#82 Article 4018 Posted at 1999/07/15 21:28:24 by カモチャン (MAP4413) [MOVIE]

Subject: リバイバル上映3

「新機動戦記ガンダムW エンドレスワルツ」

 まず率直に言って、先頃公開された時に1800円も出してまで
見なくて正解でした。「ガンダムW」は、テレビ版において「完全
平和主義」という発案者でさえしっかり理論立て出来なかった設定
を出してしまったがために、訳の分からない作品になってしまいま
した。また登場キャラのキ印ぶりが良かったですが、途中でほとん
ど普通の人に成り下がってしまい、ますます魅力を無くしていき、
シリーズ最後の方では、主役のヒイロが「お前を殺す」という台詞
とか直ぐに自爆しようとするところは、「トンデモ」的な笑いにし
かならなかったです。
 こういうシリーズの劇場版ですから、作品の完成度はあらかた予
想できまして、まさにその通りでした。一番の失敗は「なぜ平和を
求めるのか」という理由が全く描けていところでした。後で書く「F
91」でも書きますが、おそらく制作者が戦争を解っていないし、
経験のバックボーンも無いために、薄っぺらな戦争のシーンしか描
けなかったからです。ただそれぞれの陣営の間のドンパチだけなな
んです。これだけだったら「ゲーム」ですよ。戦争ゴッコですよ。
またご都合主義も随所に見られました。富野氏の例えば「ニュータ
イプ」というご都合主義はそれなりに納得出来るものでしたし、納
得させる描き込みがありました。ところがこの作品はそういうモノ
が全く無いものですから、本当にご都合主義のままです。だから最
後の方でもっともらしい格好良さそうな台詞がポンポン出てきまし
たが、ただの「トンデモ」的な笑いにしかならなかったです。
 ひょっとしてこの作品で言いたかったのは、子供に過ぎたオモチャ
を持たしてはダメだったのか。ホンマにしょーもない。



「機動戦士ガンダムF91」

 公開当時はまぁ普通ぐらいにしか思っていませんでしたが、特に
「ガンダムW」の後に観たためでしょうが、結構良いなと思いまし
た。
 やはり富野さんと言いましょうか、戦争の描き方が迫力があり上
手かったです。戦争によっていとも簡単に壊されていく日常。落ち
てきた廃挟が頭に当たって逝っちゃったり。勇気ではなく無謀な行
動によって爆風に吹き飛ばされて死んだり。実に下らないぐらいに
あっけなくさっきまでピンピンしていた人が死ぬ姿は、まさに戦争
だなと思えました。「ブレンパワード」の宣伝文句に「頼まれなく
たって生きてやる」とありましたが、ファースト「ガンダム」にし
ろこの「F91」にしろ、ただひたすら「生き残りたい」願望が切
々と描かれていたから、ニュータイプというご都合主義も意味のあ
るモノになったのでし、出てくる台詞にも重みがありました。
 もっともこの「F91」では、富野氏は「ニュータイプ」という
言葉に醒めてきたのではないかと思えました。それだけにアムロと
シャアを葬って「ニュータイプ」と決別できるチャンスがあったの
に、結局「ニュータイプ」に寄り掛かってしまったのには残念な思
いです。だから「F91」シリーズは1発で終わってしまったので
は。あと営業サイドからの注文なんで上映時間の制約でしょうか、
兵士が突然寝返ったのは合点がきませんでした。寝返るって事は大
変な事態ですから、決意の過程とかその者に対して疑心暗鬼になる
人達をやはり描くべきだったでしょう。でないとそのキャラがもの
すごく軽薄な感じがしてしまいますし、周りの人も脳天気な性格に
思えてしまいます。寝返った後初めての出撃したときに艦長代理の
「出した方が面倒がない」という台詞があったのはせめてもの救い
でした。
 シリーズのケリがつけられなく始まっただけで終わってしまい、
不幸な作品でした。



P.S この間の書き込みで「ガンダム擬き」をZガンダムと書き
    ましたが、あるネットで「あれはZガンダムの量産型で別
    の機種である」と指摘を受けました。この点について誤っ
    た事を書いてしまって申し訳ありませんでした。



                         カモチャン