#8 Article 166 Posted at 1987/06/26 23:40:25 by NOZOMU (MAP041) []

Subject: 笑う標的

「笑う標的」をやっとこさ観ましたので感想を少々…

作画:きっぱり最低です。 前作「超女」よりさらにひどくなっていました。
   原作と同カットの止めは割と良い線いっていますが他は処置無しです。
   この作品は割と走るシーンが多いのですが、これまた最低でほとんど
   「銀鉄走り」(「銀河鉄道の夜」のネコさん達みたいな走り方)をして
   いて、図書館での里美の走りなどは緊迫感をそぐ事甚だしい。
   TV版うる星でラムちゃんが映画館でみていたワンカットの方が
   趣味で描いてあるだけあって数倍きれいでした。
   蛇足ついでにビデオアニメのノルマシーン、入浴シーンの里美の垂れ尻も
   頭抱え物です。 何であんなつまらんシーンを付け足すんでしょう…
   (分かっていても書かずにはいられない…)

声優:これに関しては以前にも書かれた事なので、くどくは書きません。
   これに比べりゃ作画なんて大傑作です。 里美役の「松本伊予」大先生の
   大名演に私は惜しみない拍手を送りたい。 頼むから二度とアニメに
   声をアテないでくださいね。 その他の声優に関してはまぁ
   問題は無いでしょう。 譲が少々暗過ぎるきらいはありましたが…

音楽:これもかなり不満が残ります。 「炎トリッパー」は歌がかなり聴けたし、
   「超女」はBGMが最高にノリがよかったですが、「笑う標的」では
   どちらもパッとしません。 まぁこのストーリーで新田一郎のノリとか
   言ったらブッ飛びますけど…

ストーリー:まぁ原作にクサい演出と50分枠というゼイ肉を付ければ
   あんな風になるのでしょう。 しかし、不用意に付けられたゼイ肉のせいで
   物語の大変重要な部分が無惨に変質しています。
    まず冒頭の幼い梓と飢鬼のシーンは不合理です。 梓の心に飢鬼が
   つけいるだけの隙ができるには、譲への異常なまでの執着と、
   譲との仲への障害(自分の貞操に危機を及ぼす者、自分が殺人者に
   なってしまうという事実、または具体的に二人の間に割って入る者。
   原作では2番目の理由である事が描かれている)は、何がなんでも
   排除しなければならないと言う脅迫観念が必要だった筈で、譲との
   婚約以前か、それ以後にせよ二人の仲に障害が無い頃の梓が飢鬼と
   戯れている訳は無いはずです。
    また、最後に譲に胸を射られた梓が譲を呼び寄せて抱かれた後、譲の
   首を絞めるシーンは絶対に許せません。 新たに出現した二人の間を裂く
   事態(梓一方だけに訪れる死)を解決するため譲にも同じく死を与える
   という事も考えられます。(また、梓の執着を考えればそれも、もっとも
   だと思えるのですが) しかし、それならば譲を呼び寄せる時、あんなにも
   諦めきった穏やかな呼び方をしてはいけないし、里美を殺そうとしては
   いけないのです。 あれでは自分が死んだ後二人が結ばれるのが口惜しい
   ばかりに、二人を殺そうとしているとしか思えません。 「譲ちゃん
   ウチの事嫌わんといてね。」と言う台詞には、あれだけの執着をみせた
   譲の事を諦め、せめて自分を嫌わないで欲しいと言う意味と、里美に
   あれだけの事をし、自分には「死」と言う最大の否定を突きつけられてなお
   「嫌わないで欲しい」と言うすさまじい執着との二つの意味を含んだ言葉だ
   と思います。 あんな態度で譲をだまして呼び寄せ、そんな台詞を吐きながら
   二人の首を絞めたのでは梓が余りにも醜く過ぎます。
    勿論原作とは別の作品ですから全く同じ話を描けとは言いません。
   しかし、原作では化物に魅入られ同化してなお(譲への強烈で一途な想いで)
   魅力的だった梓が、最初から化物に取り付かれて、最後の最期まで
   エゴイスティックな存在になり果てています。 これでは梓が余りに不敏です。

  以上、観た直後に感じたまま書いてみました。 少々古い作品ではありますが
 この作品に感想をお持ちの方、是非お聞かせ下さい。

   と言いつつ、もしフォローが無くて続きが書けなかったら困るので、
   些細な事も書いてしまいます。
   「袖口に取って付けた様な血糊を残すな!!」
   「写真の里美を消すな!! 飢鬼が、んな事できるか!?」
   「話を1日縮める為とは言え、ラストを工事現場にして梓に地ベタを
   這ずらしたのは許せねぇ!!」

  *** 直後と言いつつ感想書くのに1時間かかったNOZOMU ***