#8 Article 1026 Posted at 1989/08/20 17:28:25 by W.M. (MAP009) [TOP]

Subject: トップ ヲ ネラエ! サイシュウワ

トップをねらえ! 最終話 「果てし無き、流れの果てに…」


十五年後‐
  舞台は一挙に15年後となります。このように大きく時間を進めることは、
 私は評価していいと思います。
  アニメーション作品に限りませんが、非常にいい設定を作っても、その後
 で同じような話を繰り返したり、ずるずると引き伸ばしたりして、けっきょ
 く作品自体のインパクトを無くし、質を落としてしまうようなことがよくあ
 ります。この、トップをねらえ! でも、この15年間の間に起きたであろ
 う、いろいろな事件を使って、話数をどんどん増やすこともできますが、最
 初の予定どおり、ちゃんと6話で終わらせたことを、私は大いに評価したい
 のです(したがって、最近聞こえてきた、トップをねらえ!を来年からシリ
 ーズ化するという話に、私は原則として反対です)。

沖縄
  地軸が曲がり、沖縄でもオーラロが見えるようになってしまいました。わ
 ずか1年にも満たなかった、2人の結婚生活。

「行ってきます、あなた。いえ、コーチ」
「オオタ中佐」
  髪を短くしたおねぇさま。なんだかとても若くみえます。とっても魅力的。
  それにひきかえ、校長という重責のためでしょうか、すっかり老けてしま
 ったカシワラ校長。

「これ、お母さんから、ノリコおばさんにって」
  情けないことに、初めて観た時、私はこのセリフが出るまで、この子がタ
 カミちゃんと気づきませんでした。確かに、メガネをはずしたキミコそっく
 りなんですが。

字幕
  この最終話は、特に字幕が多いのですが、絵が白黒ということもあって、
 私にはまるで昔の戦争の記録映画のような感じを受けました。

「私にも本当はわかりません」
  このカットでのおねぇさまも好きです、落ち着いていて。

「同日、銀河系中心核いて座A*」
  同日という言葉は使わないでほしかったです。せっかく時間が伸び縮みす
 る世界を描いているのに・・・。

 話はかわりますが、この最終話はほとんどが白黒なのに、カラー信号も含ま
れて記録されています。そのため、シーンによっては虹がでてしまうところも
あります。せっかくの白黒なのに、残念です。

ノリコと移動ディスク
  移動ディスクでふわっと降りるときの、ノリコの髪の毛の広がりが好きです。

スイカを食べている艦長
  ここで笑う人がいるのですが、それはちょっと・・・。
  旗艦の艦長のような地位にいる人が、少佐(だったかな?)クラスの人に
 ちょっとした話をするような時間というのは、食事の時ぐらいしかないのが
 普通でしょう。多忙な人が食事をしている時に、個人的な会話を交わすとい
 うので、私はこのシーンにリアリティすら感じていました。
  ノリコとユングのペアのガンバスターというのも、見てみたかったような
 気もします。

バスターマシン3号の中のおねぇさまのコスモルック
  34歳だろうとなんだろうと、おねぇさまということで私は許します。

「人類の科学は、技術は、こんな巨大なものを作ることができるというのか」
  本当に大きい。70kmのヱルトリウムが、かなり手前にあるにもかかわ
 らず、小さく見えることからも、その巨大さがわかります。全長869km
 ですからね。

おねぇさまのお迎え
  どうしてこのシーンで、艦長とノリコとユング以外は、ラフにしか描かれ
 ていないのでしょう。白黒では、このようにしないと、中心となる人物が目
 立たないからでしょうか。時間がなかったからとは考えたくはありませんが。

タカミの写真
  さすがに30年以上もたつと、写真の技術も進歩していますね。それだけ
 ノリコは地球にいるみんなから、離されてしまった(違う時を過ごしてしま
 った)わけです。ノリコが泣きだしてしまいますが、私もここでは泣けてし
 まいます(何回も観てあるせいもあるのでしょうが)。ここで、ただ写真が
 立体だからといって笑っているだけ人がいるのですが、それでは、このシー
 ンのほんの一部しか観たことにならないのでは、と思います。

作戦発動90分前
  もしできることならば、作動する直前のBHBを敵の中心部に、無人で送
 りこめばよかったのでしょう。しかし、ワープの技術的制限のためか、そう
 することはできなかったのです。90分は、そう長い時間ではありませんが、
 しかし、その間、BHBを守りきることができなければ、これまでの地球的
 規模の努力はまったくの0になってしまいます。
  身だしなみを整えるオオタさんが、エンゲージリングを見つめて、決意を
 新たにしています。

「オオタさん!」
  ユングの気の強いところは、全然変わっていませんね(といっても、まだ
 半年+半年で1年しかたっていないわけですが)。この2人の会話、すっか
 り大人のオオタさんとまだまだ若いユングがよく描かれていると思うので、
 私は好きです。
  ところで、無重力通路内での個人個人の速度は、どうやってコントロール
 するのでしょうか。

