しんでいるという事を知ったのでした。

   「・・・では、私に、隣の屋根裏の少女の役に立つ事が、出来るのか!?」

   「はい。あの少女に今、必要なのは、暖かい部屋と、暖かいベッド、暖かい
    食事・・・そして、暖かい隣人からの愛の手だと・・・。」

   「そうか・・・では頼むぞ・・・。」

   こうして、ヒラリーが眠っている間に、隣の主人からの使者達はこっそりと
   屋根裏部屋に忍び込んで来ました。そして、部屋を掃除し、暖炉に火を入れ
   暖かい毛布と、豪華な食事を用意して、そのまま帰って行ったのです。

   しばらくして、暖かい部屋の心地よさに、ヒラリーは気がつきました。

   「ううぅぅん・・うん・・・うわぁ!!・・・なんて素敵な夢なの・・・・
    うわぁっ・・・私、まだ夢の中にいるのかしら・・・。
    ああっ・・・目を開けたら、目を開けたら・・・夢だったんだなんて・・
    そんな事はないわ!!・・・だって、本当に見えたのよ!!
    ・・・ああ・・目を開けるのが恐い・・・・だって・・・だって・・・
    夢が消えないという夢・・・本物そっくりの夢・・・。

    うわぁぁぁぁぁ!!夢ではないのね!!
    でも・・・夢でなければ、いったい誰が・・・!?」

   ヒラリーは、急いで、隣のキャサリンの部屋に行きました。

   「キャサリン!!起きて!!キャサリン、大変なのよ、キャサリン!!」

   「・・ヒラリーさん、こんな夜中に、起きても大丈夫なんですかぁ・・・?」

   「うふっっ!!病気ならもう大丈夫よぉ!!それより、私のお部屋に来て!!
    魔法がおこったのよ!!」

   「・・・ヒ、ヒラリーさんてば・・・可愛そうに、高熱で頭がおかしくなっ
    ちゃったのね・・・。」

   「うふふっ!!何を言ってるのよ!!キャサリン!本当なんですってばぁ!
    さあ、来ればわかるわ!!」

   ヒラリーは、夢を見ていた訳ではありませんでした。部屋には、暖炉の火が
   暖かく燃え、テーブルの上には、豪華な料理が食べきれないほど用意されて
   いました。二人は、まだ夢を見ているみたいでしたが、お腹がたいへん空い
   ていたので、取り敢えずご馳走をいただく事にしました。

   「・・・・そうか、隣の屋根裏の少女が、それほど喜んでくれたとは・・・
    ははは!!魔法使いのご馳走か・・・ははは・・・それにしても、彼女は
    よく、これほど早く元気になってくれたものだね・・・。」

   「はい。私も、不思議に思いました。・・・あるいは、病気を直したのは、
    彼女自身の力だったのかも知れません。」

   「ほぉぅ・・・それは、またどうしてだね・・・?」

   「私の見た所、あの少女は悪い条件の中で働かされ、死ぬほど疲れきってい
    たのだと思います。それが、倒れて何日も寝込んだものの、自ら病に打ち
    勝ち、元気を取り戻したのです。」

   「うぅむ、その通りかもしれん・・。隣の少女は、自分で自分の生きる力を
    取り戻したに違いない・・・。」

   この出来事で、ヒラリーは、どこかで自分を暖かく見守っていてくれる人が
   いる、という事を知って励まされるのでした。

   よいこのみんなぁ!!このつづきは、またあしたね!!

   寝る前にリンちゃんコーヒー飲も! 朗読 MAP1917 MEMOLE