#84 Article 266 Posted at 1991/02/18 02:26:46 by MEMOLE (MAP1917) [STORY]

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☆ 夜の少年少女世界名作連続ドラマ ☆ 「小公女ヒラリー」

   (第18回)「悲しいメイポール祭」

   今日は、学院のみんなが早起きして、公園に集まっています。

   「キャサリン・・・? みんな何をしているのかしら?」

   「そうそう!!今日は、五月の朝露の日だったんですわぁ!」

   「えっ? 五月の朝露の日・・・?」

   「ヒラリーさんは、ずっとインドでお育ちになられたから御存知ないでしょう
    けど、イギリスでは、一年で今日一日だけ、魔法の朝露が降りて、それを浴
    びると、その後一年間は美人でいられるって言われてるんです。」

   でも、ヒラリーには、そんな事をしている余裕などありません。メイポールの
   棒を立てる仕事があるのです。その為、朝食を食べている時間もありませんで
   した。実はヒラリーは、昨日も何も食べていませんでした。

   そのうえ、買い出しの仕事を言いつけられてしまいます。重いバスケットを運
   んでいる時、ヒラリーは、あまりの空腹の為、めまいがして倒れそうになりま
   した。そんな時、裕福そうな少年が、ヒラリーに話しかけてきたのでした。

   「キミ、野菜売りなの?・・・顔が青いけど何も食べていないんだね。」

   「い、いえ・・・。」

   「これ、あげるよ!何か買って食べるといいよ。」

   それは6ペンス銀貨でした。少年は、ヒラリーの事をマッチ売りの少女みたい
   に物も食べていない、貧しい不幸な境遇にあると思ったのです。

   「御親切はうれしいんですけど・・・本当によろしいんです。」

   「うぅんうん!!駄目だよ!受け取ってくれなくては・・・。さあ!!」

   そう言うと少年は、ヒラリーの手を開かせ、お金を握らせました。

   「あ、ありがとう・・・」

   「いいんだよ!キミみたいな、かわいそうな人には親切にしてあげる様にって
    ママに教わったっんだ!」

   屋根裏部屋へ戻ったヒラリーは、じっと6ペンス銀貨を見ているうちに悲しく
   なって来ました。ヒラリーの胸は、とても深い悲しみで張り裂けそうでした。

   それは、昔の自分が、今の自分に変わってしまったその運命の悲しさが、胸の
   中に突き上げて来たのです。ヒラリーの頬を、涙がとめどもなく流れていきま
   した・・・。

   ・・・さあ!これからヒラリーはいったい、どうなってしまうのでしょう!?
   よいこのみんなぁ!!このつづきは、またあしたね!!

   親切な少年の声はポリアンナでした。うーむ!(笑) 朗読 MAP1917 MEMOLE