「明日にするわ」
  でも、「明日」は・・・。

 そして、次々と配置につく艦船とマシン兵器。

「やつらめ、ブラックホール爆弾に気づいたな」
  宇宙怪獣には、走縮退炉性があることがわかっているそうですから、当然
 その対策もほどこされているはずです。しかし、あまりにも巨大なためか、
 気づかれてしまったわけです。

「どんな犠牲を払ってもかまわん。本体を死守しろ。あと22分だ」
  ここで、オーバーラップシーンの連続となります。この十数分間の戦闘の凄
 まじさは、普通のアニメーションにするよりも、このような止め絵のオーバー
 ラップの連続にするほうがいいのかもしれません。ともかく、失敗にはなって
 いないと思います。ただ、せっかくの止め絵なのに、なんだか絵が荒いような
 気がします。もっともっと精密な絵にしてほしかったとも感じました。
  ちなみに、frame 26120 あたりから、シズラーがトマホークやスピアを
 構えているシーンがあります。

「そうか、健闘したな」
「みんな、よくやってくれた」
  うん、うん。

「こうすれば、縮退炉が2つになります。ノリコ、1つ残っていれば、地球に
帰れるわ」
  初めて観た時には、このセリフを聞いてほっとしました。もし、ノリコが
 特攻してこの話が終わるようならば、最終話はありきたりの作品または駄作
 となってしまったことでしょう。

「表面温度、1600度。外圧、16500tpm」
  tpmというのは、tsm(ton per square meter)のことなのかなぁ。疑問。

「・・・いつ帰れるか、わからないのよ」
  考えまいとしていたことを指摘されて、うつむく2人。

「かまわないわ」
「うん」
  このあたりのシーン、素直なユングがいいですね。

「さよならは言わないわ、行ってきます」
  やさしい顔から、きりりととした表情に移ります。

「行ってらっしゃい、ノリコ、カズミ。帰ってきたら、お帰りなさいと言っ
てあげるわ」
  あぁ、この言葉が・・・。

「ごめんなさい、おねぇさままで」
「いいのよ、ノリコといっしょなら」
  ちょっと眉をあげて、こう答えるおねぇさまが、とてもやさしい好きです。

 ここまでの一連のシーン、ここに取り上げたものも含めて、3人の会話がな
かなか聞かせてくれます。

「縮退開始」
「縮退開始」
  重力縮退によって、活性化(?)するBHB。臨界点に達した縮退炉を打
 ち込んで後退するガンバスター、すごい迫力。

「再始動、確認」
「縮退連鎖、確認」
「第3次縮退、開始しました」
  なんだかよくわかりませんが、0に戻ったり9が並んだりで、とっても格
 好いい。ぞくぞくしてきます。

全艦ワープ
  第3,4話でのワープは、1艦ずつ、それも大きな重力場の近くではワー
 プできませんでした。今度のワープは、ブラックホールにができつつあるす
 ぐ近くで、全艦いっせいに、瞬間的にワープします。ワープの技術も進んで
 いるのですね。

「ごめん、キミコ、もう会えない!」
  全力でブラックホールから離れようとしているのですが、シュワルツシュ
 ルト面が足元にせまってきています。おそらく、ノリコの手元にある、地球
 時間を示している時計は、百年、千年の位が、目まぐるしいほどに増え続け
 ているのでしょう。私にとって、一番泣けるシーンです。
  なお、実際のシュワルツシュルト面付近では、高重力場によって空間が曲
 がり、このような光景にはならないそうですが、そこはまぁ、表現上の問題
 でしょう。

「ちょっとね、ノリコが呼んだような気がしたの」
  七夕なのは、このビデオソフトの発売日が7月7日だったからでしょうか。
 前作でも、1月1日の発売で、晴れ着姿が出ていましたから。

「1万2000年後か」
「地球よ、ノリコ」
「もう沖縄がどこにあるのか、わからなくなっちゃった」
  1万2000年程度では、地球の大陸の形はそう変わることはありません。
 が、真っ暗になってしまっている地表を見ているときの、本当にここが自分
 達の帰るべき地球なのだろうかという不安が感じられます。

オカエリナサイ
  たとえこの後、どのようなことが2人に起こるにせよ、このノリコの笑顔
 をみたら、これはもうハッピーエンドですね。
  イの文字が裏返っていることについては、製作者側は特に深く考えずにそ
 うしたという話ですが、もったいないものです。いろいろなことを、いくら
 でも考えられるシーンなのですから・・・。

「ありがとうガンバスター。さようなら」
  第5話のところでも書いたのですが、ノリコはガンバスターに、自分の父親
 の姿を重ねています。ノリコがガンバスターを捨てたということは、子供の頃
 に死に別れた父親から、精神的に巣立ったことを表しているのでしょう。

                                       MAP009 / W.M.